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朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。


16日発朝鮮中央通信によれば朝鮮宇宙空間技術委員会が16日、代弁人談話を通じて「太陽節100周年を迎えわが国では自身の力と技術で作り上げた実用衛星を打ち上げる」と公表しました。


朝鮮問題深掘りすると?
1993年4月の「銀河2号発射の瞬間




談話は「今回打ち上げる『光明星3号』は極軌道に沿って回る地球観測衛星であり、運搬ロケット『銀河3』を使ってピョンアン(平安)郡北道チョルサン(鉄山)郡の西海衛星発射場から南に向けて4月12日から16日の間に発射される」と伝えています。


そして「衛星発射過程で生じる運搬ロケットの残骸物が周辺国家に影響を与えないように飛行高度を安全に設定した」と付け加えました。朝鮮では2度に渡った衛星発射の後、宇宙科学技術分野で飛躍的な発展をもたらし,実用衛星の発射とその正常運営のためのしっかりとした物質技術的土台を築いてきました。そして今回、経済発展に必須の実用衛星を開発し利用するための科学研究の成果を披露することになったわけですが、地球観測衛星光明星3号の発射は強盛大国の建設を進めている朝鮮の軍隊と人民を力強く鼓舞することでしょう。


ところが日本の報道は3年前と同じく常軌を逸したチラシ広告並みのものでした。
【ソウル時事】は「北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンは16日、4月12日から16日の間に実用衛星を打ち上げると発表した。北朝鮮はこれまで、衛星打ち上げの名目で長距離弾道ミサイルを試射しており、今回も同様とみられる。北朝鮮が長距離弾道ミサイルの試射をするのは2009年4月以来3年ぶりとなると書き、読売新聞は「核開発を進める北朝鮮が、長距離弾道ミサイル試射を予告したことで、北東アジア情勢は一気に緊迫化しそうだ。」 


「毎日」の【北京・米村耕一】は「北朝鮮は先月の米国との合意で長距離ミサイルや核実験の一時停止を約束。ロケット発射は長距離弾道ミサイル発射と技術的に同じで、発射すれば米朝合意違反となり、日本、米国、韓国などの反発は必至だ」と書きました。他紙もほとんど同じ報道です。


付け加えれば、この衛星発射予告は『太陽節』100周年を記念し,キム・ジョンウン大将の位相を固めるのに利用するというコメントもほとんど同じです。なるほどそうした面がないとは言いませんが、それが本来の目的ではないことは知って余りあります。こういうことを言う者は朝鮮をまったく知らない素人でしかありません。朝鮮問題について書く資格のない者です。


ところでこうした反応は2009年の時とまったく同じで,それ以来記事を書いている記者らが一歩も前に進んでいない事を教えてくれます。


同じような誹謗攻撃に対しては同じ回答しか与えられないので答える方も結局同じ事を言うことになりますが,管理人としてはそれがいやでたまりません。2009年の時にはやったフレーズ「日本の空を飛ぶ」という無知で、低脳で脅威的な素朴さを表すこのフレーズは最早使うわけにはいきません.何しろ朝鮮は西海岸の発射基地から南に向かって発射すると言っているのですから。何度言っても理解できない(理解しようとしない)低脳者は黙ってほっとくのがいちばんです。それで酷い目に遭って初めて分かるのならそうすれば良いだけです。それもまた人情でしょう。これでは冷たすぎるというのであれば次の記事を読ませて下さい。


2009-03-14号http://ameblo.jp/khbong/entry-10224079341.html
2009-03-20号http://ameblo.jp/khbong/entry-10227272445.html
2009-04-11号http://ameblo.jp/khbong/entry-10239971468.html
2009-05-10号http://ameblo.jp/khbong/entry-10258049436.html の各記事

蛇足でhttp://ameblo.jp/khbong/entry-10228702175.html


「毎日」の記事は2.29合意を持ち出して早くから朝米合意違反だと決めつけています。この判断が2.29朝米合意を手前勝手に読み込んだ早合点であることはすぐに明白になると思います。もちろんアメリカも米国務省のヌーランド報道官の口を使って16日早朝(日本時間同日夜)に、朝鮮が予告したロケットの打ち上げを「国際的な義務に直接的に違反するミサイル発射」と位置づけたうえで、「非常に挑発的だ」として自粛を求める声明を発表しています。


アメリカとしては2.29合意が交渉の敗北ではないことを強く印象付けるためにもそう言うでしょう。朝鮮も折り込み済みでしょう。つまり朝鮮とアメリカの間ではすでに了解済みの事であり、その上でのヌーランドの口を使った国務相声明だと呼んだ方が正解に近いでしょう。国務省の声明が「自粛を求める」ものであって抗議の声明ではないと言う事がそれを意味するのではないでしょうか。「毎日」の記者は2.29合意を完全に読み間違っています。



2MBとパク・クネの接近の裏側について続けて書くことにします。前回は裏に隠されている2MBとパク・クネの意図について簡単に見ましたが、そうした意図は現在のすべての事情を飲み込んだ大きな流れを形成しているようです。


第1に最近急激に高まっている北と南の武力衝突の危険な裏側を見る必要がありそうです。現在の軍事的危機が、朝鮮の最高尊厳に対する韓国軍の意図的な冒涜が最大の要因でもありますが、それだけではなく米韓合同軍事演習と関連してのキム・グァンジン国防長官の好戦的な発言、例えば「北は必ず挑発してくる」と決めつけては「挑発は応懲せねばならず,応懲は挑発よりも10倍の強度で行うべき」「応懲は挑発してきた部隊だけではなくその背後の指揮所にも加える」としながら軍部隊に対し,北への敵愾心を植える対敵教育を強化すべきだ」などといかにも戦争の危機がまじかに迫っているという印象を市民に振り撒いているのです。いわゆる「北風」です。


他方で済州島カンジョン村海軍基地建設問題で中国との領海問題を自ら持ち出すかと思えばいわゆる「脱北者」問題で中国に圧力を加え,国連の場で醜態を見せるなどわざと問題をこじらせ拡大しており、朝中を絡めて敵愾心を煽っています。形の違った「北風」です。


つまりまたも「北風」を起こし、それに便乗しようとしているわけです。この「北風」が最早まったく威力が失せた事は昨年の地方選挙やソウル市長選挙でも明らかになったところですが、他に妙案のない2MB政権としては藁をもつかむ心境なのでしょう。そしてこうした「北風」がうまく吹いてくれるようにするために守旧保守層が歩調を合わせる必要があり、そのためには仲間討ちを避け力を合わせる必要があります。


第2に昨年問題になったにもかかわらず、調査に手を抜きうやむやにした問題がまたも表面に姿を表し,2MBを窮地に陥れる可能性が出てきたことです。


まず大統領府である青瓦台が主導したと言われた民間人査察証拠隠滅問題があります。ここ数日の間、この「民間人査察」に青瓦台が深く関与していたと言うこと,それをむまするために「大統領の男」リ・ヨンチョル雇用安定秘書が金をばらまき、証拠隠滅を図ったことなどが明らかになっています。


また「4大江開発」が巨大な自然災害をもたらす危険のある事が明らかになりつつあり、この予算がいくらかかるか底知れない土木事業によって潤った財閥、企業と裏で係わった2MB政権の核心的政治家らの名前も浮き上がり始めています。民衆の注意がこれに引かれると2MB政権が完全に民心から外れ、総選挙での敗北は必至の様相です。北南間軍事的緊張の激化は市民の関心をそらすのに絶好の材料です。


第3に2MB政権としては民主統合党の統合当時の支持率の高さが、公認作業の過程で見せた党内不協和音のせいで何処かへ飛んでいき,支持率が下落しているのを、いっきに形勢逆転を図る最大のチャンスだとしてたたみかける必要があります。セヌリ党の結束を見せつけることによって内部不協和音にあえぐ統合民主党のイメージダウンを図るというわけです。


こうした理由が2MBとパク・クネの接近をもたらしたのでしょう。しかし、残り1ヶ月、この構図がはたして成り立つのでしょうか。「北風」はもはや役に立たない古びた刃です。「民間人査察」問題もほとんど暴露されたもおなじです。「4大河」工事はいたるところで不実工事の爪痕が姿を表しており、カンジョン村海軍基地建設は人々に「4.3蜂起」の記憶を蘇らせています。朝米高位級会談の結果とその後の朝米会談も急速に進展を見せており、そこには2MB政権の入り込む余地がありません。


キム・グァンジンがいかに「応懲」を騒ごうと、アメリカがその気にならない以上、ただのかけ声で終わる他ない運命です。そしてアメリカは軍事的対立ではなく、平和的外交交渉で朝鮮への接近を図っています。


結局取り残され,仲間外れにされた恐怖と切なさが二人の接近をうんだのでしょう。しかも2MBから近づいたことは、総選挙後の2MBとパク・クネの関係を予測させてくれます。具体的なことは書きませんが、総選挙を境に2MBとパク・クネの関係はセヌリ党が勝とうが負けようが、どのみちパクがリードする形を取ることになるでしょう。

総選挙まで1ヶ月を切った現在、2MBとパク・クネの関係が急速に近くなっているようです。12日の2MBの発言がそれを物語っています。「パク・クネ大勢論は耳にしたことはあるが、限界論は聴いたことがない。パク委員長は有望な政治家であり、あれほどの政治家は何人もいないと思う。」


韓国の新聞はこの発言を「異例の発言」だと言っています。管理人に言わせれば2MBにそれを言う資格があるのか、はたまた質の悪すぎる政治家に褒め立てられたパク・クネが果たしてどれ程喜んだか疑問のわくところですが、14日付けの中央日報はその2MBの意中について「(大統領が)大統領の位置で政権再創出について発言するのは好ましくない」という青瓦台の言葉を引用しながら「逆に見ればそれだけ再創出を望んでいると言う意味」だと分析しています。要するに総選挙で与党の勝利に肩入れ入れすると言っているのです。


しかし、この発言、厳密に言えば明らかに大統領の選挙介入で違法です。しかしもっと重要なのは、なぜこの時点に来てこのような発言が脈絡もなく飛び出てきたのかと言うことです。言うまでも無く今与党は選挙公撰(公認)問題で揺れに揺れています。特にパク・クネ非常対策委員会委員長の決断により親MB派の重鎮らが大量に公認から外され、親MB派と親パク・クネ派の軋轢が強待っており、へたをすれば与党分裂が決定的になる様相まで見せているときです。


そして新政権が登場した暁には2MB政権の非理疑惑、特に2MBが直接関係しているBBK事件の再審議の実現という決定的場面まで予想されている局面です。


そこで両者は野党の翻意(ノ・ムヒョン政権の時には韓米FTAを積極的に推進した勢力が今になって絶対反対を唱えている)や、チェジュ島カンジョン村海軍基地建設問題を巡る住民の反対闘争に野党を縛り付け、攻撃を親ノ(親ノ・ムヒョン)勢力に集中させながら総選挙を2MB審判ではなくパク・クネ対親ノ勢力の対決に持っていき、この対決で2MBは政局に巻き込まれないようにしながらパク・クネを支援するという構図です。うまく考えたものです。


しかし稼働した韓米FTAと関連して政府が秘密にしていた事実が徐々にバレ始めています。なんとアメリカ側が大使の秘密公電などを無造作に公表しているのです。すでに強制解雇された記者、カメラマンらが自主製作している『ニュース打破』(9日のブログで紹介しました)を通じて多くの人々がこれを知りつつあります。


他方パク・クネは、チョンス奨学会問題(=釜山日報問題)を抱えています。この問題は父である軍事独裁者朴正熙の過去の罪悪を再び表沙汰にする事に繋がる問題です。そこでパク・クネは13日、「産業化過程で本意ではなく被害を受けた人々に対して,私はつねに済まないという気持ちを持っていた。」要するに父である独裁者朴正熙の犠牲になった人々に対する謝罪の気持ちを持ち続けたというのです。


しかしそれが本音でないことは、チョンス奨学会問題を巡る発言の中ですでにバレバレです。事実チョンス奨学会は朴

正熙が軍事クーデター後に個人企業からの財産を不当に奪い取ったものであり、それはチョンス奨学会が所有する釜山日報のストライキの過程で暴露され,法廷でもチョンス奨学会が朴正熙によって不当に取り上げられたものであるという判断が下されたので、当然に旧所有者に,あるいは社会に返還すべきものですが、それについては発言を意識的に避けていることにもよく表れています。


また彼女は朴正熙を「経済発展の父」「韓江の奇跡を起こした英雄」だとこれまでもしつこく強調してきました。日本でも

そうしたことが言われていますが、全くの歴史の歪曲です。それはかつて日本帝国主義が朝鮮を植民地とし朝鮮の資源や米などを略奪し収奪するために立てた工場や企業によって朝鮮が封建社会の漆黒から逃れることが出来たとうそぶいている植民地主義者の末裔らの言葉と寸分違わぬ虚言です。


こうしたことが野党の攻撃材料となって襲いかかるのを2MBとパク・クネ両者とも望まず、内輪もめは止めて共同で対処しようと言うところから両者の接近が生まれたと見られそうです。


しかし、これだけではどうも役不足のようです。それについては次のブログで指摘しようと思います。