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*わが家で庭の蝉が鳴き始めました。その声を聞いて家で療養中の妻が、「梅雨が明けたみたいやね」と。外はカンカン照りでテレビでは36度近くの気温と報じている。

 蝉は幼虫のまま土の中で7年ほど過ごして成長したら、地上で過ごす期間は僅か1週間ほど。その間チカラの限り鳴き続けて、最後はおなかを空に向けて屍を晒してころがっているのです。

 

 蝉の一生は約7年と7日。この7日は歓喜の7日であって欲しい。

 

*人間の寿命は平均で80歳ちょっと。長い人は百歳を超えることも増えてきている。しかし人間はどんな生き方をしてきているのだろう?

 

*人間の生き方は文化・文明に現れる。文明、というのは、物や土地などの財産を多く持って欲望を満たし、便利な生活を過ごすための競争社会とも言える。文化、というのは、心の豊かさと喜びをもたらす分野、と言える。

 

 文化と文明とはいずれも幸福の要素要因の一つとして考えられてきました。最近人間の欲望が暴走して歯止めがかからなくなっており、世界の各地の戦争と争い。核の脅し。地球温暖化。民族の対立など、文明は文化を破壊するような潮流がいや増してきている。人間の生きる喜びとか幸福感がなくなってきて不安感が高まっている。

 

*人間に生れてよかったのか? 蝉の一生のほうが恵まれているのか?

 

*「生かされている喜び」は、人間にしか感じられないものであろう。

 

*自分の力で生きているのではない。宇宙の根源の法である「妙法」によってボクらの「命」は生かされ守られ愛されて喜びをもたらされている。 空気・水・食べ物太陽・体・人・地球・宇宙(くみたかひちう)によってボクらの「命」は生かされている。

 

*御書に曰く「生涯幾くならず思へば一夜のかりの宿を忘れて幾くの名利をか得ん。また得たりとも是れ夢の中の栄へ珍しからぬ楽みなり」

 「或る時は人に生れて諸の国王・大臣・公卿・殿上人等の身となりてこれほどのたのしみなしと思ひ、少なきを得て足りぬと思ひ悦びあへり。是を仏は夢の中のさかへ・まぼろしの・たのしみなり、唯法華経を持ち奉り速やかに仏になるべしと説き給へり」

 

*人類の危機を回避して人間の共和と連帯をもたらす方途がここにあるのではないか?

人は目先の欲望や、名聞名利に翻弄されて生き、結局は幸福に見捨てられて人類の破滅への道を進んでいる。

 「汝一身の安堵を思はば、四表の静謐を祈らんものか」。 小欲知足は、自分も周囲をも幸福にする。

 

*宇宙には、妙法という慈悲の気(妙法蓮華経)が満ちている。「慈悲の気」に感謝して「南無妙法蓮華経」と繰り返し呼びかると、私たち自身の命に宇宙の慈悲の気が汲み取られる。慈悲の気は智慧と歓喜と生命力を我が生命にもたらす。私たちは生命力豊かに、人の「命」を生かし守り愛して歓喜させる振舞いをすることになる。

 目に見えないが、確かに存在する妙法を信じる。これが信心であり仏法。

 

*仏法は、葬式の儀式ための教えではない。村の自治会のシキタリでもない。

「命」の法則であり、「命」を喜ばせる法則であり、「人間性」を高める法則である。「平和と幸福」をもたらす法であり、心身の「健康」をもたらす法である。

 このようにボクは信じ理解している。

 

     アイマース久美高筆

 

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