Don't Look Back In Anger -3ページ目

バレンタイン・デーの想ひ出(その4)

~前日の日記 から続く~

(いい加減引っ張りすぎですね・・・)


とりあえず、恋の爆弾を抱えたまま授業が始まる。早速1時間目と2時間目の休み時間にトイレにこもって手紙を読むことにする。


~思い出せる範囲での手紙~


Keybo君へ☆

文化祭でいっぱい話すことができて、keybo君がとても優しくて、とってもうれぴかったです。

Keybo君には彼女がいるかもしれないけど、私の気持ちを少しでも伝えたくてチョコを渡しました。

きっと迷惑かもしれないけど、ごめんね。

また遊びに行くことができたらうれぴぃな。

では、サッカーがんばってね。

もし迷惑でなかったら応援に行きたいです☆

T子 (≧∇≦)ノ彡☆

     ↑似顔絵(妙に似ていて怖かった)


・・・。


ごぶっ(吐血)


2,3言しか喋っていないのに、いっぱい喋ったことになっているよ・・・。


それは百歩譲って良いとしても、


また遊びに行くことができたらうれぴぃな。

既に一緒に遊びに行っていることになっています・・・。


ぼかぁ、うれぴくないです・・・。(号泣)


取り合えずふら付きながら教室に戻る。先生が点呼取るために、一人一人名前を読み上げる度に、きょろきょろしながら一人一人の顔を確かめる。


この中に誰か、裏切り者がいる(怒)


住所を流すことは全校生徒誰でも名簿を使ってできるが、僕の地元の駅を知っている人は少ないはず。というのも、私の家からはJRと私鉄のふたつのルートがあり、どっちから通っているかは数人しか知らないはずである。なんとかして情報源を見つけだしてこのストーカー行為がエスカレートする前に、止めなければ。

しかし、文化祭にいたあの軍団は一体誰の知り合いか忘れてしまった上に、下手に手当たり次第に聞き出していると、もてない男子校生全員のゴシップのネタになってしまうことが明白です。


終日上の空のまま、何も手がかりをつかめないまま、授業が終わったので、クラブ活動に向かう。


~次回、感動(?)の最終章!!~

バレンタイン・デーの想ひ出(その3)

~前日の日記 からの続き~


乗り換え地点までつく迄の間、寝たふりをしながらどうすべきか、いろいろと考える。考えているうちに、いろいろと疑問が沸いてくる。


1.疑問その一

ひょっとして僕が自意識過剰で、彼女は単に新しく引っ越してきた娘ではないか?

そうだとすると、空いている車両でわざわざkeybo親子の前に座るのは多少気になるものの、新しい地で寂しい想いをしているだけであり、気にするほどのことではない。


2.疑問その二

彼女は、恥ずかしくてとても直接僕にチョコを渡すことができない、宮沢りえ(当時、最も流行っていたアイドル)も真っ青な美少女の使者として派遣されているかもしれない。

そうであれば、こちらは三顧の礼を持って彼女をもてなしするのが筋ではないか?


3.疑問その三

いずれの場合においても、彼女は一体何時起きだったのか?おそらく5時ぐらいに家を出ないとあの時間に僕の乗る駅には到着できないであろう。ある意味、その根性に敬意を示さなければ。

というか、こんな時間にこんなところに居ると、堺市(?)に戻ると確実に学校を遅刻するんすけど・・・。


そうこうしているうちに、地下鉄に乗り換える駅に着いてしまう。相変わらず、着かず離れずで付いてくるのだが、ここから地下鉄に乗るまでの間に先方とコンタクトを取ることを決心する。というのもこのまま学校まで付いてこられても困るし(メリーさん状態)、これから乗る地下鉄には学友がわんさか乗っていて、電車の中で突然告白されたら注目度200%でもっと困る。それに、ここまで来ておきながら告白するチャンス(疑問その1はこの時点ではあり得ないので却下)を与えないと可愛そうな気もする。


意を決して立ち止って振り向き、「あ、あのぅ~」と声をかけてみると、向こうはびっくりして、


「こ、これをもらって下さい!!」


と大声で早口でまくし立てて、紙袋を地面に置いたまま、走って逃げ去って行く・・・。

暫く呆然と立ち尽くす私。

地元の駅まで出向いて、ずっと付け回す勇気はあっても、チョコを渡す勇気がないのね。

乙女心はよう分からん・・・。


紙袋を拾い上げ、すぐさまトイレで恐る恐る中身を拝見する。赤いラッピングされた箱ひとつと、封筒に入った手紙がひとつ。早速ラッピングをはがして箱を開けてみると、、、、


爆弾型の巨大チョコが入っている・・・。


bomb

     イメージ映像


「私の爆発寸前の恋心を受け止めてぇ~」


と思われる先方のメッセージは、この時点で私の脳内翻訳機では、もはや


「付き合わないとコロス(怒)」


という恋のジハードとしか受け止められない・・・。


とりあえず、時間がないので、手紙は読まずに地下鉄に乗り込んで登校することにする。


~続く~

バレンダイン・デーの想ひ出(その2)

~前日の日記 から続く~


父親と二人きりの車両にいきなり現れた女子中学生。同じ電車に乗る人の顔は大体覚えているので、普段この駅を利用していないことがすぐ分かる。当然、誰だか気になるので、ふと顔をあげて観察することにする。


誰じゃ、ワレ・・・。


全然見覚えない上に、失礼ながら、ポエムとPink Houseが似合いそうな、かなりイタイの女の子。


すぐさま目線をそらして、寝たふりに移行・・・。


目をつぶりながら、なんか見覚えがある気がするので、必死に考えていると、ふと思い出す。そういや、彼女はうちの学校の文化祭の時に、誰かの小学校時代の同級生の友達の友達かなんかで、部活で出していたタイヤキ屋あたりでウロウロしていた女の子の集団の一人だったような気がする・・・。


その時、確か暇だったのと、誰も相手してあげていなかったので、学校どこなの?、みたいに二言、三言話した気がする。でも、うる覚えながらも、あの軍団は堺市とかあっちの方面に住んでいたような気がする。我が家との距離は電車にして約2時間半。乗り換えはきっと4,5回しないと到達できないと思う。


本当にあの時の彼女だとすると、痛い、痛すぎる・・・。


確認という意味で顔を上げてもう一度顔を見てみると、即座に目が合ってしまう。

というか、目が合っても、目線もそらさずに超こっちを見ているんですけど・・・。

しかも、目が合った瞬間、ニヤッと会釈していたよ、おい・・・。


REIKO

    イメージ映像

こ、怖いよぉ、パパ。

(いつもはウザがって少し離れて座る父親にすがり付く気持ちでピタッとくっつく俺。)


そうこうしているうちに、最初の乗り換えの駅につく。

この駅では、普段は父親は始発の駅に乗るべく、列に並んで少し電車を待ち、待つのが鬱陶しい僕はすぐさま最初に来る急行電車に飛び乗るのだが、この日は父親のご加護にあやかりたい為、今日は眠いから始発に乗るよ、と一緒に並ぶことにする。


しかし、群集の中でもマン・マークを離さない刺客はぴったりと列に私の真後ろに並ぶ。

背中の感覚が極限まで澄まされ、後ろから呼吸するために吐き出す息がゾワゾワ~っと悪寒が背中に突き刺さり、離さないわよぉ、ウケケ~、という先方のささやきが心の中でこだまする。


できれば父と手をつなぎたい気持ちだが、我慢する・・・。


そして、始発の電車が到着すると、席の確保のためのダッシュの中でマークをはずすことを画策し、右に行くフェイントをかましてから、左へダッシュし、おじさん二人の間の席を確保する。

ふー、これじゃあ、彼女も隣に座れないだろう、ふっ、と自己満足に浸っていると、気がつけば、目の前に立っています


あ、彼女は別に座る必要なかったのね・・・。

(自分のアホさ加減に泣きそう)


とりあえず、次の地下鉄への乗り換え地までの30分、ひたすら寝たふり。


その間、頭上には、獲物を仕留めるタイミングを待つハゲワシが旋回している・・・。


~続く~

バレンタイン・デーの想ひ出(その1)

仕事に忙殺されて、更新がだいぶ滞りました。

6名の読者(本日現在)の皆様、申し訳ございませんでした。



すっかり古い話になってしまいましたが、バレンタイン・デーで思い出すのが、中学3年生のバレンタイン・デーです。


当時は、家から1時間強かけて電車で通学していたが、家が駅から物凄く遠い為、朝は同じ駅から通勤する父親の車に乗せてもらって駅まで行き、途中まで同じ電車に乗っていました。

そのバレンタイン・デーもいつもと同じように駅に父親と到着した。男子校の進学校に通っている身の上に、地元の友達がいない(アメリカに中学校1年までいた)、塾に行っていない(成績悪いのに塾嫌い)ので、女性との交流は皆無に近い。


にもかかわらず、この日ばかりは突然恥ずかしそうに走り寄って、チョコレートを渡してくれるとびっきりの美女との出会いに備える為に、前の日に美容院に行ってツー・ブロック(死語)バッチリ、普段ヨレヨレの制服はばっちりプレスされていて、見えないのにも関わらず、学ランの中にはDCブランド(死語2)を着込んでいる。


そういう訳で最寄の駅から電車の出発を待ちながら(終点駅)人気が少ない電車の中で、父親と二人で車両を独占(田舎なもんで・・・)していたら、見慣れない女子中学生がどこからとなく現れ、我々の前に陣取った。


~忙しいので続く~

バレンタイン・デー

出張者対応と仕事に明け暮れた一週間で、すっかり身体がボロボロになりかけたので、火曜日は久しぶりに早めに仕事を切り上げて7時ぐらいに帰宅したら、娘に出迎えられた。


幼稚園で友達からいろいろバレンタインのプレゼントをもらったらしく、嬉しそうに説明してくれる。


「これはLucyからもらったプリンセスのカード、これはLindaからもらったチョコ、~~」

アメリカの幼稚園・小学校では、バレンタイン・デーには全員でカードと簡単なお菓子を交換することになっており、バレンタイン・デー前はドラッグ・ストアで売っているキャラクター物の市販のカードとお菓子を大量に売っている。

そういや、妻が先週夜鍋して娘のクラスメートに配るために折り紙でハートを折っていたような気がする。


valentine cards


良かったね☆と言ってあげるが、すっかりバレンタイン・デーのことを忘れていた・・・。

元来、結構こういうイベント物は、妻の喜ぶ顔を見たくて、過剰サービスをしてあげるのが好き。去年もGodivaでコーヒーの詰め合わせを買ってあげたのだが、今回ばかりはすっかり忘れている自分に愕然。


こういうのを忘れること=オヤジ化


「お帰り~!」と言う妻の顔からひしひしと感じられる、「何くれるの(ワクワク)?」


うっ、やはり・・・。

仕方ない・・・。

苦肉の策で次の台詞を搾り出す。


「ただいま、俺にはチョコないの?」


「え~、ここはアメリカなので、基本的には男→女にプレゼントでしょ!」

(すっかりこういうところだけアメリカナイズされている妻)


「(去年までのことは置いといて)俺は日本人じゃい!!!」

(逆ギレ)


ブツブツ言いながら去っていく妻。

明らかに背中に哀愁が漂っている。

後味悪いものの、忘れていたことを悟られないようにしたほうがベター、と自分に言い聞かす。


夕食はいつもより少し豪華に煮込みハンバークとワイン(先日訪れたワイナリーのもの)を用意。


「お、美味しい!!」と過剰反応して機嫌を取る私。


そして、食後には、妻が手作りのチョコレート・ケーキを出してくれた。


す、すまない・・・。



ホワイト・デーは忘れずに何かしてあげなくちゃ。