スプリットレザー トラッカーウォレット TL2 OKINAWA | 革工房Keywest828のブログ。 生活に溶け込む革製品 全てにおいて「バランス」を意識しています。

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朝、出かける時にちょっとテンションが上がる革製品を提供したい。

 

 

1945年 10歳の少女は沖縄県南部をたった一人で逃げ回っていた

故郷の村は2人に1人が犠牲になり、
鉄の暴風と言われ、
沖縄本島へ畳一畳に一発の砲弾が撃ち込まれる中、
家族を失い、防空壕を追い出され、
隠れていた馬小屋も追い出され、
逃げるのに疲れ果てて、
石垣にもたれ掛かってつぶやいた
「もう、いいさ、つかれた」
その時、彼女が思った事とは、、、

戦後、この少女がよく僕に言っていた事がある。
命は大事
命は一つ
人生は1回

「JUST ONE LIFE」

正直、僕は子供の頃、当時の話を聞くのが、
遠い昔の事のようで、面倒臭かった。

好んでボロボロのジーパンを穿けば、
当時を思い出すと言われ叱られ、
沖縄の空を轟音を立てて飛ぶ戦闘機を、
カッコいいと言うと叱られ、
友達や親戚と遊びたいのに、一人で行って来いとバスに乗せられ、
戦跡巡りもさせられた。
それこそ10歳ぐらいの頃だ。

ところが、大人になり、歳を重ねるごとに、
壁にぶつかった時に、
自然とこの少女を思い出すようになった。

生きていると色々な事が起こるが、
その都度この少女を思い出すと、
なんてちっぽけなことなんだ、と思う。

この財布を、昔から作りたかった。
だけど、ずっと一歩踏み出せなかった。
なんでだろう?

最近は、1個も売れなくても作らなければいけないという思いになっていた。
なんでだろう?

財布を手に取った時に、
その人にちょっとだけ生きている尊さを感じで頂けるような、そんな思いを込めて、
新型トラッカーウォレット TL2 OKINAWA
をリリースします。

 

革 スプリットレザー

今回のトラッカーウォレット生産開始において、
keywest828の思いを注いだ点が何点かある。

その一つは、トラッカーウォレットの原点に立ち返ってみたいと思った事だ。

僕が子供の頃、ちょっとやんちゃな子が使っていたトラッカーウォレットは、
安っぽいペラペラの合皮に、スカルやバイクメーカーのロゴが印字され、2000円〜5000円ぐらいで売られていた。
北谷のフリーマーケットなんかに行くと、
ベトナムジッポーのようなデザインが施されたトラッカーウォレットも売ってたな、、誰かの手作り品だったのだろうか。
それは買っていないが、おそらく同じぐらいの価格だったと思う。

それが日本において数々のレザークラフターによって作り出され、
革がグレードアップし、
作り方に拘り、
ブラッシュアップが繰り返され、
今日では、高級品のイメージを持っている人もいるかもしれない。

かくいう当工房も、
コードバンなど高級皮革を使用し、
とことん作り込んだトラッカーウォレットを積極的に販売している。

ただ、今回のトラッカーウォレットは、
原点に近づけてみたかった。
できれば多くの人に使用して頂きたいという思いもあるし、
近年の物価高で急激に材料の仕入れが高くなる中、このまま商品の価格を上げていくだけ、、、、と言うスタンスに、少し逆らってみたかったのだ。
 
スプリットレザーとカッコよく謳っているが、
要は床革だ。
ご自分で調べて頂ければすぐに分かると思うが、
革の表面(吟面)のない、
漉き落とされた側の革だ。
それを更に漉き合わせて、均等な厚みを出している。

ただ、長くご使用頂く中で、
重要なのが十分な厚みと強度、
それらを満たした床革を探すのは大変だった。

大きなタンナーの床革だが、
それを証明する物は持ち合わせていないので、
タンナー名の公表は控えるが、
気になる方はご購入後、個別に聞いてください。

次にその床革の顔料染めだが、
ただスプレーで塗って終わりではない。
実際に床革を染めて鞄用の革を生産している加工屋さんと何度も打ち合わせ、
3度に渡り厚く塗ってもらっている。

吟付き革ではないが、ある意味経年変化を楽しめる床革に仕上がっていると思う。

 

 

縫製はミシン縫い、
コバ(断面)は、何も手を加えていないという訳では無いが、あえて簡単に磨いている。

税送料込み、8280円

30年前のトラッカーウォレットの価格には敵わないが、印刷、顔料染め、レイアウトの拘り、箔押し、高価なファスナー、税送料込み、を考えると、、、努力しました。

ご要望が多ければ、昔よくあったトラッカーウォレットのように、
小銭入れの裏のポケットがごっそりないかなりシンプルなタイプも生産しようと考えています。

「トラッカーウォレット」
はこれぐらいワイルドでいい!
と考える方に、ビタッとハマってくるかと思います。

 

顔料染の風合い

 

程よくマットになるように染めてもらっています。

 

シルバーの箔押し

 

ファスナーはオールドアメリカン

 

意外とよく開きます。

 

一万円札も収まります。

 

こんなところにもカードを差し込めます。



最後に、トラッカーウォレットTL2 OKINAWAの生産に協力してくれた、
革の加工屋さん、デザイナーさん、印刷屋さん、
あと、JUST ONE LIFEの文字を考えるために、
アメリカ在住の日本人女性の方にも、
とても親身にに相談に乗って頂きました。

本当にありがとうございました。

今後ともご迷惑お掛けし続けますので、
何卒宜しくお願いします。


この商品はひとまず予約販売とさせて頂きます。

オンラインストアにてご予約可能です。

 https://keywest828.com