長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる「乗鞍岳」は、北アルプスに含まれる事が多いが、スケールと言い存在感と言い「独立峰」的な風格を持った名峰。
(乗鞍権現社から撮影)
日本の火山としては富士山、御嶽山に次ぐ高さで、複数の火山が南北に並ぶ複合火山。
標高3026mの剣ヶ峰を主峰とする山々の総称で、
(左の峰が「剣ヶ峰」)
乗鞍スカイラインのホームページを見ると、23の峰、7つの湖、8つの平原を持つらしい…
凄すぎる。(;'∀')
古くから信仰の対象となっていた山で、峰や湖の名前や周囲の神社等にその信仰を垣間見ることが出来る。
噴火口に水が溜まって出来た美しい火口湖に、
高山植物あふれる草原、森もあり、荒涼とした岩場もある…
今では乗鞍スカイラインや乗鞍エコーラインが整備されて、標高2700mの「畳平」までバスで行くことができ、
年を通して美しい景色が楽しめる山として多くの観光客が集まる人気の山域となっている。
3000m級の山ゆえ、その山域からの眺望も素晴らしいのだが、
最初に訪れた日は朝方ガスっていて、山頂付近からの景色は思った程楽しめず…
なので予備日として一日余分に時間を空けていた翌日、再びバスで畳平を訪れて登りなおし(笑)
抜けるような青空のもと、圧倒的な乗鞍岳の本気の景色を楽しむ、強烈な一日を堪能した!(;'∀')
初日は「畳平」から山頂「剣ヶ峰」を目指し、周辺の峰々を少し散策してそのままバスで「平湯温泉」へ戻った。
二日目はせっかくの快晴、バスで戻るのはもったいない気がして、「平湯温泉」まで歩いて下山するルートを歩いてみたけど、そこがなかなか険しくて過酷な道のりだった…(; ゚Д゚)
こちらのコースは、そんな二日目に歩いたルートです!
Start:畳平 ①:富士見岳分岐 ②:肩ノ小屋 ③:剣ヶ峰(乗鞍岳最高点) ④:富士見岳 ⑤:県境ゲートバス停 ⑥:大黒岳
⑦:大黒岳入り口 ⑧:平湯・十石山登山口 ⑨:硫黄岳 ⑩:乗鞍大権現社 ⑪:水場分岐 ⑫:スキー場最上部 Goal:乗鞍岳登山口
総距離:15.9km 標準コースタイム:8時間15分
累積標高差 登り:821m 下り:2215m
コース定数:29
最初に「魔王岳」という峰に登っているけど、それは含まない数値。
「乗鞍岳」登頂で、日本百名山は節目の60座目!('◇')ゞ
これにて北アルプスにある百名山はコンプリートとなりました~
この日の山行の様子を、YouTubeにアップしました!( ̄▽ ̄)
それでは出来事の詳細を時系列で~!(*‘∀‘)
秋の長雨が本州全域にわたる9月のスタート。
天気予報とにらめっこして日曜日から数日間「北アルプス」の一部の天気は登山できそうな雰囲気だったので、土曜日にバスで「平湯温泉」に移動して、そこを拠点に予備日一日で「焼岳」と「乗鞍岳」に挑む。
初日の「焼岳」は先日アップした通り、素晴らしい景色を楽しめ幸先良い始まり。
しかし次の日月曜日は少々雲が多めの始まりだった…^^;

「平湯温泉」を6:40に出発するバスに乗り、1時間で登山口の「畳平」に到着!
既に標高2700m、少し動くと空気の薄さを感じるレベルなので、慣れない人は要注意。^^;
景色は時々ガスが晴れて見えるレベルの中、とりあえず山頂である「剣ヶ峰」を目指し…

無事に登頂するも、景色もイマイチすっきりせず。^^;

その後、徐々に天候は回復して「富士見岳」からは素敵な景色を楽しめたが…


午後には天候が急変するかもしれないという天気予報に不安を感じ、「大黒岳」に登ったあとで畳平に戻って独り作戦会議。
畳平にある「銀嶺荘」さんでお昼ご飯を食べつつどうするか考えよう!

「鶏ちゃん定食」と「ラーメン」というワンパク食い(笑)

麓の「平湯温泉」付近、訪れた9月上旬は世の中の色々により食事食べられる所がほとんど休業中。
平湯バスターミナルは営業しているけど2時半ラストオーダーという厳しい制約…
当初この日も平湯温泉まで歩いて降りる予定だったので、それだと下山後に間に合わない可能性があって畳平でお昼ご飯を食べたけど、天候急変の不安と食べ過ぎで、やる気が無くなって、そのままバスで戻るという選択をする。
バスで降りるなら麓で食べても良かったのだが…(笑)
予備日として開けておいた翌日の方が、天気予報的には安定しそうな雰囲気!
仕切り直して再び「畳平」へ~

この日火曜日は朝から快晴だったので、前日より一時間早い5時40分のバスで出発!
一気に標高を上げる乗鞍スカイライン、ここから見る景色で既に圧倒されるスケール。(;'∀')
「畳平」到着!快晴!( ̄▽ ̄)

すぐ目の前にある展望台的な峰「魔王岳」に登る!

途中にある「魔王園地」付近でも景色は素晴らしい!^^

一番奥に見える高い峰が最高峰「剣ヶ峰」!ワクワクする眺めだ~(*‘∀‘)
標高2764m「魔王岳」に登頂!

乗鞍スカイライン越しの「槍・穂高」の山並みという絵が素晴らしすぎた…

北アルプスの名峰たちが迫力満点で楽しめる。
時間があるなら「魔王岳」は是非登って欲しい、素晴らしい景色の峰!
魔王岳から戻る途中、遠くには南アルプスも見えている。

手前の「鶴ヶ池」も良い感じ!
「魔王岳」から降りて、畳平の奥に向かう登山道を通り「剣ヶ峰」方面へ向かうのだ。


整備された木道!こちらは季節によってお花で溢れるお花畑らしい!

「乗鞍岳」は高山植物が豊富な事でも知られる。その季節にも来てみたいな~^^
美しい「不消ヶ池」を眺めながら進み、

「富士見岳」に登るルートは後で寄る事にして先へ…

東側の雲海に浮かぶ山々景色も凄い!(゜゜;)

ど~んと大きく見えるのが「鉢盛山」で、その奥が「八ヶ岳」、右奥は「南アルプス」で、左奥に見えるのは「浅間山」だろう。
歩いてきた道を振り返っても良い景色!

そして「摩利支天岳」へ向かう道路との分岐を越えると、前方に美しい曲線描く「剣ヶ峰」の姿が近づいてきてテンションが上がる!

剣ヶ峰の右側には「蚕玉岳(こだまだけ)」、「朝日岳」と峰が続く。
左手の「乗鞍エコーライン」も素晴らしい景色だ~

この山は、どこもかしこも絶景だらけ!(笑)
どんどん近づく目的地!

やがて「肩ノ小屋」が見えてくる。

休憩の他、宿泊もできるのかな?ここに泊まって壮大な御来光…、ヤバいな。(;'∀')

さあ!いよいよ山頂へ登るぞ~!(*´▽`)ノ

まだ9月に入ったばかりだというのに霜柱!

朝は氷点下だったという事!?Σ( ゚Д゚)
楽に登れる山と思われがちな「乗鞍岳」だけど、山頂へ向かう道のりはしっかり険しい。^^

さほど傾斜は急ではないけど、なにせ標高は3000m級の山なので息が切れる。
頑張って登ろう!

振り返る景色も良いではないか~^^
空に近づいている感じがたまらない!

見えるピークは「蚕玉岳」!

背後には北アルプスの峰々がずらりと並ぶ。

なかでも一番目を引くのは「槍ヶ岳(左)」、「奥穂高岳(中央)」、「前穂高岳(右)」の並びだろう…
秀麗な峰「笠ヶ岳」もカッコいい!^^

その左には「黒部五郎岳」が見え、「笠ヶ岳」と「黒部五郎岳」の間の奥には「薬師岳」がひょっこり見えている。
黒部五郎岳の左は「北ノ俣岳」で、手前の気象観測所がある峰は「摩利支天岳」!
摩利支天岳の奥は「不動岳」、「恵比寿岳」と続く。
「朝日岳」と「蚕玉岳」の間の稜線に登ると、右手に美しい火口湖が見えた~(*'▽')

山頂すぐそばにあるこの火口湖は「権現池」!
そして「剣ヶ峰」をロックオン!('◇')ゞ


権現池の奥、遠くを見ると「白山」も見えた!

最後は大きな岩がゴロゴロ、険しい急坂を登って~

標高3026m「乗鞍岳」の最高点剣ヶ峰に無事に登頂!

振り返った乗鞍岳の峰々、そしてその奥に連なる聞いたアルプスの山々の景色は大迫力!

前日とはレベルの違う絶景にとにかく圧倒される…

南側に見える「御嶽山」も、魔王感を漂わせる威圧感たっぷりの風貌。

そんな景色の中でパンタイム!(*´▽`)ノ

山頂の祠付近では、強い風でなかなかお湯が沸かず苦労している若い人たちがいたので、風よけのアルミシートを貸す。具合悪そうにしている人もいたけど、高山病だったら速やかに高度を下げた方が良いですよ…^^;
初心者でも比較的容易に登れる「乗鞍岳」だけど、3000mオーバーは風も強いし酸素も薄い。過酷な環境なのでそれなりに気を付けて登りましょう。
剣ヶ峰の山頂から少し下ったところに頂上小屋が立っていて、売店営業をしていた。

実は前日にこの売店ではバッジを購入している。

一つ1000円とお高めですが…(゜゜;)
登頂証明書付きなのと、ここまで色々担ぎ上げる労力を考えて記念に買ってみた。
剣ヶ峰から下って、他の峰へと旅立つ。

気象観測所のある「摩利支天岳」には、道路が付いているので行ってみようと思っていた。

しかし一般の人は立入禁止だという事を後で知ることになる。^^;
乗鞍岳には「摩利支天岳」以外にも登る事の出来ない峰や、立ち入るのに許可のいるエリアが存在する。
崩落の危険性がある場所や、自然保護の観点など理由は様々なので、それらの案内には従いましょう!
長野県側から畳平へ向かう「乗鞍エコーライン」も、素晴らしい眺めなんだろうな~(*´▽`*)

「摩利支天岳」との分岐には「DO NOT ENTER」の文字…^^;

山と高原地図のマップでは入れそうな雰囲気だったので、ちょっとガッカリ。
ふと空を見上げると、太陽の周りを囲むような丸い虹が!(;'∀')

「ハロ」と言う現象らしい!なんだか壮大!^^
「富士見岳」に登るぞ~!^^


登って行くと、さっきまで居た剣ヶ峰方面の景色が一望できた!

「不消ヶ池」越しの「摩利支天岳」、その奥には剣ヶ峰方面が連なる。

池の右側の峰は「不動岳」!登山道は無いっぽいので入っちゃダメです。
「富士見岳」の山頂に登って、「大黒岳」方面を眺める。

奥に広がる北アルプスの迫力ヤバい!
「富士見岳」は乗鞍岳の景色を眺める展望台という感じで、この山のスケールをたっぷり堪能することが出来た。
そのまま北側へ下ると、県境のゲートがある。

東側の雲海は天界の雰囲気を楽しめて、とにかく素晴らしかった~
さあ、「大黒岳」に登ろう!

登っている途中で見る「富士見岳」方面の景色もイイ!

「大黒岳」に登頂!そこには休憩所的なスペース!

下山は「平湯温泉」まで歩いて降りるつもり。乗鞍スカイラインを歩き、平湯温泉への下山口から再び山道を歩く。

「大黒岳」から見る「烏帽子岳(左)」と「四ツ岳(右)」が迫力ある!
「四ツ岳」の手前には「大丹生岳(おおにゅうだけ)」という山もあるけど、重なっていて分かりにくいかも?
「大黒岳」から下る道も雄大で、その奥に見える「硫黄岳」へ通じる尾根道も気持ちが良さそう!^^

下って行く途中で、景色が良かったので少し休憩してエネルギー補給。

「大黒岳入口」からは乗鞍スカイラインを歩く。

道路の先に見える北アルプス、なんと素晴らしい景色なのだろう…

平湯温泉へ下山する道の入り口に到着!

「硫黄岳」へと向かう尾根道が壮大で良い眺め!^^


途中にコマクサの群生地があった。

既に花は無かったけど、葉が沢山あったので、季節になるといっぱい咲いているのかも!^^
チクチクエリアは繰り返し現れる。

それでも見晴らしの良い場所は、開放感のある道ですよ~(*‘∀‘)

右手に迫力ある崩壊した斜面が見えた!

マップにはこの付近に「湯川源泉」と書かれていたので、火山活動のあるエリアなのかも~
そして登山道の藪レベルはどんどん激しく…(笑)

見晴らしの良い岩場から、先の道を眺める。

見た目は気持ちよさそうな尾根だけど、実は試練の始まりなのであった~
谷間にゴールの平湯温泉が見えてきた!

藪レベルが過酷!(;'∀')

足元はけっこうな急坂で注意しないと危険!
崩れそうな雰囲気の斜面も意外と怖い。

そして野性味あふれる登山道は、荒れ放題でケモノ道状態のエリアもあり…

消費したエネルギーをしっかり回復するのであった~
北アルプスの百名山は無事にコンプリート!
南アルプスにはまだ登っておきたい山があるけど、まん延防止措置の関係で山小屋が営業してないとか、色々あるので保留。
そして、レンタカーをマンスリーで借り、舞台を一旦東北へと移すのであった!
(^^)