牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメント(2017)しっとり の解析1 製品概要 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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化粧品犬です。

 

リクエストをいただいたこともあり、今回から牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントしっとりの解析を開始します。全3回の予定です。

 

2017/9/1に、リニューアルされた製品です。

長く続いている製品なんですが、前回のリニューアルは2013年だったようなので、今回のリニューアルは4年ぶりとなります。

この旧製品についてはすでにエントリーを上げてますので、興味ある方はごらんください。

 

牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントの解析1 製品概要編2016.1.8追加

牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントの解析 番外編 DPGの安全性2016.1.10追加

牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントの解析2 シャンプー解析編2016.1.12追加

牛乳石鹸 カウブランド 無添加シャンプー・トリートメントの解析3 トリートメントしっとり解析編2016.1.14追加

 

特に上記の番外編でDPGの安全性について書いた時は、当時DPGを盛大にdisっていたかずのすけさんに噛みついたりしたのが懐かしいですね。今読んでも、彼の主張はおかしい。

例えばこんな感じですから。

「こちらのシャンプーの場合泡タイプなので増泡剤としてこの成分(DPG)を加えています。やや粘性のある保湿成分なので泡もちを良くする効果もあると考えられます。しかし高濃度になると刺激が強くなる成分で、大昔は配合規制すらあった成分でもあります。」

 

念の為書くと、DPGには増泡効果は無いし、粘度もそれほど高くないです(グリセリンの方が粘度は高い)。高濃度になると刺激が強くなると書いてある文献もなく、過去に配合規制があったこともありません。配合規制があったのはDPG(ジプロピレングリコール)ではなく、名前が似ているPG(プロピレングリコール)です

ちなみに、この製品(アンパンマン こどもシャンプー あわポンプタイプ)にDPGが多く配合されている理由は、おそらくですが目詰まり防止です。泡タイプのソープは、泡化するためにノズルの前にメッシュを通す構造になっており、そこが詰まりやすいので溶解性の高い多価アルコールを多く配合する事があります。

世の中でのDPGの使用量は増加の一途なので、かずのすけさんも、そのうち手のひら返しをするのかもしれません(^_^;)

 

さて今回のリニューアルですが、ちょっと複雑です。

買う人も、完全に理解できているか疑問なレベル(^_^;)

そもそも2013年の時点で、シャンプーは1種類か無かったのに、トリートメントだけはしっとりとさらsらの2種類あるという変則構成だったんです。

またトリートメントはジュレームみたいなこれコンディショナーと同じだよね、というシャンプーと同じ容量のボトルに入っている粘度の低いやつではなく、いわゆるヘアパックというのかチューブに入っている粘度の高いタイプ。容量もシャンプーよりかなり少ないです。つまりこのトリートメントは、シャンプーと毎回セットで使うことを想定していない製品でした。

 

それが今回からシャンプーも、しっとりとさっぱりに分かれたのです。

でも外観が似てるんですよこれ(^_^;)

以下に挙げますので比較して下さい。

どれも似てる・・・もう、3兄弟かと(^_^;)

ボトルの形や全体デザインが似過ぎている。

パッケージ変更は、リリニューアルを告知する効果が高いと思うんだけど、牛乳石鹸さんはあまり考えていのですね。

よく見ると2017年製品の方は、中央の下の辺りにそれぞれ「しっとり」か「さらさら」とか書いてあります

またノズルの根元のパーツの色を見ると、2017年のしっとりの方が薄い緑で、さらさらの方は、2013年製品にやや似た濃い緑になっている。

実は2017年のシャンプーさらさらの処方は、2013年品のマイナーチェンジであり、直系製品です。逆に2017年のシャンプーしっとりの方が、似ているながらも新規処方となっている。

ノズルの根元のパーツの色はこの事を表しているようなのですが、普通の人には絶対わからないと思う(^_^;)

 

ちなみにトリートメントの方はどうかというと、基本的にはしっとりもさらさらも、2013年処方のマイナーチェンジですね。

それでも、今回扱う、2017年トリートメントしっとりの方は多少は新規成分が入っているのですが、2017年さっぱりの方は、新規成分の追加は無しで、2013年品処方の配合順序(=配合量)をいくつか入れ替えただけの製品となっています。

 

牛乳石鹸さんは不思議なとことがあって、わざわざ旧製品も表示出来るように成っている公式ページがあるんですよ。

全部の製品ページがそういう作りでな無いので、見つけにくいけど(^_^;)

上記はそれを見て書きました。参考のため以下に親ページのリンクを貼っておきます。

トップページ> 製品情報>ブランド>無添加

 

前置きが長くなったけど、今回取りあげるのは、今回のリニューアルで最も新規性が高い、無添加シャンプー・トリートメント(2017)しっとり、になります。

 

外観

こんな感じです。

 

定価に変更はないのですが、発売直後のせいか品薄なのか、なんかちょっと高いです(^_^;)

シャンプーは、現在の所、アマゾンで1000円ぐらい/500mlします。

トリートメントは750円ぐらい/180g。

 

と、ここまで書いて気付いたのですが、2013年品は同じ形のボトルなんだけど容量が550mlと多かったようです。

自分のエントリー読み返して気付いた(^_^;)

マジかと思って、旧製品の解析をシャンプー解析ドットコムさんで見たり、アマゾンで古い製品を検索してみたが、やはり2013年品は550mlですね。つまり密かに量が減っているので実質、値上げされてます。

容器が不透明だから分からないだろうって事ですか。

会社イメージの割に、姑息ですね、牛乳石鹸!(^_^;)

ちなみにトリートメントの方は容量変更無しです。

 

概要

ニュースリリースが出てますね。

この内容を見てみましょう。

ニュースリリース「カウブランド無添加ヘアケア」新発売のお知らせ

 

牛乳石鹸共進社株式会社は、仕上がりで選べる2ラインになった「カウブランド無添加洗顔ヘアケア」を新発売いたします。[カウブランド無添加シリーズの特長]

■無添加(着色料・香料・パラベンなどの防腐剤・品質安定剤・アルコールが無添加)

■厳選素材・低刺激処方

■小さいお子様のお肌にも使えます。

■全アイテム皮ふアレルギーテスト済み(全ての方にアレルギーが起こらないということではありません)

 

無添加ヘアケアシリーズは面白いシリーズなんですが、この辺りはリニューアルでも全く変わっていません

個人的には無香料は好きは無いので、香料アリも製品化して欲しかったですね。

 

[各アイテム]

●カウブランド 無添加シャンプー しっとり(新発売)

地肌にやさしいアミノ酸系洗浄成分配合の弱酸性シャンプー。

洗い上がりうるおって、根元から軽やか、毛先はまとまる髪に。

●カウブランド 無添加シャンプー さらさら(新発売)

地肌にやさしいアミノ酸系洗浄成分配合の弱酸性シャンプー。

洗い上がりすっきりで根元から軽やか、指通りさらさらの髪に。

 

これを読む限り、しっとりとさらさらには、しっとりとさらさらしか差がありません(^_^;)

処方内容には、結構、差はあるのですが説明する気は無いと言う事です

牛乳石鹸さん、センスなさ過ぎとしか言い様がないですね。

 

●カウブランド 無添加トリートメント しっとり(新発売)

髪と地肌にやさしい弱酸性トリートメント。毛先までしっとりまとまる髪に。

●カウブランド 無添加トリートメント さらさら(新発売)

髪と地肌にやさしい弱酸性トリートメント。髪のパサつきをおさえ、指通りさらさらの髪に。

 

ここも同様で、説明らしい説明はありません。

 

やむを得ません。

化粧品犬が想像を膨らませて、2017年度しっとりの概要を書いてしまいます(^_^;)

 

まずしっとりシャンプーについて。

・DPGだけで防腐した、珍しいタイプの防腐剤フリーのシャンプーです。

DPGは大量に配合されているはずであり、コストプッシュの要因になっていると思われます。

・旧製品はアミノ酸系洗浄剤+両性洗浄剤という王道配合に、起泡の速いスルホコハク酸洗浄剤(スルホコハク酸ラウレス2Na)を加えていたが、新製品ではスルホコハク酸洗浄剤を両性洗浄剤+エーテルカルボン酸系洗浄剤(ラウレス-4カルボン酸Na)に変更されてます。この変更で起泡性は若干落ちた可能性はあるが、低刺激性はより高まっていると思われます。

・旧製品よりもしっとり感を高めるため、コンディショニング剤をポリクオタニウム-10の1種使用から、ポリクオタニウム-50とカチオン化グアーガムの2種併用に変更されている、更に毛髪吸着性の高いアミノ酸系カチオン(ココイルアルギニンエチルPCA)を添加しているのも特徴です。

ただし、主洗浄剤がアミノ酸系とはいえ、ココイルグルタミン酸Naであることは変更がなかったため、リニューアルによるしっとり感のアップはそれほど大きくはないです。

ココイルグルタミン酸はTEA(トリエタノールアミン)塩の時が最もしっとり感が出やすく、この製品のようにNa塩では、安全性は高いものの、コンディショニング効果がやや高めにくいためです。

例えばコーセーのジュレームなどもココイルグルタミン酸を使っているが基本的にTEA塩です。

次回のリニューアルでは、是非この辺りに切り込んで欲しい。

 

次はしっとりトリートメント。

トリートメントはしっとりタイプもさらさらタイプも、]旧製品のマイナーチェンジでしかないのですが、このしっとりの方が新成分(テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル)が追加されているので、少し力が入っているもかもしれません。

このテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルというエステル油は、べたつきが少なくツヤがある性質を持っていて、どちらかというと口紅などに使われている油です。確かにしっとり感を高めそうですね。

基本的な構成としては、3級アミンという変わったカチオン成分(裏面表示ではべヘナミドプロピルジメチルアミン)を主成分としたトリートメントになっています。このべヘナミドプロピルジメチルアミンは、トリートメントで良く使われているベヘントリモニウムクロリドと名前は似ているのですが、安全性は優れているものの、髪を柔らかくする効果や油性感などでかなり劣ります。現在、べヘナミドプロピルジメチルアミンを主成分にする大手会社は、牛乳石鹸くらいでしょう。ある意味、レアな製品です(^_^;)

こちらもシャンプー同様に、次回のリニューアルでは、べヘナミドプロピルジメチルアミンを普通のカチオン成分に変更してもらいたいですね。

普通のカチオン成分もアルキル基の部分は、やはり植物性なので、その辺りの問題も無い

 

ただノンシリコンとはうたっていないので、シリコンは入っています。これが結構、使用感を向上させていると思いますね。

 

 

 

@cosme評価

シャンプーは、クチコミ 57件 注目人数 25人、評価点5.1点ですね。

2013年に発売された旧製品は、最終的には口コミ数が4000件をこえてましたから、もう一つな気もしますが、CMも無いし、たいした告知もしていないので、これから伸びるんですかね。

ただコンセプトは代わり映えしないので新鮮感がまるで無いのが心配です。

 

トリートメントはクチコミ 37件 注目人数 24人、評価点5.4点で、ヘアパック・トリートメント部門でランキング8位には入っています。そんなにいいかな、この製品・・・。防腐剤フリー以外に良いところが見つからない。

あくまで無添加シャンプーの組み合わせたときの評価ですかね。

 

CM

特に作られていないようです。

 

使用感など

DPGのみで防腐した製品というのは、とても珍しく貴重な製品です。

しかし、防腐剤フリー以外、インパクトのある訴求点がないです。

前回の発売時(2013年)には、コーセーのジュレームとかステラシードのアハロバターなどのアミノ酸系をうたった競合製品も無かったので良かったんですが、この2017年になって、2013年と同じコンセプトでマイナーチェンジ・・・てのはキツい

使用感的には、ぎりぎり使えるレベルなんですが、これも旧製品と変わっていない・・・、と思ったが、このしっとりタイプは、少し良くなったみたいです。

1、2回使ったときは、泡立ちが悪く、乾燥後の髪の収まりがいまひとつ。そのくせ、ごわつく感はある、という感じで。

低刺激感は分かったのですが、使用感はあまり好きになれない感じでしたが。

しかし5、6回使うと、髪に適度なカチオン成分や油分が絶妙に蓄積されたのか、髪の収まりが良くなってきます。ゴワツキ感もむしろ感じなくなりました。スゴく良いわけでは無いのですが、コレなら普通に使えます

ここまで来ると、髪の滑らかさも感じされるようになります。トリートメントに新配合されているテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルの効果かな。

でも我慢して5、6回も使ってもらえるかは疑問ですけど(^_^;)

 

 

概要の所でも書きましたが、シャンプーでは、ココイルグルタミン酸のNa塩を使う限り、この辺が限界かなと思います。

これをココイルグルタミン酸のTEA塩(トリエタノールアミン塩)にすることで、使用感はずっと上がるので次回のリニューアル時には是非検討をお願いしたいですね。

 

あわせてトリートメントの三級アミン(べヘナミドプロピルジメチルアミン)を、普通の四級カチオン(ベヘントリモニウムクロリド)に変えると使用感はぐっとよくなると思うので、コレもよろしくです。

 

次回はシャンプー処方解析編です。