1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、…
というように、1/2からスタートして、次々と前の数の1/2になっていく数列を考えます。
この数列に現れる分数を無限に足していったらどうなるか?
小さくなっていくとはいえ、無限に足していくのですから、どんな小さな数でも無限に足されることで、少しずつですが大きくなっていくと予想されます。
どこまで大きくなるか?
果たして無限に大きくなっていくのか、という問題。
これが中学入試で出たことがあります。
難しい言葉では、「無限等比級数」と呼ばれます。
高校数学の概念です!
私立中の入試では、小学校での学習範囲はあまり気にしないので、何でもありです。
高校では、∑(シグマ)記号とともに、無限等比級数の公式が出てきてそれを覚えるという展開になります。
イヤですね~、数学で出てくるギリシャ文字…。
文系人間には、It's all Greek to me.
中学入試では、無限に足していくとどうなるのか、なぜそうなるのかを考えなければなりません。
正方形を使って説明されることがあります。
一辺の長さが1の正方形を図のようにタテ、ヨコの順に切って半分に分割し続け、それらを次々に足していきます。
するとどうでしょうか。
最終的には、正方形全体をカバーしてしまうということがイメージとして見ることが出来ます。
つまり、先ほどの数列を無限に足していくと、何と、1になります!
これなら小学生でも感覚的に理解できると思います。
中学入試では、「無限和」ではなく、次のような有限の数列の和を問う形で出ることもあります。
出題例はこの方が多いかもしれません。
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + 1/128 + 1/256 + 1/512 + 1/1024 = □
実は、パッと見た瞬間に答えを出すことが出来ます!
当然ですが、答えは1に非常に近い数になるはずです。
足す分数を増やすほど、どんどん1に近付いていきます。
さきほどの正方形の図を見ながら考えていきます。
1/2 + 1/4は、3/4(右下に1/4が残るのがわかります)
1/2 + 1/4 + 1/8は、7/8
1/2 + 1/4 + 1/ 8+ 1/16は、15/16
になっていることが図から確かめることが出来ます。
というわけで、1/2から1/1024まで足すと、
1023/1024
になります!
小数にすると0.999よりも大きいので、かなり1に近くなっています。
分数の足し算は通分するのが常識ですが、この問題では、決して通分して計算しようとしてはいけない、ということになります。
数の問題を図形で考えることができ、とても不思議で面白い世界だと思います。
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