「働く人」と「働く場所」をより良くするために -3ページ目

人が「変われない」理由、そのメカニズム

プロセス指向心理学という分野の学問がある。

この中のエッセンスを現実の人間行動に落として考えると、人の行動や人間関係の元を理解できるように思えている。

「今よりもっと良くなりたい」と思った時、何もしないで楽をしてもっと良くなる事は殆ど無い。

だから、努力をして、自分が変わっていこうと思うのだが、努力をしたり、勇気をもって違うことを続けるのが辛い。

だから、いつもの楽な場所に戻っていく。
だけど、「良くなりたい」という気持ちが無くなる訳ではないから、挫折した後にまた悩む。

さらに、自分が変われないでヤキモキしている横で、自分のなりたい姿を実現している人を見ると、自分が惨めになって悲しくなったり、焦ってみたりする。

そして、また「良くなろう」と思って行動をはじめ、同じ壁にぶつかって元の居場所に帰っていく。

こういうメカニズムを見ると、人間の行動や心理が理屈を持ったものとして見えてくる。

上下関係や上から目線について

人と人との関係に、上下関係や力関係を勝手にイメージして無意識にその関係の中でコミュニケーションをしている事が多い。

 

その上下や力の関係について、自分が無意識に感じているものに対して、相手方の自分に対する言葉使いや態度が異なるものだと、良い意味、悪い意味で違和感を感じるようにできている。

 

社会的な地位とか、年齢とか、影響力とか、経験とか、人が他者との関係性を勝手にイメージする元はたくさんある。

 

自身のない人ほど、そういうものを意識したり、他者より上に見られたがったりする。

 

他人との関係で、相手の態度が自分の認識と違うものに感じると、馬鹿にされたとか、上から目線を感じたりする。

 

他人の態度や自分扱われ方に敏感な人は、他人との関係を無意識に意識しやすいのかも?しれない。

 

逆の立場で考えると、年齢やらその場の関係性とは関係無く、誰にでも同じように丁寧に接するように心掛けていると、知らないうちに他人から恨みを買うようなリスクも減るのかもしれない。

他人から見られている意識の使い方

人材育成の手段として、フィードバックという手法はよく使われる。

 

特に、影響力が強いとされる管理職に対し、部下や同僚が、「その人をどう見ているのか」という調査をやることもある。これは、360度フィードバック調査とか言われている。

 

自分の言動に気づくこともなく、反射的に他人との関係性を損ねるような言動を繰り返しているような人には、そのようなフィードバックが必要なシーンもある。

 

一方で、自信の無い人が、必要以上に他人からの見られ方を気にすると、その人のパフォーマンスが低下する事がある。

特に自己嫌悪のスパイラルに入ると、他人との接点が怖くなり、社会生活にマイナスの影響が出てしまう事もあると考える。

 

ちょっと自分が過敏になっているなあと思ったら、他者とのコミュニケーションに少し時間差と距離を置き、何か刺激を受けてもすぐに反応せずに、時間を置き、は選択して対応できるようにしてみると良いです。