わからないよ …。
昨日は普通に話してたのに…。
久しぶりにいい顔を見れたのに…。
なんで…。
たった1日で…。
私は、なかなか状況がつかめずにいました。
父は、自分の言葉がおかしいことに気付いていないように、私の目を見ながら話しかけてくる。
でも…。
言葉になっていない。
わからないよ…。
時折、ベッドに固定されている腕が痛いのか、固定具を外そうとしながら 私に はずしてくれ、と言っているかのようでした。
そうかと思うと、突然歌いだしたり…。
もちろん歌詞なんてめちゃくちゃで、なんの歌かもわかりません。
父のいる病室は四人部屋。
父のおかしな様子を耳にしたのか、時々、同じ部屋の人が、トイレへ行く途中にカーテンの隙間から覗いて来た。
そんな状況に、身の置場がない私は必死に父を黙らせようとしました。
お願い…。
静かにして…。
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久しぶりにいい顔を見れたのに…。
なんで…。
たった1日で…。
私は、なかなか状況がつかめずにいました。
父は、自分の言葉がおかしいことに気付いていないように、私の目を見ながら話しかけてくる。
でも…。
言葉になっていない。
わからないよ…。
時折、ベッドに固定されている腕が痛いのか、固定具を外そうとしながら 私に はずしてくれ、と言っているかのようでした。
そうかと思うと、突然歌いだしたり…。
もちろん歌詞なんてめちゃくちゃで、なんの歌かもわかりません。
父のいる病室は四人部屋。
父のおかしな様子を耳にしたのか、時々、同じ部屋の人が、トイレへ行く途中にカーテンの隙間から覗いて来た。
そんな状況に、身の置場がない私は必死に父を黙らせようとしました。
お願い…。
静かにして…。
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言葉が…。
翌日、先生と話した様にお昼前には病院へ行きました。
廊下から父の病室の中を見ると、ベッドに横になっている父が見えました。
カテーテルの検査を終え、病室へ戻ってきている父は、ベッドに腕を固定されていました。
その先には点滴。
父はその腕が痛いのか、一生懸命に外そうとしているところでした。
「ダメダメ! 何してんの。」
思わず、いたわりの言葉より先に そう声をかけました。
「〇£¢#◆△◎■●*」
父の発した事が、一言もわかりませんでした。
そしてまた、
「●#■£○◆§」
私は、言葉を失いました…。
どうなってるの…。
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廊下から父の病室の中を見ると、ベッドに横になっている父が見えました。
カテーテルの検査を終え、病室へ戻ってきている父は、ベッドに腕を固定されていました。
その先には点滴。
父はその腕が痛いのか、一生懸命に外そうとしているところでした。
「ダメダメ! 何してんの。」
思わず、いたわりの言葉より先に そう声をかけました。
「〇£¢#◆△◎■●*」
父の発した事が、一言もわかりませんでした。
そしてまた、
「●#■£○◆§」
私は、言葉を失いました…。
どうなってるの…。
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父の笑顔…
父の検査の為の入院が始まりました。
入院した翌日、私は父の様子を見に病院へ行きました。
父は、四人部屋の廊下側のベッドにいました。
「父さん。」
そう声をかけると、
「おー、久しぶりだな。かなまま。父さん、こんな状態だ。」
力ない声で、父はそう答えました。
ほどなくして、主治医の先生が部屋へ来られました。
私は、先生にあいさつをし、よろしくお願いします、と頭を下げました。
「お父さんの状態、何ヵ所か気になる所があるので、明日から色々 調べさせてもらいますね。明日は、まずカテーテルです。太ももの太い血管から、上半身へ向けて入れていって…。」
わ…。
こういう話、苦手…。
体がゾクっとする。
そう思いながら、先生の説明を聞いていました。
父は、先生に愛想笑いをしながら 穏やかに話を聞いています。
先生は一通り説明が終わると、
「午前中には、カテーテルが終わります。お昼前には、ご家族の方どなたか来て頂けますか?」
との事でした。
麻酔がきれる頃、意識が戻る前後に不安定な精神状態になる方がいるそうです。
念のため、ということでした。
兄は仕事だろう、と思ったので 私が来るつもりです、と答えると
「はい、ではよろしくお願いしますね。」
と部屋から出られました。
私は、改めて父の顔を見ました。
また少し痩せたようでしたが、顔色も悪くなく、何よりもあの伸び放題だった ひげと髪の毛がスッキリしていました。
「えらくキレイになってるね。」
と頭とあごのあたりを示すと、
「あぁ、(私の)兄にしてもらったんだ。こっちは、バリカンで。」
と父は自分の坊主に近い頭を触りながら、笑顔をみせました。
「スッキリしたよ。」
久しぶりに見る父の笑顔でした。
なんだか、お酒に溺れて 飲んでは寝て、起きては飲んで…を繰り返すことができない病院に、感謝したいくらいでした。
ここにいる間は、お酒の心配をしなくて済む。
そう思うと、先程の父の笑顔が真っ直ぐ私の心にしみました。
このまま、平和な時間がくればいいのにね。そう思いました。
どんなにお酒で堕ちていっていても、この人が私の父親なんだ。
母さんが出て行った後、思春期の難しい年頃の私と兄を一人で面倒を見てくれた父。
叔父さん達に、母と会っていることが知られた時も、私と兄を守って叔父さんとけんかをした父。
私が結婚し実家を出る時、旦那に握手の手を差し出し、「よろしくお願いします。」
と深々と頭を下げた父。
なんだかこの時、一気に思い出し涙がでそうになりました。
「看護師さんや先生に、偉そうなモノの言い方しないでよ。本当におとなしくしててね。」
私は、そんな気持ちを悟られないよう、いつも通り憎まれ口をたたきました。
「おう、わかってるわかってる。」
と父。
「じゃ、明日頼むな。」
「うん、頑張ってね。」
そう言い、私は病室を出ました。
色んな気持ちを抱え、父の検査の結果にこわいことがないよう願いました。
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入院した翌日、私は父の様子を見に病院へ行きました。
父は、四人部屋の廊下側のベッドにいました。
「父さん。」
そう声をかけると、
「おー、久しぶりだな。かなまま。父さん、こんな状態だ。」
力ない声で、父はそう答えました。
ほどなくして、主治医の先生が部屋へ来られました。
私は、先生にあいさつをし、よろしくお願いします、と頭を下げました。
「お父さんの状態、何ヵ所か気になる所があるので、明日から色々 調べさせてもらいますね。明日は、まずカテーテルです。太ももの太い血管から、上半身へ向けて入れていって…。」
わ…。
こういう話、苦手…。
体がゾクっとする。
そう思いながら、先生の説明を聞いていました。
父は、先生に愛想笑いをしながら 穏やかに話を聞いています。
先生は一通り説明が終わると、
「午前中には、カテーテルが終わります。お昼前には、ご家族の方どなたか来て頂けますか?」
との事でした。
麻酔がきれる頃、意識が戻る前後に不安定な精神状態になる方がいるそうです。
念のため、ということでした。
兄は仕事だろう、と思ったので 私が来るつもりです、と答えると
「はい、ではよろしくお願いしますね。」
と部屋から出られました。
私は、改めて父の顔を見ました。
また少し痩せたようでしたが、顔色も悪くなく、何よりもあの伸び放題だった ひげと髪の毛がスッキリしていました。
「えらくキレイになってるね。」
と頭とあごのあたりを示すと、
「あぁ、(私の)兄にしてもらったんだ。こっちは、バリカンで。」
と父は自分の坊主に近い頭を触りながら、笑顔をみせました。
「スッキリしたよ。」
久しぶりに見る父の笑顔でした。
なんだか、お酒に溺れて 飲んでは寝て、起きては飲んで…を繰り返すことができない病院に、感謝したいくらいでした。
ここにいる間は、お酒の心配をしなくて済む。
そう思うと、先程の父の笑顔が真っ直ぐ私の心にしみました。
このまま、平和な時間がくればいいのにね。そう思いました。
どんなにお酒で堕ちていっていても、この人が私の父親なんだ。
母さんが出て行った後、思春期の難しい年頃の私と兄を一人で面倒を見てくれた父。
叔父さん達に、母と会っていることが知られた時も、私と兄を守って叔父さんとけんかをした父。
私が結婚し実家を出る時、旦那に握手の手を差し出し、「よろしくお願いします。」
と深々と頭を下げた父。
なんだかこの時、一気に思い出し涙がでそうになりました。
「看護師さんや先生に、偉そうなモノの言い方しないでよ。本当におとなしくしててね。」
私は、そんな気持ちを悟られないよう、いつも通り憎まれ口をたたきました。
「おう、わかってるわかってる。」
と父。
「じゃ、明日頼むな。」
「うん、頑張ってね。」
そう言い、私は病室を出ました。
色んな気持ちを抱え、父の検査の結果にこわいことがないよう願いました。
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