人の体はある年齢をこえると大きく変化する事があるようです。

 

相談を受けていると男性も女性も37歳ぐらいが一つの大きな曲がり角になるように思います。

 

不妊治療の書籍などで37歳以前と以降では卵子の質が大きく変わるようなことが欠かれていますし、京都大学のデータだったかで卵子の周りに37歳ぐらいになるとマクロファージがそれ以前よりはたくさん付着するようになって精子と受精しにくくなるようなデータが有ったように記憶しています。

 

身体的な変化では、体の疲れが抜けにくくなり、朝起きても体がだるいといった症状や筋力の低下、またお酒に弱くなったという症状をよく聞くようになります。

 

この37歳ぐらいになると新陳代謝が弱くなるという意見もあります。

特に代謝によって生まれる老廃物の体外への排泄が下手になってきて、身体の中にゴミやサビが貯まるようになりからだの機能が邪魔されて本来の力が発揮できなくなるからかもしれません。つまり身体の「お掃除力」が弱くなってきてきれいにする力がよわくなるのです。

 

この様になったときに栄養剤や代謝を上げるや食品や栄養剤ばかり使えば、身体の中に新しいものが増えていきます。それと同時にその新しいものを作ったときのゴミが余計に増えてしまいます。そうなると身体は一時的に調子が良いような感じがしてもすぐに老廃物が蓄積して余計に体調が上がりにくくなることがよくあります。

 

漢方の考え方に補瀉同用というのがあります。高齢の方によく使う方法ですが身体に栄養や代謝を上げるような生薬を使った場合には同時に老廃物を体の外に出すような生薬を組み合わせて使うというやり方です。身体を丈夫にするには古いものを片付けて新しいものを造るということを意味します。もともと新陳代謝とはこの意味のことだと思います。

有名な薬だと八味地黄丸に含まれる六味丸や当帰芍薬散もこのタイプの補瀉が同時に行われる薬剤です。

 

店頭では40歳ぐらいの方で不妊治療を受けている方がホルモン剤を長期的に使っていて新陳代謝の新しいものを作るということを続けていて、身体の方の不用なものを外に出す働きが追いつかなくなっている状態の方をよく診ます。ホルモン剤の代謝は概ね20代から30代前半ぐらいの方の「お掃除力」をデータとして撮っている場合が多く37歳以降の方のお掃除力のデータは意外に少ないことが多いのですが、これを知らずに薬の量を20代の方のように使えば薬は身体に掃除されずに残っていきます。
厄介なことに体に残ったホルモン剤は逆フィードバックと言ってもともとのホルモン分泌を阻害してしまうこともあります。

 

漢方薬も37歳を超えている人の場合は身体の掃除力を考えながら補うことよりも身体のゴミ掃除と排泄をよくよく考えて薬を選ぶほうがよく効きます。