[源氏物語] 節分追儺(せつぶんついな) | コンデジ片手に出かけよう

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私の旅の思い出を紹介します。


2024/2/3は節分、そして土曜日なので京都の節分を見に行こうと思っています。メインで見たいのは平安神宮の大儺之儀です。これは、平安朝当時、宮中の年中行事として行われていた追儺式を復元したもの。衣装、祭具、作法まで平安時代の追儺を再現し、鬼を祓う四つ目の仮面を被った「方相氏(ほうそうし)」が登場して邪気を祓うものになります。


鬼を払う「方相氏」の姿が異様なので後には「鬼」として追われる存在になっていますね。そして、鬼が履いているのがトラ柄のパンツ。日本の鬼がトラのパンツを穿いている理由は、鬼門が「丑寅」の方角だからだと言われています。そして風水では鬼門は避けるべき方向(北東)ですからね、



京都では吉田神社の節分が様々な意味でにぎわいます。まあ、おみくじ付きの豆が人気ですからね。「豆(まめ)」は魔(ま)を滅(め)っするという意味だとよく紹介されます。



追儺は、『源氏物語』の中にも2回登場します。
1回目は紅葉賀巻で、元旦に参内しようとした源氏が紫の君の部屋を覗くと、紫の君は新年早々雛遊びの道具類を広げ、源氏に向かって真剣な顔で
「儺やらふとて、犬君がこれをこぼちはべりにければ、つくろひはべるぞ」
と説明します。
犬君という童女は、若紫巻から登場している紫の君のよい遊び仲間ですが、初登場の場面でもそうだったように少々粗忽者らしく、ここでも「鬼やらいだ」と言って疫鬼を追い払う真似事をして、紫の君の大事な雛遊びの道具を蹴散らしてしまったようです。

 



2回目に描かれるのは幻巻の最後です。
年暮れぬと思すも、心細きに、若宮の、「儺やらはむに、音高かるべきこと、何わざをせさせむ」
と、走りありきたまふも、「をかしき御ありさまを見ざらむこと」と、よろづに忍びがたし。
幼い匂宮は「大きな音を立てて鬼を追い払うには何をさせればいいだろう」と言って無邪気にはしゃいで走り回っており、紫の上を喪い年明けには出家することを決意している老年の源氏の寂寥感と鮮やかな対比を見せています。

 



源氏物語では季節の移ろいなどを人の生涯にうまく利用しています。そんな意味で面白い。平安朝を再現した追儺式を2024年に見るとして、2025年の節分は2/2(日曜日)なので下鴨神社のものをみたいです。下鴨神社の節分の追儺弓神事では鏑矢(かぶらや)は「ぽー」という独特の音がするらしいので興味があります。