[源氏物語] 雪転ばし(ゆきまろばし) 【第二十帖・朝顔より】 | コンデジ片手に出かけよう

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節分を過ぎたら三寒四温になり京都市内で雪景色を見るチャンスは無いんでしょうね。年に2,3回雪が積もる京都ですが、休日に雪が積もるチャンスは年1回あるかないか。どうやら2024年の京都の雪景色はWebで楽しむしか無なそうです。
現在は雪が降ったら子供たちは「雪だるま」を作って楽しそうに遊ぶのでしょうか?。Top写真は過去に京都市内に雪が降った時に訪れて糺の森で見たものになります。源氏物語では「雪転がし(ゆきまろばし)」という遊びが出てきます。出てくるのは、源氏物語第二十帖・朝顔です。ただ、だるま型に雪玉を重ねるのではなく、ただ転がして大きな雪玉を作るだけの遊びですが。


◇源氏物語での表現 (第二十帖・朝顔より)◇
<原文>
童べおろして、雪まろばしせさせたまふ。 「いと多う、まろばさん」と、ふくつけがれど、えも押し動かさで、わぶめり。 
<現代語訳>
(光源氏は)雪の庭に女童たちをおろして、雪まろばしをおさせになります。「もっとたくさんころがそう」と調子にのりすぎた子たちが、押しても動かなくなった大きな雪玉に手こずります。



源氏物語第二十帖・朝顔のメインのテーマは、父親を亡くし斎院を退きお里帰りしている「朝顔の君」に求愛するシーン。結局は「朝顔の君」は光源氏の求愛を断っています。その時には、正妻ではありませんが「紫の上」という妻が光源氏にはいました。当然の様に、後ろ盾とてない紫の上は北の方(第一夫人)の座も失いかねなかねないと心配します。まあ、身分で言うと「朝顔の君」の方が「紫の上」よりも上ですからね。



京都のある雪の日に紫式部の墓を訪れた時が有ります、その時に印象的だったのが「南天の実」。南天(なんてん)は「難を転じて福をなす」という縁起の良い木。紫式部は源氏物語を描いたことで多くの人が惑わされたともいわれ、死後に地獄に落ち、小野篁の執り成しで紫式部の罪を許してもらったという言い伝えがあります。そんな意味もあって、南天が植えられているんでしょうか、雪景色に映える南天の赤い実は印象的でした。