●「気功」は積み上げた本物の実力を養う方法!
プラーナヨーガ教室の内藤です。
今日はエネルギーについて書かせていただきます。
ヨーガではプラーナといいますが、プラーナというエネルギーを扱っているヨーガは、本場インドはもちろんのこと、日本でもほとんどありません。
しかしながら、本来のハタヨーガは、密教から生まれたもので、プラーナというエネルギーを扱っているヨーガです。
今から100年ほど前にインドから欧米にヨーガを紹介するときに、あえてエネルギー的なものは持っていかなかったと言ってもいいと思います。
その後、日本に紹介されたヨガは、ポーズを目標とした体操系のヨガが殆どで現在に至っています。
特に、某新興宗教団体の事件が1990年代に起こりましたので、フィットネス系のヨガが安全だと思われています。
さて、プラーナ・エネルギーについては、中国の仙道や気功のほうに技術が残っていますので、ヨーガに取り入れるべき内容もたくさんあります。
長くなりましたが、本題に入ってまいりましょう。
少し長くなりますが、味わってお読みいただけたら幸いです。
「気功」という言葉には深い意味があります。
気功の言葉の意味について再認識してみたいと思います。
「気功」は戦後になって中国で出来た言葉です。
それ以前は「気」を扱う様々な分野でそれぞれの名前で呼ばれていました。
医療、宗教、武術、健康、能力開発など様々な分野で見えないエネルギーを扱っていたものを「気功」という言葉で統一しました。
「気功の言葉の意味とは、
・「気」= エネルギー
・「功」= 積み重ねていく
二文字が合わさって出来た言葉です。
「気」と呼ばれているエネルギーですが、現代科学でもはっきりと解明されていません。
ヨーガでは「プラーナ」といいます。
中国では「Chi」と呼ばれ、生命エネルギー、無限の力などとも呼ばれています。
日本語のなかには数多く「気」のついた言葉が存在しています。
ここではあえてひとつひとつ紹介はいたしませんが、私たち日本人は何となくニュアンス的にわかります。
そして、「気」は見えませんね。
見えないもう一つの世界がこの世界と同居しているという考え方です。
この世の中は、物質とエネルギーの世界といえます。
中国の荘子に有名な言葉があります。
「気が集まれば即ち生、気が散ずれば即ち死」
見えないエネルギーが高密度に集まれば物質化され、それが拡散すれば死ぬといった物質及び生命観です。
「気」とは物質としてもあるものなのに、非物質(エネルギー)とも相互に作用していることがわかります。
今見えている世界だけが現実だと考えるのではなく、「もうひとつの世界」があるといった立場から世界を見ていくことと言えます。
そして、この二つの世界に存在している私たちが、見えない力を上手に認識し使うことで、物質・エネルギーの両方を持ち合わせた存在として、私たちの生命を輝かせていくものが「気」といえます。
一方の「功」とは何でしょうか?
日常的にあまり使わない文字といえます。
「功」で一般的によく使われる言葉としては「成功」があります。
成功とは積み上げていって成ることですから、「功」は積み上げていくプロセスといえます。
その他に「功夫」という言葉があります。
ブルース・リー世代の方は読めると思います。
「カンフー」「クンフー」と言い中国の武術を表しています。
「功夫」は、「年期の入った実力」ということです。
中国の武術は若くて体力のある者が勝てるというものではなく、年期の入った実力こそが大事だということです。
気功にも同様に「功」という文字がついています。
これはちょっと習ってみて器用に出来たとか、うまいへたとかという問題ではないことを意味しています。
気功とは、物質である肉体とエネルギーである気をとおして「自分を知るトレーニング」といえます。
自分が生きているということを、肉体とエネルギーでじっくりと向き合うことです。
単純に今の世界にとって何か役にたつことをしているのではなく、存在そのものを改めて見直してみる作業といえます。
そのような時間を僅かずつでもいいので、ずっと繰り返して積み上げていくと、それがいつしかその人の底力になってきます。
「年期の入った実力」というのはそういった積み上げのことをいいます。
健康法や脳力開発のどちらにもいえますが、ちょっとやって効果がなかったからやめてしまうとか、たまに思い出したときにやるといったことでは、積み上げがないわけですから、気功とは言えません。
毎日顔を洗うように、歯を磨くように、毎日の生活のリズムの中に入れていく必要があります。
気功、ヨーガをされている方の中には、教室やスタジオに行ったときだけ練習するといったお考えの方もいらっしゃるようですが、本来は自宅で空いた時間をみつけて出来るだけ毎日行うことが本来の姿です。
週に一度教室に通ったときだけ行うとか、月に一度行うといったことでは決して身につくものではありません。
気功は、「知識」「情報」のコレクションではありませんし、「教養」講座ではないということです。
習慣のレベルまで落とし込んでいってこそ、気功で自己認識が変わっていくプロセスが始まります。
日本人は非常にせっかちなので、すぐに効果を求めたい人が多いのですが、インスタントでは身につきません。
ライブやコンサート会場のような一時的な高揚感や大きく燃え上がった炎ではなく、小さなロウソクのような炎であっても淡々と長くともしび続けていくようなもの、風が吹いても揺るぎなく炎がともしびを続けていくようなものと言えます。
10年といったスパンで自分を少しずつ変えていく、年期の入った実力を養うものです。
習慣になって身についたときに、はじめて「功」の意味が姿を現してきます。
「気功」という二文字にはこのように深い意味が込められています。
「本当の自分を知るトレーニング」であり、「内なる宇宙と対話をする」と言ってもいいと思います。
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