多和田葉子を読んで!!
多和田葉子さんの『尼僧とキューピッドの弓』を読みました。最初は、サラーっと流し読みし、二度三度読み返すと作品の中に見え隠れする作者の言語観や物語の仕掛けが見えてくるように感じました。日本語で小説を書き、ドイツ語でも論文や小説をものにしている、ヨロッパの言語と日本語とをきちんと掌握された上での作品であることが分かりました。Cogito ergo sum.,を前提としてきたヨーロッパの伝統的考えとそれを否定したニーチェ以降の考え方、ソシュールやフロイト的思考に加え、東洋的な「無」の境地までを射程におさめた作品と作品と読めました。そういえば。禅で云う「明暗」的な考え方と現代物理学のダークマターとは共通する要素があるようで、多和田葉子さんが、西欧世界と東洋世界を融合するような感覚を持たれたことも、大学時代に語学研究所でドイツ語を修め、大学卒業後の初任の仕事をドイツで始めたことにも関係しているようです。多和田葉子さんのHPをご覧になって下さい。ドイツ語、フランス語、英語、日本語で書かれていますよ!!http://yokotawada.de/?page_id=28homeBio- BibliographieEnglishFrançaisJapanese/日本語NewsVeranstaltungen原発の各項目をクリックすれば、各ページが読めます。