結論:がっかり、愚作で駄作

   キャストミスと脚本のお粗末さが目立った作品。

   但し、沢尻エリカははまり役であった事が唯一の収穫だった。

豪華な俳優陣を巧みに使うためには、人物設定とその醸し出す雰囲気や教養の深さが表れていなければならないが、原作を良く読み込んでいない脚本作りとキャスト選定・演技指導であったと云わざるを得ない。

財前五郎役は、最高のはまり役であった佐藤慶の作品をもう一度見直すことをお薦めする。田宮次郎の財前五郎を絶賛する評を目にすることがあるが、演技の軽さと態とらしさが目立つ反面、医者としての学識や技量が見えない嫌いがあった。

里見については、田村高廣も山本学も根上淳も甲乙つけ難い。

岡田准一がこの数年間で培ってきた俳優としての成長と評価を台無しにするキャラクター設定と演技指導であったことが悔やまれてならない。

捲土重来の作品・配役を期待したい。