日本語学校の卒業生を蓼科に招待する(3完) | けんじいのイージー趣味三昧

けんじいのイージー趣味三昧

けんじいの3大趣味である山歩き、鉄道模型製作、オカリナ・ハーモニカ演奏を中心に好きなことを書くブログです。Yahooからの移行ですが、よろしくお願いします。

 中国人美大生を蓼科に招待した最終日は特に何もせず東京に戻った。山荘の掃除は裏蓋のビスをしっかり留めたことで再起したルン平君が活躍した。美大生にはこの日と前日に鉄道模型を見せたが、それはまとめて後日書くことにしよう。いずれにしてもとても喜んでくれたと思う。

 

 

 例えば2日目の山登りは、中国でもするがけんじいも体験した通り、中国の山道は全てコンクリートの階段である。緑の木々を縫って登る土の山道がとても新鮮だったようだ。頭の良さを示す例はたくさんあったがほとんど忘れてしまった。食事時に「これはシソです」と説明すると、「紫に蘇州の蘇ですね」と返したことだけ覚えているが。

 

 

 最初の3日間の中国人のお客様と、後の3日間のこの中国人学生と付き合ったわけだが、共通すると思ったのは、今の中国政府をよく思っていないことは別として、次の2つの例。1つは、上の写真のように箸を並べて、自由に選んでもらうと、日本人なら同じ色の箸を組み合わせて選ぶと思う(少なくとも我が家では2人ともそう)が、彼らは色の組み合わせに構わず端から取った。

 

 もう1つの例は、我が山荘のトイレには男も座って済ませるように中国語で書いたものが置いてある。「请您在这里任何时候都坐着用吧!」しかしどちらの人も全く無視。学生に聞いてみると、この言葉の意味がわからないとのこと。中国語として正しいかどうかは中国人にも見てもらったものなので、中国ではそもそも男の座りションと言うものが全くポピュラーではないことが分かった。

 


 さて、一緒に東京に戻った昨日の夜、日中国交正常化に力を注いだ日中の政治家を描いた劇団ポラリスの音楽劇「ザ・スピーチ(アジアの純真)」を予約していた(下北沢のすずなりで)。けんじいにとっては同時代の出来事だが、21歳の彼には関心はないだろうと思ったものの一応声をかけた。すると大いに関心ありとのことで、一緒に観劇した。

 

 

 周恩来、田中角栄、大平正芳ら日中の政治家に扮した役者が国交回復交渉の裏にあったエピソードを演じる。日本側が「ご迷惑をおかけした」と言ったことに中国側が「女性のスカートに間違って水をかけた程度の時にいう表現だ」と腹を立てた話は有名だが、そのほか中国側が「日中間の戦争状態の終結」と表現しようとしたのに対し「日中間の不正常な状態の終結」という表現で折り合った話など、興味は尽きなかった。もちろん中国人美大生が「教科書で習ったよりずっとおもしろく勉強になった」と言ってくれたことも嬉しかった。

 

image

 

 当時、日本側が「軍事費はGDPの1%以内、軍国主義の道は取らない」と言い、中国側が「覇権主義の道は取らない」と言ったことに対し、公演後の挨拶で「その後両国の約束は守られているか、中国でも公演をしたい」と話したのを聞いて、投げ銭興行に夫婦で大きいお札を1枚投げ入れてきた。