昨日の続きである。気が早すぎだが、もし政権交代したら、「やっぱり交代して良かったな」と多くの普通の国民が思えるような政策を実行しなければならない。とは言え、国家財政を見れば公明党お得意の飴配りができるわけではない。お金をかけなくても国民が実感できる政策はいくらでもあるはずだ。
(1)まずはまともな、立憲民主党がよく言う「まっとうな」政治をそれこそ取り戻すことだ。少子化対策に増税しないが、健康保険からお金を取ったり、それを大真面目に国民負担は増加しないと説明したり、みんなが使いたくないと言っているマイナンバーカードを使わせるために保険証を強制的に廃止したりするのはやめて、合理的判断をしてほしい。官僚の書いたメモをただ読むだけとかはやめて、新政府は稚拙でも生真面目に、ごまかしのないメッセージを出してほしい。
(2)改憲論議が盛んだが、まずは今の憲法の精神を徹底追求してほしい。政府に批判的な言論を抑え込むとか、政府が触れてほしくないテーマを巡る集会に対し、地方自治体が「政治的である」とか「混乱が生じる」とかの理由で場所を貸さなかったり、止めたり、ヘイトスピーチの抑止に努めなかったりしないでほしい。ただただ憲法が保障するみんなが自由に思ったことを、何の懸念もなく表明できる世の中の雰囲気づくりをするだけでいい。そうすれば、多分選択的夫婦別姓も女性天皇もLG BTQ問題もヘイトスピーチ問題も、良識的な落ち着くところ落ち着くことだろう。ほとんどお金もかけずに。
(3) 中央官庁を始めとするお上の姿勢を真に国民を守るものに変えてほしい。今の官庁は官庁ごとに業界が所管されていて、しかもそれが業界を守るために存在している。本来すべての官庁がそれぞれの業界において、消費者である一般国民を守るのが本来であって、消費者庁など必要がないはずだ。
(4)以上はほとんどお金をかけないでできる問題だが、以下は業界など利害関係者の抵抗が大きいと思われる問題だ。しかし新政権だからこそ、長年わかっていながら誰も手をつけようとしない問題に取り組めるはずである。1つ目は原発。原発から発生する核のゴミ処理については全く展望がないままお金を垂れ流し続けている。少なくとも原発の新増設にはストップをかけ、長期間かけてでもどうやって原発をなくしていくのかを考える必要がある。
(世田谷区内の駐車場で嫌と言うほど見る自民党議員のポスター、今更彼らが何を変えようと言うのか)
(5)2つ目は税制。少なくとも様々な特例により大企業が最も税負担が軽くなっているという矛盾を是正する必要がある。また、金融所得だけがなぜ20%の分離課税で済まされるのかも大いなる問題だ。不動産所得だろうがなんだろうが全て所得なのである。総合課税にすれば、庶民でも大金持ちでも、それぞれの所得水準に応じて金融に係る税金を支払うことになる。政治とは金持ちを優遇することではないはずだ。
(6)一番難しいのは外交、軍事だろう。中でも日米地位協定に絡むアメリカとの関係の再整理は難問中の難問だ。鳩山内閣の時に急ぎすぎて政権の命取りになってしまったという事実を考えると、これはゆっくり時間をかけてムードを高めていくしかないと思う。逃げるわけではないが、自民党に聞かれたら「相手があることなので、当面は自民党さんが敷いたレールを徐行運転します」と答えるしかあるまい。その間にじっくり議論を温めて新政権らしさを出してほしい。少なくともアングロサクソンの勇ましい国々との訳のわからない同盟を勝手に強化するのはストップしてほしい。こっちは中国のすぐ隣にいるのだから。
みんなが「政府が違法なことをするはずがない」、「政府が国民のためにならないことをするはずがない」と信じて生き生きと暮らしていける、そんな政府になってほしい。ちょっと気が早かったかな。(終わり)