還暦をすでに越えたけんじいであるが、還暦とは十干十二支の組み合わせだから最小公倍数で60年と簡単に思っていた。ところが先日ある場所でこれが話題になり、説明しようとして詰まってしまった。なぜ最小公倍数なのか、10通りの甲乙丙丁戊己庚辛壬癸(以下10干という)と12通りの子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥(以下12支という)とを組み合わせれば、組み合わせの数は120通りあるではないか。それがなぜ半分の60通りで元に戻ってしまうのか。
調べてみるとそう難しい話ではなかった。もしも最初の年が甲(きのえ)・子(ねずみ)、次の年が甲・丑(うし)と進み、12年経ったところで次は乙(きのと)・子、乙・丑と進んでいけば12×10で120年経たないと還暦しない。
ところが10干も12支も順番が決まっていてそれぞれで進んでいく。甲・子の翌年は甲・丑ではなく乙・丑、その次は丙・寅といった具合だ。10干が一巡した段階で12支の方は戌(いぬ)と亥(いのしし)の二つが余っているから10干の最初に戻ったものと組み合わせが続く。つまり13年目は甲・戌、14年目は乙・亥となる。ここで気付くのは、乙・子や丙・丑が飛ばされて永遠にこの組み合わせが巡ってこないことだ。
何かよい例えはないかと考えたが、余りうまいものが見つからない。例えば小学生が男女で組み合わせてダンスをする。女が10人で男が12人(それぞれ常に順番が決まっていて並んでいるとする)だと男に余りが出る。そこで1回ダンスがすんで、2回目に男の余った2人(11番と12番)が女の1、2番と組み、女の3番目から順に男の1番から組み合わせると(男は8番まで)、何と男の1番の例えばけんじいは、女の2番と踊りたかったのに飛ばされてしまう。次の巡り合わせこそと思っているうちに、その順番で組み合わせて6回ダンスをするとまた最初の組み合わせに戻ってしまうから、永遠に2番の女の子の手は握れないということになる(実は2番だけでなく、4、6、8、10番の女の子の手も握れない)。
何かよい例えはないかと考えたが、余りうまいものが見つからない。例えば小学生が男女で組み合わせてダンスをする。女が10人で男が12人(それぞれ常に順番が決まっていて並んでいるとする)だと男に余りが出る。そこで1回ダンスがすんで、2回目に男の余った2人(11番と12番)が女の1、2番と組み、女の3番目から順に男の1番から組み合わせると(男は8番まで)、何と男の1番の例えばけんじいは、女の2番と踊りたかったのに飛ばされてしまう。次の巡り合わせこそと思っているうちに、その順番で組み合わせて6回ダンスをするとまた最初の組み合わせに戻ってしまうから、永遠に2番の女の子の手は握れないということになる(実は2番だけでなく、4、6、8、10番の女の子の手も握れない)。
つまり120あるはずの組み合わせのうち半分はないままに1回転が終わってしまうので、10干12支の話に戻すと、120年ではなく60年で1回転(還暦)してしまうのである。これを一般化すると、二つの数の組み合わせの最小公倍数で、実現する組み合わせの数が求められることが分かった(言葉でうまく証明できないが)。