パフォーマンス空間をつくろう

　ヨーロッパの町を歩いていると、公園や駅頭などで音楽を奏でている集団に出会う。そればかりか、ベルリンの地下鉄では車両の中にまで入ってきて座席の前で演奏した奴がいてびっくりした。勿論こいつは金をねだったが無視した。

　それはともかく、自分のパフォーマンスを見てもらいたいという気持ちは理解できる。趣味の発表会は、その表れだ。もっともそれは多くの場合かなり迷惑でもある。自分にとっては、とても興味があり面白いことこの上ないことでも、他人には退屈以外の何ものでもないということはよくある。かつて勤務していた会社の社長から「君、いっぺんでいいから僕の能を見にきてくれ」と言われて見に行ったが、まさに退屈な数時間だった。趣味のオカリナについても、常に自戒している。

　その点、ブログというものは、見たい人だけが見るのでかなりましだろう。それでも、けんじいも時々「あれ読んでくれたか」と聞くことがあるので、本質的にそう違いはないかもしれない。

　
　そこで冒頭の話に戻るのだが、市有地や駅前の空き地をパフォーマンス空間として積極的に開放してはどうかと思う。30分ごとに交代する、金銭を求めることは不可、など最低限のルールだけ決めてあとは自由。音楽演奏だろうが、ダンスだろうが、大道芸だろうが、政治的主張だろうが、構わない。見せたい人、聴かせたい人と、見たい人、聴きたい人が交流する場で皆が楽しくなるならよいのではないか。

　
　自分を含め引っ込み思案な日本人の積極性引き出しにもなると思う。特に都心に空き地の目立つ名古屋市内から始めたらどうかと、庶民革命をぶち上げる河村市長に提案してみようか。もちろんけんじいがオカリナを発表したいという意味ではないので念のため。