(前回記事の続き)
伊豆大島から次の島へ
この日の伊豆大島の旅客船入港地は元町港
船客待合所内
元町港内の売店で購入した「べっこう寿司」
「べっこう寿司」は、白身魚を青唐辛子醤油に漬けた島寿司。
ネタが鼈甲(べっこう)色をしているので、この名が付いた。伊豆諸島・小笠原諸島の島寿司は、ワサビの代わりにカラシを使う。
青く透き通った元町桟橋の海
「セブンアイランド愛」は、1980年(昭和55年)米国ボーイング製の水中翼船(ジェットフォイル)ボーイング929。当初外国で運航され、その後、関西汽船・加藤汽船のジェットライン(阪神〜小豆島〜高松)の「ジェット7」として活躍。2002年(平成14年)に東海汽船にやって来て「セブンアイランド愛」と改名し今に至る。東海汽船のジェット船の中で最年長。
高速ジェット船に乗船。操舵室前には小さな鯉のぼりが風にたなびく。
正午、伊豆大島元町港を出港
艇走状態から離水し、船体が浮いた翼走になる。
高速ジェット船「セブンアイランド大漁」(神津島発、大島経由熱海行き)とすれ違い。
「セブンアイランド大漁」は、1994年(平成6年)川崎重工業製。前歴は、JR九州の高速船「ビートル5世」で博多港(福岡県)〜対馬(長崎県)〜 釜山港(韓国)として就航。2015年(平成27年)東海汽船の高速船として就役。
伊豆大島の西側を航行
伊豆大島最高峰の三原山は、外輪山に囲まれ見えない。
青い空と海
時速約80kmで南下
伊豆大島を過ぎ、しばらくすると、次の島・利島(東京都利島村)の沖を通り過ぎる。
利島(としま)は、東京から南に約140kmに位置する太平洋上の小さな島。人口は約300人。砂浜はなく周囲は断崖絶壁に囲まれている。季節風が吹き荒れる冬季は船の欠航率が高く、到達難易度が高い離島。島全体が椿林に覆われ、冬になると島中で椿の花が咲き誇る。
観光地化されていない素朴な離島
島の周囲は高さ約200メートルの海食崖
この日は、波高1.0〜1.5mで海は穏やか。
利島の集落は、島の北側の港周辺のみ。
最高峰は標高507.5mの宮塚山
利島の南には、小さな無人島・鵜渡根島(うどねじま)
鵜渡根島は東京都新島村に属する無人島。標高は208.9m。明治時代には新島から移住した島民1、2名が養蚕を営んで生活していた時期もある。島は断崖絶壁のため島民は頂上部の僅かな平坦地に小屋を建てて生活していたとされる。
鵜渡根島の近くを、東海汽船の大型貨客船「さるびあ丸」が航行しているのが見える。
向こうの「さるびあ丸」は、神津島を10時30分に出港し、式根島、新島に寄港し、次の利島に向かっている。利島を過ぎると、伊豆大島にも寄港した後、東京へ向かう。神津島から東京まで上り便の所要時間は8時間半。
反航する東海汽船「さるびあ丸」。この日は全島就航し、最終港の東京竹芝桟橋には19時00分に着く。
鵜渡根島
前方には細長い新島
利島
利島沖を航行する「さるびあ丸」
鵜渡根島
利島、鵜渡根島を過ぎると、新島(東京都新島村)が近づく。
新島(にいじま)は、東京から南に約160kmに位置する島。最高峰は432mの宮塚山。人口は約2000人。漁業、観光、サーフィンの島。島で採掘される抗火石(こうがせき)は、イタリアのリパリ島と新島でしか産出されず、建築用や新島ガラスの原料として利用。
島の中心地は、山と山の間の平地にある集落。新島空港もあり、調布飛行場(東京都)との間を新中央航空の小型プロペラ機で結ぶ。
新島を通り過ぎる。
新島のすぐ隣の島・式根島(東京都新島村)を通り過ぎる。
式根島(しきねじま)は、新島村に属する小さな平らな島。島の最高地点は標高109m。入江には小さなビーチが点在。新島との間には村営連絡船もある。
式根島の奥にうっすら見えるのは三宅島(みやけじま)
三宅島(東京都三宅村)へのアクセスは、東海汽船の東京〜三宅島〜御蔵島〜八丈島航路の大型貨客船か、調布飛行場(東京都)から新中央航空の小型プロペラ機利用となる。高速船は就航していない。以前は羽田空港からの全日空系列の航空便があったが廃止された。
次の目的地・神津島
前方には、乗船中の高速船が向かっている神津島(東京都神津島村)
神津島(こうづしま)は、東京都心から約178 kmの太平洋上に浮かぶ島。最高峰は標高572mの天井山。人口は約1700人で、主な産業は漁業と観光。
最高峰の天井山(標高572m)
神津島はあちこちから水が湧き出ている。
※2024年(令和6年)5月上旬
(次回へ続く)