雄大な三原山と大島温泉ホテル 【東海汽船で離島巡り②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)


(伊豆大島  三原山)



大島温泉ホテルと雄大な三原山
伊豆大島・元町港(東京都)

元町港から、宿の無料送迎バスで大島温泉ホテルへ。

三原山温泉・大島温泉ホテル

大島ツツジが咲く。

1967年(昭和42年)開業の大島温泉ホテルは、元町から三原山アクセス道を上り約20分、標高約500mの高台にある温泉ホテル。

東海汽船の子会社・東汽観光の経営。


離島の伊豆大島は大型ホテル・旅館の数は少なく、ここ大島温泉ホテルは、伊豆大島を代表するホテル。



年季の入った館内


エントランスロビー


売店では様々な大島の特産品を販売。
頭上には、1986年(昭和61年)三原山割れ目大噴火時の写真が飾られている。

早朝、伊豆大島岡田港に到着する、東京発の大型客船夜行便から島に降り立った観光客向けに、大島温泉ホテルでは、入港地からホテルまで送迎付きの、朝食休憩プラン(6時〜9時、夜行便運航時のみ)がある。




ツツジと新緑


ホテルからは、三原山(標高758m)の雄大な眺め

三原山は、外輪山に囲まれた伊豆大島の最高峰

幾度も噴火を繰り返してきた活火山


三原山は約2万年前から現代に至るまで噴火を繰り返してきた。
直近では1986年(昭和61年)に噴火。当初は山頂噴火だったが、数日後、突然、山腹の割れ目から大噴火。割れ目噴火で流れ出た溶岩は、ふもとの元町集落に数百メートルまで迫り、全島民が島外避難する災害となった。幸いなことに街には大きな被害はなく、やがて噴火は終息した。


伊豆大島では、戦前、三原山登山鉄道(ケーブルカー) の免許が交付されたが、未成線で終わった。
また、1966年(昭和41年)に、東海汽船は、元町と三原山を結ぶ鉄道免許を申請したが、運輸省から返送され構想で終わったそう。



反対側(北側)には相模灘を望む。

大島温泉ホテル前から、三原山内遊歩道が各所へ延びる。



伊豆大島は椿の島

東海汽船系列のホテルのため、東海汽船グループの船のイラストなどが飾られている。


ホテル屋上の「三原山テラス」からは、三原山の雄大な眺め

ダイナミックな景観

外輪山に囲まれた三原山の中央火口丘・三原新山

中央火口丘の周りの山麓は樹海となっている。奥(東側)には日本で唯一の砂漠「裏砂漠」が広がる。

裏砂漠は、黒いスコリア(火山の噴出物)が広がり、国土地理院発行の地図上、日本で唯一「砂漠」と表記され、日本でただ一つの砂漠とされる。

三原山のカルデラ壁西部には、御神火茶屋(展望台)があり、かつては観光バスで大勢の観光客が訪れ賑わい、御神火茶屋からはラクダや馬に乗り三原山山頂(噴火口)まで行くことができた。現在は観光シーズン限定の予約制乗馬(与那国馬)となっている。


三原山は広大なカルデラ地形で、外側には外輪山


空気が澄んだ日には、相模灘の向こうに、房総半島(千葉県)、三浦半島(神奈川県)、丹沢山地(神奈川県)などを遠望

ホテル前に、野生のニホンザルが2頭、顔を覗かせる。



島とは思えない雄大な景色が広がる。

カルデラの内側には人家はない。



中央火口丘の手前に広がる広大な樹海





1986年(昭和61年)の噴火で、中央火口丘から流れ出た黒い溶岩流の爪跡が残る。



三原山は、映画「ゴジラ」にも登場





夕暮れ





三原山を望む源泉かけ流しの温泉
《大島温泉ホテルHPより》






西の空に日が沈む。

日が暮れ、ホテルの宴会場で夕食

名物の椿フォンデュ

「椿フォンデュ」は、串に刺した魚介類などの具材に天ぷらの衣を付け、伊豆大島特産の椿油で自ら揚げていただく。チーズフォンデュのような食べ方のため、この名が付いた。

ヘルシーで高価な、特産の椿油でカラッと揚げる。


地魚の刺身

地元の金目鯛


食後のデザート

夜、ホテル屋上の三原山テラスに出ると、周りに灯りはなく、漆黒の闇の三原山の上に満天の星空が広がる。



翌朝


標高約500mの大島温泉ホテルから富士山を望む。

ホテルのレストラン「かめりあ」「さるびあ」からは三原山を一望




この日は晴天。海上の波は穏やかで、船は、島の中心地・元町港に発着。



元町へ

大島温泉ホテル10時00発の無料送迎バスで元町港へ。


伊豆大島には、乳牛を飼育する牧場などもあり、特産の大島牛乳や大島バターなどが島の売店で売られている。


眼下の大パノラマ

伊豆半島(静岡県)と相模灘

対岸には伊豆半島の天城連山。ふもとは東伊豆海岸や稲取の町。

対岸の伊豆半島には、鉄道が走り、都会の資本が入った洗練されたホテルや洒落た店が数多くあるが、
こちら島嶼部は、素朴な宿や店が多く、人々はどちらかというとぶっきらぼうだがフレンドリー。

眼下に元町を望む。

島の中心地・元町


東京からやってきた高速ジェット船

奥には、雲をまとった富士山。
右下には、大島空港の滑走路が見える。かつて羽田空港とを全日空系列航空会社のプロペラ機(YS11)が結んでいたが、現在は調布飛行場(東京都)とを結ぶ新中央航空の小型プロペラ機のみ発着。

元町港に入港する高速ジェット船


送迎バスは山をひたすら下っていく。

だいぶ麓まで降りてきた。





元町港周辺
宿の送迎バスは、元町港に到着。
この日の旅客船入港地は元町港。

東海汽船の社旗と鯉のぼり

元町港船客待合所内。売店やパン屋などもある。

東京港竹芝桟橋8時30分発の増発便、高速ジェット船「セブンアイランド結」が到着

連休とあって大勢の観光客が伊豆大島に降り立つ。

元町港から、三角錐の利島(としま)を望む。

高速ジェット船「セブンアイランド結」出港

「セブンアイランド結」は新鋭のジェットフォイル

海水を噴射しテイクオフ。東京へ向かう。

時速約80kmで翼走。航跡が弧を描く。

高速ジェット船は、伊豆大島と東京を1時間45分で結ぶ。

港にはたくさんのコンテナ

東海汽船の大型貨客船「さるびあ丸」や、伊豆七島海運の小型貨物船に積み込むコンテナ

太平洋に突き出た元町港の桟橋。防波堤がなく、海が荒れると桟橋は大波に洗われ使用できず、旅客船は島の北側にある岡田港に発着する。

元町港前には素朴な小さな宿が点在

昔からある素朴な食事処「かあちゃん」。
店内には生け簀があり、伊勢海老、サザエなどの新鮮な魚介類や、名物のべっこうずし、磯ラーメンなどが戴ける。


べっこうずし(※料理は別日に撮影)


伊勢海老の味噌汁付き


島の西側に位置する元町は、冬季は西寄りの強い季節風が吹き荒れ、港は高波が押し寄せる日が多い。

海洋性気候の伊豆大島

対岸に伊豆半島を望む。

海に突き出た元町桟橋


この日の大型貨客船「さるびあ丸」や高速ジェット船は元町港に発着。(早朝到着する夜行便の大型貨客船だけ岡田港に入港する。)

溶岩でできた荒々しい海岸


夕日が綺麗な「サンセットパームライン」のサイクリングロード



富士山の形そのものに雲をまとった富士山


島の周りの海は透明度が高い。



桟橋には、午後入港する東海汽船の東京行き大型貨客船「さるびあ丸」に積み込むコンテナが置かれている。

アオスジアゲハ

元町港近くの長根浜公園。
敷地内には、夕日が綺麗に見える露天温泉「浜の湯」などがある。


元町港へ。


桟橋から望む元町の街並み


カラフルなコンテナ


11時50分、熱海からやって来た高速ジェット船「セブンアイランド愛」が到着。船内は満席で、大勢の観光客などが続々降り立つ。

この熱海発の高速ジェット船は、ゴールデンウィーク期間中、神津島まで延伸。12時00神津島行きに向けて出港する。



《ゴールデンウィークの高速船時刻表(東海汽船HPより)》


《東京〜神津島航路の大型貨客船「さるびあ丸」時刻表(東海汽船HPより)》※ゴールデンウィークはA,Cダイヤで運航



※2024年(令和6年)5月上旬



(次回へ続く)