伊豆大島へ 〜島の味覚と、古き港町の風情残る波浮港)めぐり〜【東海汽船で離島巡り①】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


(伊豆大島・波浮の港町)

 



熱海に到着
JR東海道新幹線で熱海駅(静岡県)へ。



熱海駅前に3棟続く「熱海第一ビル」

1967年(昭和42年)竣工のレトロビル

熱海第一ビル地下3階には、未成線の熱海モノレール駅の遺構が眠る。(非公開)




熱海港から高速船で離島へ
熱海港へ。
ここには、富士急マリンリゾートの初島航路や東海汽船の伊豆大島航路(多客期は他島航路もあり)の旅客船が発着

東海汽船の熱海発着便は、定期運行の伊豆大島航路のほか、ゴールデンウィーク期間中は神津島臨時航路も開設
この日は、波が若干高めのため、伊豆大島は岡田港、神津島は多幸湾入港。どちらも島の中心港から離れた別の港。


日本有数の温泉街・熱海の街並み

東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド愛」

東海汽船は1889年(明治22年に)設立。創業130年を超える老舗海運会社。

今年のゴールデンウィーク期間中は、熱海〜伊豆大島航路(高速船)は、神津島まで延伸運行

熱海発、伊豆大島経由・神津島行き

搭乗開始




午前11時05分、熱海港出港


左舷に真鶴半島(神奈川県)を望む。

この日は晴天だが、前日の低気圧の影響で相模灘の波高は1.5〜2.0m。
伊豆大島を過ぎると波高は2.5m以上とさらに高い。

東海汽船系列の伊豆七島海運の小型貨物船「新生丸」(総トン数155t)を追い抜く。

横波が押し寄せるが、乗船中の高速ジェット船は水面から浮き上がって航行するため揺れが少ない。

波が荒い中、時速約80kmで安定した高速航行


途中、クジラなど大型海洋生物の生息域を通過。衝突を避けるため、この区間だけ若干スピードを落として航行。

11時50分、伊豆大島・岡田港到着


伊豆大島(東京都大島町)は、東京から120kmの太平洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島で、人口は約8,300人。島の最高峰は御神火(ごじんか)様と呼ばれる標高758mの活火山・三原山。島の主な産業は、椿の栽培、酪農、漁業、観光。




伊豆大島に上陸
ここ伊豆大島で下船。

伊豆諸島最大の離島である伊豆大島では、多くの観光客が降り立つ。


冬は椿まつり、夏は海水浴で島は賑わう。離島ブームの頃は島の港に定期船が到着すると、港は観光客で溢れたそう。

太平洋に浮かぶ伊豆大島は、東京都に属する。

高速ジェット船「セブンアイランド愛」は、正午に神津島に向け出港

大島岡田港は、島の北側にある静かな集落に位置する。
島の中心地・元町港が海況悪く使えないときや、東京発の大型客船(夜行便)が早朝大島到着時は、こちら岡田港を使用する。

漁業を営む静かな集落



伊豆大島漁業協同組合加工部が運営する食堂「浜のかあちゃんめし」

島の素朴な食堂でいただく昼食。
大島の名物「べっこう丼」は、白身魚を青唐辛子醤油に漬けた、いわゆる漬け丼。漬け魚が鼈甲(べっこう)色になるためこのような名前が付けられた。珍しいウツボ料理もある。

食堂は売店も兼ねており、クサヤ、明日葉、椿油など、島の名産を販売

食事メニュー

ウツボは蛋白でコラーゲンも多く美味

島のおばちゃんが作る料理


「うつぼ天丼」


あっさりした白身のウツボ


「あしたば天ぷら定食」

明日葉(あしたば)の天ぷらはサクサク



カツオと明日葉の入った「大島チャーハン」




漁協食堂「浜のかあちゃんめし」のすぐ隣には、

土産物店(1階)兼 食事処(2階)の「一峰」もあり、こちらでも様々な島の味覚を戴ける。



静かな岡田集落のモダンなカフェ
「STARFISH  AND  COFFEE(スターフィッシュ  アンド  コーヒー)」

のんびりした島時間が流れる。

大島牛乳のカフェオレや、島の魚を使ったフィッシュバーガーなどを戴ける。




路線バスで島内巡り

三原山頂口行きの登山バス(三原山ライン)は、現在、元町港や入港地から一日僅か1,2便の運行のみ。



大島公園ラインの元町行き路線バスで、大島の中心地・元町へ向かう。

(岡田港13時43分→元町港14時00分着)


大島島内のバスは、かつては東海汽船が路線バスや定期観光バスを運行していた。現在は東海汽船バス部門は分離され、東海汽船の関連会社・大島旅客自動車(大島バス)として運行。定期観光バスもあったが今は運休中。



大島の中心地・元町港到着

この日は、船が岡田港に発着しているため、元町は観光客の姿は少なく静か。


波浮港ライン・波浮港経由大島町陸上競技場行きに乗車し、島の南側にある波浮港へ向かう。


元町港14時10分発→波浮港14時40分着


路線バスは、地層大切断面を通り過ぎる。


地層大切断面の目の前に、バス停「地層断面前」がある。

今回は、バス車内から望む。

大島一周道路(都道)建設に伴い山を削ったところ現れたダイナミックな地層

地層の高さは24m、総延長は630mに及ぶ。

約2万年以上前から繰り返された約100回の大噴火でおおよそ100層積み重なった大地の記憶


その見た目から、「バウムクーヘン」の愛称で呼ばれる。

フィリピン海プレート上の若い活火山である伊豆大島全体は、日本ジオパークの一つである「伊豆大島ジオパーク」に認定













伊豆大島の南西側では、利島、鵜渡根島、新島、神津島などの伊豆諸島の島々を遠望

伊豆大島の隣にある三角錐の離島・利島(としま)は、断崖に囲まれた小さな椿の島。




波浮(はぶ)の港

バスは高台から坂道を下り、港を周り込み、波浮港(はぶみなと)へ。





波浮港は古き良き港町

漁船が並ぶ。


かつての丸い火口湖が海と繋がって出来た入り組んだ波浮港




1800年(寛政12年)に開港した波浮港は、風待ち港として多くの漁船が立ち寄るようになり、明治~昭和時代にかけて大いに栄えたそう。


バスは港をまわり込み、14時40分、波浮港(はぶみなと)到着


ここで下車



波浮港は、伊豆大島で最も古い港町。ノーベル文学賞受賞作家・川端康成の小説「伊豆の踊子」に登場する。





漁港


昼下がりの長閑な雰囲気



情緒ある集落

古き良き港町の風情が残る。




最近は、古い民家をリノベーションしたカフェなどもオープン








旧・港屋旅館

建物は保存され、内部も見学できる。

踊子の里



川端康成の小説「伊豆の踊子」に登場する踊り子「薫」は、実際に波浮港に暮らしていた踊り子「タミ」をモデルにしたそう。踊り子たちはお呼びがかかると、この港屋旅館などの座敷で踊りを披露した。











波浮港の鵜飼商店。コロッケやメンチカツが美味しい。





透き通った港







路線バスが坂道を下りやって来る。


路線バスで、波浮港から元町港へ。
(波浮港15時09分発→元町港15時39分着)


島には椿の木が数多くあり、椿油や椿の実細工が特産。演歌歌手・都はるみの「アンコ椿は恋の花」でも歌われた。

島の最高峰・三原山は、外輪山に囲まれて見えない。

 


元町港
元町港に到着。港には船の入港地を示す、「本日の入港地 岡田港」の案内看板

この日は、ここ元町港に船は発着しないため、船客待合所の建物内は閑散としている。

元町港船客待合所2階には「港のパン屋さん」がオープン


元町港の桟橋

対岸は伊豆半島(静岡県)。天城山系が聳える。対岸正面は稲取の町。

元町港から望む伊豆諸島の利島、鵜渡根島、新島など。


大島バス

元町の土産物屋

元町港16時05分発の宿の送迎バスを待つ。


※2024年(令和6年)5月上旬



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(次回へ続く)