2024.4.1廃止、117年の歴史に幕・消えゆく北の鉄路【惜別・根室本線 部分廃止④】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(JR根室本線 東鹿越駅、南富良野まちづくり観光協会SNSより)



さよなら根室本線 
〜富良野・新得間部分廃止〜
2016年(平成28年)8月31日の台風10号被災により、東鹿越〜新得間の鉄路が長期間不通(バス代行)のJR根室本線。
不通区間を含む富良野〜新得間は元々利用客が少なく、JR北海道の単独維持困難路線に含まれることもあり、2024年(令和6年)3月31日(日)の最終運行をもって富良野〜新得間(81.7km、実際上は石勝線と合流する上落合信号場まで)部分廃止。



●台風被災状況(JR北海道資料)

●鉄道廃止・バス転換後の交通体系(JR北海道)





●在りし日の根室本線④
富良野→東鹿越→新得(2023年(令和5年)9月上旬)


滝川駅から朝一番(午前5時49分発)の根室本線普通列車・東鹿越行きに乗車。
富良野(ふらの)駅に到着(午前7時15分〜7時17分停車)。

向こうに停車中のJR富良野線は、新型H100形電気形気動車「DECMO」に世代交代

根室本線上り・東鹿越発滝川行きキハ40とすれ違い。向こうの東鹿越発滝川行きは、富良野駅に7時17分から7時39分まで停車。






富良野駅を発車
単行気動車は廃線予定区間に入る。

幾寅駅近くにある南富良野町立南富良野高校に通う学生が富良野駅から乗り込み、車内は賑やか。



根室本線のこの区間は、かつては優等列車が走っていた北海道の大動脈だったが、1981年(昭和56年)石勝線全通により、一日数本しか列車が走らないローカル線に。



布部(ぬのべ)駅


倉本聰脚本のテレビドラマ「北の国から」の舞台になった駅

脚本家倉本聰氏は、この布部駅のストーブのある誰もいない待合室で、ドラマ「北の国から」の構想を練ったそう。そして、「北の国から」の第一話で主人公が降り立った駅がこの布部駅。




テレビドラマ「北の国から」






空知川を渡る。







山部(やまべ)駅







かつてランプ小屋として使われたレンガ造りの建物が残る。



右側の車窓には、芦別岳、夕張岳など夕張山系が連なる。











下金山(しもかなやま)駅









非冷房のキハ40の夏






金山(かなやま)駅











かつてのランプ小屋(レンガ小屋)が残る。
















トンネルを抜けるとかなやま湖を渡る。










かなやま湖の畔を走る。



8時01分、終点・東鹿越(ひがししかごえ)駅到着




ここから先は、列車代行バスに乗換え。




この先、東鹿越駅〜新得間は2016年(平成28年)8月
台風被災により列車が走らないまま時が経過




東鹿越駅は、元々2017年(平成29年)3月のダイヤ改正時に廃駅にすることが検討されていたが、前年2016年(平成28年)8月の台風災害による根室本線東鹿越駅・新得間不通に伴い、東鹿越駅が列車と代行バスの乗換接続駅となったため、廃駅にならず、根室本線富良野〜新得間がラストランとなる2024年(令和6年)3月31日(日)まで生き残ってきた駅。



東鹿越駅発新得行き列車代行バスは、8時06分東鹿越駅を発車

列車が来ない不通区間の根室本線の線路を渡る。

雑草に埋もれた線路は、復活することなく廃止になる。







列車代行バスは、幾寅(いくとら)駅に停車

南富良野町中心の幾寅駅では南富良野高校に通学する大勢の学生が代行バスから下車

俳優高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった駅。駅周辺には撮影ロケのセットが残る。

映画で実際に使用され走行した気動車(キハ40改造車)のカットボディが駅前に保存

この食堂建物も映画セット



台風被災で列車が来なくなったこの駅も廃駅になる。映画撮影のため造られた駅舎は、今後南富良野町により保存される。

映画上の設定駅名「幌舞駅」の看板を掲げる駅舎



幾寅駅を発車し、列車代行バスは次の落合駅へ向かう。






ひっそりと佇む落合駅

列車代行バスは、落合(おちあい)駅に停車


落合駅を発車した列車代行バスは、空知地方と十勝地方を隔てる狩勝峠へ。

狩勝峠から眼下に望む十勝地方は雲海に覆われている。



かつて日本三大車窓の一つだった根室本線旧線の狩勝峠。列車代行バスは新狩勝トンネルができる前の根室本線旧線に沿って狩勝峠を超える。


列車代行バスは、狩勝峠を超え、サホロリゾートを経由し、十勝地方の新得町へ。

車窓には、蕎麦(ソバ)畑


列車代行バスは、9時14分、終点・新得(しんとく)駅到着





新得駅舎


新得駅前には、期間限定の15インチゲージのミニ鉄道が施設(2023年10月中旬で運行終了)

新得町商工会では、2018年(平成30年)10月に北海道拓殖鉄道開線90年・廃線50年の節目を記念し、「北海道拓殖鉄道2018展」を開催。この時から新得駅前(かつての北海道拓殖鉄道新得駅敷地)で走り始めた15インチゲージのミニ鉄道「キハ112」モデル子ども列車。
このミニ鉄道は、新得駅前再整備により、2023年(令和5年)10月15日を以て運行終了した。






《新得町商工会SNSより》










●ありがとう根室本線記念入場券(JR北海道)









●オリジナル フレーム切手セット 「ありがとう根室本線 富良野~新得」(日本郵便北海道支社)





●写真集「根室線の記憶」(北海道新聞社)




●限定ラストラン弁当 ありがとう根室線と、くまささ茶(南富良野まちづくり観光協会)




●お別れイベント(南富良野町、南富良野まちづくり観光協会)









●ありがとう根室本線メモリアルイベント(富良野鉄道未来の会)




●パネル展示(新得町商工会) 






2024.4.1根室本線(富良野〜新得)、廃止