【絶滅危惧の東武鉄道古参列車の旅②】鬼怒川線の旅 / SL大樹の国鉄型12系・14系客車 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)


(SL大樹  @鬼怒川温泉駅)



★過去記事↓↓

【絶滅危惧の東武鉄道古参車両①】南栗橋から6050型普通列車の旅 





東武鉄道は、2022年(令和4年)3月12日(土)ダイヤ改正で、6050系電車の運用がほぼ全て消滅。
また、土休日運転の350系特急「きりふり」は同年3月6日(日)で定期運転を終了。

6050系電車については、
今まで東武鉄道(日光線南栗橋~東武日光間、鬼怒川線全線)と野岩鉄道全線、会津鉄道の電化区間(会津高原尾瀬口〜会津田島)で活躍していたが、今回ダイヤ改正で東武鉄道区間でのワンマン運転開始のため、非ワンマン車の6050系は殆どが20000系(20400型)ワンマン車に置き換え。

ダイヤ改正後の東武鉄道鬼怒川線・野岩鉄道線・会津鉄道線の直通列車は、特急「リバティ」(浅草〜会津田島、東武鉄道車)、快速「AIZUマウントエクスプレス」(東武日光〜会津若松、会津鉄道気動車)、鬼怒川温泉~会津高原尾瀬口間の普通列車1往復を除き廃止。
6050系の普通列車による三社直通運転は消滅し、会津鉄道の電化区間(会津高原尾瀬口〜会津田島)の普通列車は全て会津鉄道所属の気動車に変更。

現時点で、東武鉄道所属6050系の完全引退と野岩鉄道所属6050系3本の引退は正式発表されていないが、2022年(令和4年)3月12日(土)ダイヤ改正で東武鉄道線内に残る6050系は野岩鉄道乗入れ列車(鬼怒川温泉⇔会津高原尾瀬口)1往復だけとなった。また、会津鉄道所属6050系は今回ダイヤ改正で引退。

350系電車については、
土休日に特急「きりふり」として運転(浅草〜春日部・新栃木・東武日光)されてきたが、ダイヤ改正前最後の土休日となった今年3月6日(日)で特急「きりふり」はラストラン。これにより350系は定期運用が消滅。




6050系、東武鬼怒川線へ

南栗橋発・新藤原行き6050系普通列車は、午前9時54分、下今市(しもいまいち)駅に到着

9時57分まで3分間停車。


側線には観光列車「SL大樹」「DL大樹」「SL大樹ふたら」「DL大樹ふたら」用の14系客車(座席車)が留置中

スハフ14-5(元・JR四国車)

折戸式の14系客車(座席車)はJR四国から譲受した車両。
旧型客車を模したぶどう色2号に塗装された車両のほか、青色に白帯の国鉄色を堅持する14系、JR四国から譲受した12系、JR北海道から譲受した14系など多種多様な国鉄型客車が在籍する。

JR四国から譲受した12系客車「オハテ12-1」は一部窓なしの展望車に改造。昔の3等車を模した赤帯が入っている。

SL大樹等の観光列車の運行に合わせ、駅は昭和レトロ調に改装。ホームの売店では駅弁を販売。



寝台特急「北斗星」牽引色を模したDE10形ディーゼル機関車



新藤原行き普通列車は、9時57分、下今市駅を発車

ここから、東武日光方面へ向かう日光線と分かれ、鬼怒川線に入る。



雪を抱いた日光の山々


大谷川(だいやがわ)橋梁を渡る。

日光・中禅寺湖から流れる大谷川

左端は日光連山を代表する男体山(なんたいさん、2486m)




大谷向(だいやむこう)駅
ホームは国の登録有形文化財に指定



大桑(おおくわ)駅

列車交換のため10時04分〜10時10分まで6分間停車

乗車中の6050系電車は、旧6000系の車両更新車。
編成は、←新藤原 6157編成(クハ6257+モハ6157)+6172編成(クハ6272+モハ6172) 浅草→






縦長の曇窓は便所の明かり採り窓




1964年(昭和39年)〜1966年(昭和41年)に製造された旧6000系の車両更新車だが、車体は1984年(昭和61年)にアルナ工機で新製




ホームは玉石積盛土式であり、鬼怒川線近代化構造物として国の登録有形文化財に指定



鬼怒川(きぬがわ)を渡る。

奥鬼怒の鬼怒沼に源を発する鬼怒川







新高徳(しんたかとく)駅

上り特急列車と行き違いのため10時15分〜10時18分まで停車

ホームとホーム上の上屋は下野電気鉄道時代のもので国の登録有形文化財に指定







特急「リバティきぬ120号」浅草行きが通過。東武鉄道の主力特急500系を使用。






小佐越(こさごえ)駅

上り普通列車・東武日光行きと交換

ダイヤ改正で東武鉄道線内からほぼ姿を消す6050系同士のすれ違い。





ホームは国の登録有形文化財に指定



東武ワールドスクウェア駅

ミニチュアテーマパークの東武ワールドスクウェアの目の前に2017年(平成29年)に開業した新しい駅。観光列車SL大樹も停車する。



間もなく鬼怒川温泉駅

10時39分鬼怒川温泉始発新宿行きJR直通特急「きぬ4号」が停車中。車両はJR東日本の253系(元・成田エクスプレス車両)を使用。



青い国鉄型客車が入線中



午前10時27分、鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)駅到着。ここで下車。
新藤原行きは乗降が済むと、すぐに新藤原に向け発車





鬼怒川温泉駅
鬼怒川線の観光列車「SL大樹」

東武鉄道の観光列車は、下今市〜鬼怒川温泉間の「SL大樹」「DL大樹」、東武日光〜下今市・鬼怒川温泉間の「SL大樹ふたら」「DL大樹ふたら」がある。

在籍車両は、蒸気機関車3両(うち一両は動態整備中)、DE10形ディーゼル機関車2両、ヨ8000形(元車掌車)2両、14系客車6両、12系客車2両。

これらに使用される機関車や客車の殆どは、東武博物館所有の動態保存車となっている。

下今市駅を10時09分に発車した「SL大樹1号」は、ここ鬼怒川温泉駅に到着した後、折返し11時10分間発の「SL大樹2号」下今市行きとなる。

折返し整備中のSL大樹用の客車。

かつて全国の国鉄・JRで活躍していた14系客車(座席車)

この14系客車(座席車)は、JR四国から譲受した「スハフ14-1」「スハフ14-5」「オハフ15-1」「オハ14-1」と、JR北海道から譲受した「オハ14-505(急行はまなす号のドリームカー)」「スハフ14-501」が在籍。塗装は青色20号白帯車両と、ぶどう色2号車両がある。

3号車「オハフ15-1」

SL大樹のテールマーク入り


国鉄色を堅持する14系客車

JR四国譲渡車は折戸。JR北海道譲渡車は凍結防止等のため引戸になっている。



デッキ

車内は簡易リクライニングシート。座席背もたれの白いヘッドカバーは、コラボイベントで期間中は別のものに入れ替わっている。

国鉄特急の初期のリクライニングシートに用いられた「簡易リクライニングシート」がそのままの車内。
肘掛けのレバーを操作し、背中で背もたれを押すと一段バタンと後ろに少しリクライニングする。しかしリクライニングにストッパー機能がなく、身体を起こすとリクライニングが「バタン」と戻ってしまう。そこでこの簡易リクライニングシートは「バタンシート」、「バッタンシート」と呼ばれた。

1972年(昭和47年)新潟鐵工所製の「オハフ15-1」

「オハフ15 1」は、国鉄時代は秋田、尾久、名古屋に在籍し、国鉄民営化後はJR東海が所有。
これらJR東海の14系4両(スハフ14 1・5、オハ14 1、オハフ15 1)はその後JR四国に譲渡され高松運転所に配置されたが、2016年(平成28年)3月31日付でJR四国から除籍。その後東武鉄道に譲渡された歴史ある車両。










2号車「オハテ12-2」

在籍する12系客車は、JR四国から譲受した12系客車を改造した「オハテ12-1」(ぶどう色2号赤帯車両)と、「オハテ12-2」(青色15号淡緑帯車両)がある。
蒸気機関車の煙や匂いを感じてもらうため一部は窓のない展望デッキに改造された。

オハテ12-2は、オハ12-10として1969年(昭和44年)製造。その後JR四国で「オロ12-10」(座席グリーン車)として、夜行快速「ムーンライト高知」や「ムーンライト松山」などで使われていた車両。

展望デッキ内部


展望デッキのレトロ調の壁灯

展望デッキには簡易座席も設置






「展望」の文字入り

「青色15号」に急行グリーン車を彷彿させる淡い緑の帯

 
車内はボックスシートで、大型テーブル付き

コラボイベント期間中の仕様で、窓には暖簾

行先サボ







12系客車の折戸


1号車「スハフ14-1」

手動ドアの旧型車両が現役だった時代から活躍してきた車両のため、折戸の窓に「自動ドア」と書かれている。


1972年(昭和47年)製のスハフ14-1。14系客車(座席車)のトップナンバー。


スハフ14形は、床下に車内供給用の発電機があり、ディーゼル発電機の音が響き渡る。






SL大樹の旅へ。


※2022年(令和4年)2月



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(続く)