来春126年の鉄路の歴史に幕・夕張最後の夏~駅を見下ろすホテルマウントレースイ【夏の北海道 6】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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「湘南軽便鉄道」です。

本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。



※撮影日:2018年(平成30年)8月5日(日)~8月6日(月)
※スマートフォン撮影





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JR石勝線 夕張支線の
終着駅・夕張(ゆうばり)

千歳駅を14時27分に発車した2631D普通列車は、終点の夕張駅に16時23分に到着


昔ながらの駅名板。
北海道の駅名板は、下部に「サッポロビール」の小さな看板が付属


基本的にひとつの車両が千歳⇔夕張を行ったり来たりしているため、終着・夕張駅に到着した列車は、すぐに折り返し準備。


来春廃止とあって、日中の列車はどれも鉄道ファンや観光客で混雑。
夕張駅まで乗車してきた乗客の多くは、駅舎や駅前を眺めたら、すぐに折り返し列車でトンボ返り。
せっかく多くの人たちが鉄道で夕張駅を訪れても、それを街の活性化に活かせない行政。街の魅力に乏しく、駅から離れた観光施設までのアクセスも無いに等しいため、大体の乗客は鉄道でトンボ返りするか、市内観光をすることなくバスで札幌方面に帰ってしまいます。

先人が築き上げ、今までずっと守り続けてきた夕張の鉄路を、
時の損益勘定で廃線を自ら提案した夕張市長(元 東京都庁職員)の「攻めの廃線」施策やJR北海道経営陣の方策は、鉄道があるからこそ訪れる観光客の足を奪い、中長期的には夕張の街をさらに衰退させてしまうものと危惧。



行先板(サボ)


駅名板


来春廃止予定のため、夕張駅を訪れる乗客が増加し、日中は駅に警備員を配置


行き止まりの終着駅
かつては、さらに2.1km先に夕張駅がありましたが、炭鉱閉山により2度も駅が移転し、距離が短縮。
また、夕張には、野幌―栗山―夕張間53.2kmの夕張鉄道という私鉄路線もありましたが、1975年(昭和50年)全線廃止。




今は、市街地からは離れた、
スキー場を併設した「ホテルマウントレースイ」のすぐ隣が夕張駅


今の夕張駅は一面一線の寂しい駅(左側がホーム)


夕張駅に16時23分に到着した列車は、
僅か8分停車した後、折り返し2632D普通列車として、千歳駅に向け16時31分発車



駅構内には、夕張の有志で立ち上げた「夕張市鉄道研究会」が、オリジナルTシャツや夕張支線グッズなどを販売


アニメ「銀河鉄道999」作者・松本零士氏による「ありがとう夕張支線」オリジナルポスターも掲示。
このポスターは、駅隣のホテルマウントレースイ2階売店で販売中。


発車時刻表。
夕張駅を発着する列車は一日僅か5本



駅舎内には、観光案内センターやカフェが入居。夕張支線グッズなども販売



夕張駅舎


小さな夕張駅舎(手前)と、大きなリゾートホテル「ホテルマウントレースイ」(奥)
簡易委託駅ですが、乗車券類の発券は、駅舎内ではなく、ホテルマウントレースイのフロントで取り扱い。



駅前には、ゆうばり屋台村



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夕張駅すぐ隣の
「ホテルマウントレースイ」へ。


ホテルの客室(駅側)からは、
眼下に、行き止まりの終着駅である夕張駅


駅舎とホームを繋ぐ長い通路と、一面一線のホーム(左)


夕暮れの夕張駅


「ホテルマウントレースイ」内の売店には、名産の夕張メロン🍈を使ったいろいろな土産を販売
ほかに、夕張支線グッズの販売コーナーもあり。


黒い「夕張石炭ビール」(左)🍺と、
夕張メロンソーダ(右)🍈



ホテルの目の前には、標高702.6mの冷水山(れいすいざん)。「ホテルマウントレースイ」の名称の元になった山。
冷水山の斜面はスキー場🎿


季節外れのスキー場のゴンドラ。
グリーンシーズンの夏期は、夕張の星空や、遠くに見える石狩平野の夜景を眺めるナイトゴンドラを夜間限定運行🌃



マウントレースイスキー場🎿


ホテルマウントレースイから、山あいにある夕張の中心市街地を眺める。


ホテルとスキー場の間を流れる川







ホテルマウントレースイから眺める、
夜の静かな夕張駅


19時20分、この日の下り最終列車である2633D普通列車(キハ40系気動車単行)が、山あいの夕張駅に到着。
この時間になると、鉄道ファンや観光客で賑わう昼間と違い、乗客は僅か数名。


僅か8分の停車で折り返し19時28分発の追分行き2634D普通列車に。本日の上り最終列車



山あいの静かな夕張駅。最後の夏の夜🌃


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晴れ渡った翌朝☀️


朝の夕張駅


運賃表と時刻表。
列車本数は一日5本のみ。
ラストランまでのカウントダウン



朝8時17分、追分駅からの2623D普通列車が到着。日高線色キハ40
JR日高本線(苫小牧から様似間146.5km)の大部分の区間(鵡川~様似間116km)は、数年前の高波被害等で長期間運休中であり、余剰となった日高線用キハ40系350番台更新車を他路線(石勝線、室蘭本線)でも使用
その後、JR北海道は日高本線の運休区間をそのまま2020年度を目処に廃止する方針に。
さらに残った日高本線の苫小牧~鵡川間(30.5km)も、2018年(平成30年)9月6日(木)未明に発生した北海道胆振東部地震により、現在全線運休に。このまま日高本線が全線廃線にならないか危惧。




夕張到着後僅か8分で、折り返し朝8時25分発の2626D普通列車・千歳行きになります。
この列車に乗車。


夕張支線を走る日高線色キハ40系350番台気動車



車内へ。
非冷房車であり天井には扇風機。


夕張を発車し、千歳に向かう単行列車





鹿ノ谷(しかのたに)駅


大きな駅舎ですが無人駅








山を下るキハ40


朝の車内は、まだ空いています。


座席のモケットの背もたれは、紫色のものに交換






清水沢(しみずさわ)駅

清水沢駅では、
2004年(平成16年)3月7日までは、腕木式信号機が使用され、タブレット交換を行っていました(新夕張駅~清水沢駅は北海道最後のタブレット閉塞方式の区間)。
交換設備廃止後も、日曜・祝日以外の朝7時から14時頃まで駅員1名を配置していましたが、2015年(平成27年)10月1日に無人駅化。

以前はは交換駅でしたが、片側の線路は剥がされ、今は一面一線駅に。

かつてはここ清水沢駅から南大夕張駅まで、三菱大夕張鉄道がありましたが、1987年(昭和62年)7月22日廃止。



清水沢駅は平屋の大きな駅舎






南清水沢(みなみしみずさわ)駅


南清水沢は簡易委託駅


南清水沢駅から地元住民が数名乗車






夕張川を渡る。





沼ノ沢(ぬまのさわ)駅


かつて沼ノ沢駅からは、北海道炭礦鉱汽船真谷地炭鉱専用線が分岐し一時期は旅客輸送も。



沼ノ沢駅舎


駅舎内に、洋食レストラン「おーやま」を併設した沼ノ沢駅




再び夕張川を渡る。


コンクリート護岸のない自然のままの河川




右にカーブし、左からのJR石勝線(本線)と合流





午前8時49分、新夕張(しんゆうばり)駅の3番線ホームに到着
特急列車は1番線ホームに発着し、
2・3・4番線ホームは普通列車のみが発着。


ここ新夕張駅は、以前は紅葉山(もみじやま)と呼ばれていた駅。
新夕張駅~新得駅間が開業し、JR石勝線に編入されるまでは、追分駅~紅葉山駅~夕張駅間は夕張線と呼ばれ、
紅葉山駅から楓、登川に向かう夕張線登川支線が分岐していました。




新夕張駅では、午前8時49分から9時14分まで、
25分間の長時間停車



JR石勝線 夕張支線(元 夕張線)新夕張~夕張間16.1km
来春2019年(平成31年)3月31日(日)ラストラン、翌4月1日(月)廃止に。

126年の歴史に幕
夕張の鉄路にありがとう


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(続く)