かえるくん、東京を救う
神の子どもたちはみな踊る
最近、また村上春樹にはまっていて、読まずにとって
おいた短編小説をとうとう購入しました。
(あっという間に読んでしまいましたが、、、これで
ほぼストックはなしです。)
それぞれの話はストーリーも文体も個々にに独立して
いますが、連作として物語の底に神戸の地震という
共通事項があります。
彼の文章は圧倒的に読みやすいです。訳がわからない
部分も多々あるのですが、その小説世界に浸っている
だけで、僕は幸福なんです。
6編どれもすべて面白かったのですが、僕は特に
「かえるくん、東京を救う」という話が好きに
なりました。
「かえるくん」は、人のあだ名ではなくて、本当の蛙?で、
冴えないオジさんと一緒に「みみずくん」と闘い、
東京を大地震から守ります。
これも訳がわからない話なのですが、なんとなく(←この
なんとなくが重要なのですが)小説全体の雰囲気が好き
なんです。そして、逆にある種のファンタジーの形式で
しか、この物語の深部に到達できなかったことがわかります。
僕の心に深く残り、なぜか泣きそうになります。
他の村上春樹の本で、「はじめての文学」のあとがきや
「若い読者のための短編小説案内」の序文には
僕と同じ人が多くて、この「かえるくん、東京を救う」と
いう話が一番人気があると春樹自身が語っていました。
アメリカのアマゾン.コムで、読者レビューなんかを覗いて
みても、この話は人気があるみたいです。日本人ではない
外国の人が読んでもそう思うなんて、なんか不思議な
感じがします。
何度かこの話を読み返していると、
久しぶりにペーパーバックでも読んでみたくなって、
アマゾンで英訳版も購入してみました。(↑写真)
「かえるくん、東京を救う」という題名は
"Super-Frog Saves Tokyo"となっていました。
また、話の中でかえるくんは主人公の片桐に、自分の
ことを「かえるくん」と呼んで欲しいと言うのですが、
片桐さんは初め「かえるさん」と呼んですぐに訂正されます。
これが英訳だと、どんな風に翻訳されるかなぁと思った
のですが、「かえるくん」は"frog"で「かえるさん」には
"Mr"(ミスター)が付いてました。まあ、妥当なところですね。
けれど、当然日本人の僕としては、かえる「くん」という
なんとも言えないニュアンスが好きなんです。
冷蔵庫が欲しい
新しい冷蔵庫が欲しい。
今使っているやつは、東京に出てきたとき初めて買って、
以来ずっとなのだが、さすがにもう限界らしい。
だましだまし使ってはいるが、ちょっと前までは
かなり酷かった。
冷蔵庫に入れておくと、すべてが凍っていた。
野菜や納豆にドレッシング、麦茶すらも
どうか「冷凍庫が二個になってよかったじゃん」とは
言わないで欲しい。
その上の冷凍庫は、ほっておくと霜でまったく
使い物にならなくなる。
みるみる霜に侵略されて冷凍庫の容量は激減し、
しまいにはドアが閉まらない。そうするとハンマー片手に
氷山崩しをしなければならない。
どうか「カキ氷が自動で沢山作れていいわね」とは
言わないで欲しい。
唯一のメリットは、シャンパンが早く冷えるという
ことだけ。
*
暖かくなってきて、ようやく冷蔵庫は普段の落ち着きを
取り戻したが、僕の気持ちは既に冷え切っている。
繰り返すが、新しい冷蔵庫が欲しい。
飲兵衛の僕には、勝手に氷を作ってくれる機能が欲しい。
ふんだんに氷を入れたワインクーラーで白ワインを
冷やせたらどんなに素敵だろう。
冷蔵庫の中にはビールや泡ワインを沢山しまっておきたい。
心の豊かさは冷蔵庫の中身で決まると言っても
過言ではないのだ。
けれど、新しいギターも欲しい。どちらが僕の人生で
必要なものか?
どっちもだ。そして、それが問題だ。
*
上の写真(↑)は黄金期の冷蔵庫の中です。
ラジオドラマ「無限への崩壊」
(ごめんなさい。今回はかなりマニアックで長文です。)
中学、高校生の頃に僕がはまっていたのが、
「ラジオドラマ」です。
文字通りラジオで放送されるドラマのことで、
オーディオドラマ とも呼ばれ、セリフや音楽や
効果音だけなんです。映像はありません。
けれど、夜中に真っ暗な部屋で、これを聴きながら
ベットで横になっていると、逆に絵がないことで
想像力が刺激されて、すげーワクワクしました。
僕が新潟にいた頃によく聴いていたのは、
NHK-FM(それしか当時FMがなかった)で
主に「アドベンチャーロード」という番組でした。
(今は青春アドベンチャーかな?)
1回15分で月~金まで毎日やってそれが2週間
で一つのお話。
漂流教室、遠い海から来たCOO、黄金のアポロ、、、
笹本祐一原作の「妖精作戦」なんか脚本がよく
できていて、最高に面白かったですね。
あと、これもSF物の「アディオス・ケンタウルス」
とか。(主人公の声は斉藤由貴でした)
その中で、特に僕が強烈に好きになったドラマが
荒巻義雄原作の「無限への崩壊」というお話でした。
(主人公の声は俳優の榎本孝明さん)
設定は未来。超能力を身につけたミュータンツと呼ばれる
第二の人類が誕生し始め、主人公はその人を見つけ出して
処刑する政府のハンターです。
そんな彼が、女性や子供のミュータンツを撃つことに
ためらいをみせるようになり、精神科医の診断を受けることに
なります。精神分析が進むにつれて、彼の最近の記憶に
誤りがあることが発見されます。エリナという女性に会った
という記憶が、すっかり消え失せているのです。
実は主人公が愛したエリナという女性はミュータントで、
主人公は彼女がそうだと分かった瞬間、処刑していたのです。
そのショックの為に無意識にその記憶を忘れて、心が壊れない
ように、別の記憶を自分で思い込んでいたのでした。
その後、主人公は復活して最強のミュータンツに戦いを
挑むのですが、最後に大どんでん返しが待っています。
本当に主人公はエリナを殺してしまったのでしょうか!?
*
1986年の放送で、いまから20年程も前の作品なん
ですが、サイコ・サスペンスのハシリだったと思います。
音楽もよくて、ホントにすげー面白い話だったんだけど、
残念ながら誰も知らないんだろうなー思います。
(もしもですよ、このドラマを知っている人がいたら、
一言でもいいからコメントなりペタを残してくれたら
うれしいです)
今でもこのドラマを録音したカセット!を持っているのですが、
残念ながら第1話と2話を紛失してしまいました。
そして、この文章を書いている間もどんどんテープは
ラーメンの麺のようにのびていきます。
(極めつけは家にはカセットデッキがありません)
今はi-podとかネットで音楽配信とかが盛んなのだから、NHKも
昔放送したドラマを有料でもいいので配信して欲しいです。
過去の財産をどんどん活用するれば、受信料の不払いの足し
にもなるし。(問題は著作権とか?)
それ以上に、CGとか凄い映像に慣れきった現代において、
再び音声だけのシンプルで想像力をかきたてられる
オーディオ・ドラマが流行ってほしいです。
*
人は旅をするとき、見たいものだけしか見ない。
僕もそうだった。
鏡をのぞくときのように、見たいものだけを
見てきた。
エリナが初めて別の鏡を差し出したような気がする。
もし、鏡の前に別の鏡が置かれたら、、、
そこから静かな無限への崩壊が始まる。
崩壊。エリナは崩壊した。
26歳。この北アフリカ出身の作家カミユが好きだった
エリナは死んだ。
エリナはなぜ僕を愛したんだろう?
本当に僕はエリナを殺したのか?
それもこれも感傷なんだろうか?
『無限への崩壊』僕の好きなセリフより
追記:
最近、ようやく昔からずっと読んでみたかった原作を
ネットの古本でゲットしました。
「宇宙25時」という短編集に収められていましたが、
読んだみたら話が全然違っていてびっくり!
鬼ちゃんカムバーック!
everyhome/鬼束ちひろ
昔むかし、ピアノが上手な女の子とデートしたときのお話。
二人で近所を散歩してから、たまプラの楽器屋さんに寄りました。
たしか彼女がクラシックの楽譜を買うためだったかな。
(僕はその時、映画レオンのDVDを買った覚えが)
かなり大きい楽器屋で、壁一面に楽譜が並んでいました。
僕は好きなアーティストのスコアを見つけて、
「これ、凄くいい曲なんだよー」
というと、彼女はおもむろにその楽譜を手にして、
すぐ側に置いてあった電子ピアノに近づきました。
そのピアノは展示用のサイレントピアノで、周りの迷惑に
ならないようにヘッドフォンが付いていて、電子ピアノの
スピーカーからは音がでないようになっていたのですが、、、
彼女はそこに付いていたひとつだけあるヘッドフォンを
僕に渡して、楽譜を譜面台に「トン」と立てると、
いきなり初見でその曲を弾き始めました。
僕だけが被ったヘッドフォンからは紛れもなく、いつも
CDで聴いていた曲のピアノのイントロが流れてきました。
彼女はというと、自分はなにも聴こえないはずなのに、
それを全然気にすることなく、なんの迷いもなく優雅に
指を鍵盤に滑らせていきます。僕はその横で圧倒されて、
とても感動しました。
さすがにピアノでアメリカに留学までしたことのある人は
すげーなー、僕も(一応)音楽をやるのですが、ちょっと
次元が違うなーと思いました。
(僕は絶対音感無しです)
そして、一台のサイレントピアノを二人でシェアするのは
日曜日の午後の、とても素敵な体験でした。
その時、彼女が弾いてくれたのが、鬼束ちひろの「Cage」
という曲でした。
*
鬼ちゃんはしばらく休んでしましたが、今月末にホント
久しぶりにシングルがでます。
彼女の歌声は唯一無二。待っていました!
オーラの泉と目にみえないもの
先週は一度も養老乃瀧に寄りませんでした。(すごい!)
土曜日も仕事を終えて、まっすぐ帰宅。
ふとテレビをつけたら「オーラの泉」をやってました。
スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之さんと美輪明宏さん
の精神的世界。深夜で放送していた頃からたまに見てました。
(太一君が頑張っています)
ゲストは香里奈さん。綺麗~。そしてなんか高感度アップ。
(多分、この放送で彼女のファンがまた1万人くらい増えたと
思います)
この番組の良いところは、全然高圧的で下品ではなくて、
やさしくてポジティブなことを語ることだと思います。
確かに「前世」とか「守護霊」の存在は、現代科学では
解明されていませんが、僕はその解明されていないことが
よいのだと思います。そして、そのグレーゾーンに
人生を切り開く力や勇気が隠れているのだと思うんです。
(仮に科学で証明されちゃったら面白くないでしょ)
僕がこの番組を観ていて一番気になったのは、美輪さんの
ルックス!、ではなくて江原啓之さんの「存在」です。
なぜ江原さんだけは色んなものが見えるのかな?って。
彼だけがとても「特殊」ですが、それにどんな意味が
あるのかな?って。
(けれど、もしも僕や他のみんなが江原さんみたいだったら、
世界のあり方そのものが根底から覆っちゃいますね)
それに、時代が中世だったら江原さんは火あぶりにあって
いたかもしれません。江原さんを普通?に受け入れる世間は、
なにげに凄いです。
*
よく「目に見えるものだけがすべてじゃない」といいます。
その通りだと思うのですが、このまえ日経新聞を読んでいたら、
ちょっとした、目からウロコが。
遺伝子の研究をしている教授が、恩師について語っていた
のですが、以前その恩師の方から戒めとして言われた言葉が
あるそうです。
「目に見えるものをきちんと見れなくて、どうして目に見えない
ものが見えるんだ?」
なんか納得。
宮崎駿語録(3)
(女の子)「すてきなおひげね」
(多分、息子が初監督した映画『ゲド戦記』について)
「初めてにしてはよくやったっていうのは演出にとって屈辱だからね。
この1本で世の中を変えようと思ってやんなきゃいけないんだから。
変わりゃしないんだけど。
変わらないけど、そう思ってやるのがね、映画を作るってことだから」
「名声なんてどこにあるんですかね。僕自身とは全然無関係な
もんですね。幻影だと思います」
(ごみ箱に書いたばかりのイラストを捨てながら)
「ダメだね。違うことだけは分かっている。
才能も日々磨耗していくもんだから。
どこが違うかなんか分かんないだよ」
(『子供が面白いと思ってくれるものは何?』って言葉にすると?と聞かれて)
「世の中で一般的にいっぱい言われているような、こういうものを訴えたい
からとか、で作品を作ったら、くだらないものです。
『命は大切』って、命は大切って書けばいいじゃないですか。
それで、そういう風にテーマを簡単に抜き出せるものは
みんないかがわしいと思うんですね。違うんですよ」
小さな女の子が宮崎監督に
女の子「ハウルつくって(くれて)ありがとう」
監督「どういたしまして」
おわり
*
小さな子にあんな風に言われるなんて監督冥利に尽きますね。
まだまだ宮崎監督からは目が離せません。
ボランジェを開ける日
「オーラを放つボランジェ」
何度も言うようですが、僕はヒルズ族ではありません。
養老乃瀧とレトルトカレーをこよなく愛する平凡な一市民です。
そんな僕が買いました、ボランジェ。
あえて多くは語りませんが、とってもいいシャンパーニュ
です。もちろん今まで飲んだことはありません、初めてです。
購入したのはノン・ヴィンテージですが、ボランジェの
ヴィンテージである「グラン・ダネ」は、映画007の
ジェームス・ボンドが愛飲するシャンパンとして有名です。
(いつも美女と一緒のベットの脇に置いてあります)
ネットで特別価格のものを見つけて、しばし迷った末に
我が家に届きました。
確かに僕が普段飲んでいる発砲ワインのカヴァなんかと
比べると値段は全然高いのですが、川崎で違う泡に
お金を使うと思えば、こちらの泡のほうが格段に安くて
健全です。
*
最近、仕事から帰ってくると夜な夜なシコシコと
とりかかっていることがあります。それが完成した
あかつきにシャンパンで祝おうと思って。
けれど、やってることは全然たいしたことなくて、
それごときでシャンパンなんてすげー大袈裟なんですが、
それを目の前にぶら下げたニンジンにしようかと
思って。(抽象的でごめんなさい)
しかし、気軽に始めたことなんですが、やりはじめたら
どんどん膨らんできて、当分終わりそうにありません。
完成はいつになることやら。
(けど楽しいです。ひとつの山場?は過ぎたので)
ボランジェは今、冷蔵庫の中で静かにその「時」を待って
います。
そして当分の間、養老乃瀧はお休みです。
オレ訳 CREEP / RADIOHEAD
「現在、世界で最高のロックバンドは?」と聞かれたら、
僕は迷わずに「レディオヘッド」と答えます。
あっ、この質問は「一番好きなバンドはなぁ~に」と
置き換えられます。
このバンドについて語りだすと、ブランキーの時みたいに
とても長くなるので、今回は彼らとの出会いについて。
それは大学時代に遡ります。そして、それはまったくの
偶然によるものでした。
(偶然=必然の話も、とても長くなるので別の機会に)
アパートの近所のCDショップにふらりと入って、
さっと棚を眺めただけで、ちょうどリリースされたての
この↑彼らの一枚目のアルバムを買っていました。
(中身の試聴もなしで)
今はその本能が退化してしまいましたが、あの頃は
目に留まっただけで買ったCDに、殆ど外れが
なかったのです。
もちろん、そのアルバムも大正解でした。
特に2曲目のCREEP(クリープ)という曲に激しく
惹かれました。
4つのコードだけで、静かなメロディと激しいサビの
繰り返しだけのとてもシンプルで美しい曲。
これがYou Tubeのアドレスです↓(注意:音がでます)
よかったら聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=wHbLkp7Pj6o
日本語の歌詞はfuckingな僕の意訳です。
CREEP / RADIOHEAD
When you were here before,
Couldn't look you in the eye,
You're just like an angel,
Your skin makes me cry,
You float like a feather,
in a beautiful world,
I wish I was special,
you're so fucking special.
(C.) But I'm a creep, I'm a weirdo,
What the hell am I doing here?
I don't belong here.
I don't care if it hurts,
I want to have control,
I want a perfect body,
I want a perfect soul,
I want you to notice,
When I'm not around,
You're so fucking special,
I wish I was special.
(repeat chorus.)
She's running out again,
she's running...
Whatever makes you happy,
Whatever you want,
You're so fucking special,
I wish I was special...
but I'm a creep, I'm a weirdo.
What the hell am I doing here?
I don't belong here,
I don't belong here.
君といた頃は
まともに目なんか見れなかった
君はまるで天使のようで
その白い肌は涙もの
君は鳥の薄羽根のように
美しい世界を漂う
オレが特別な男だったらよかったよ
君がとびっきりそうであるように
けどオレはクソで変人 ダメ男
ここで一体オレは何をしてる?
自分の居場所なんかじゃないのに
傷つくなんて気にしない
オレは自らコントロールしたい
欲しいのは完璧な外面と
完全な内なる魂
どうか気づいて欲しい
オレがそばにいない時も
君はすげー特別なんだ
オレもそうなりたかったよ
けどオレはクソで変人 ダメ男
ここで一体オレは何をしてる?
自分の居場所じゃないのに
彼女は走り去る、また
走り去っていく
君に幸せを与えてくれるもの
何を望もうとも
君は特別な女性
オレもそうなりかったよ
けどオレはクソで変人 ダメ男
一体オレは何をしてる?
ここは自分の居場所じゃないのにね
星をみること、水の味/池澤夏樹
この世界がきみのために存在するとおもってはいけない。世界は
きみを入れる容器ではない。
世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかる
ことなく、それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。
それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことをかんがえていない
かもしれない。
でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。
きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。
きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。
大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の
世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の
距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。
二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのは
ずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が
あがるだろう。
星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。
池澤夏樹『スティル・ライフ』
*
1988年に発表された芥川賞受賞作でもある作品の序文より。
今から20年程前の本からですが、今でも輝きを放つ文章だと
思います。
この作品を知ったのは僕が浪人生の頃。読んだのは大学一年の
時です。素敵な文章で、今でも僕は好きなんです。
溝の口 朝の交通事情
僕の住んでいるアパートの最寄り駅である
「溝の口」駅周辺では、最近ちょっとした
異変が起こっています。
それは、朝の交通渋滞が凄いのです。
以前なら、最寄のバス停から駅まで順調なら
10分くらいで着いていたのですが、今は
下手をすると雨降りでもないのに、20分
以上かかります。
特に駅に近づけば近づくほど、渋滞は
酷くなり、全然前に進まなくなります。
「どうしちゃったんだろう?」
ずっと疑問に思っていたのですが、ある朝、
親切なバスの運転手さんが、車内放送で
理由を教えてくれました。
駅前の信号機の青になる間隔が短くなった
ために、到着時間が遅れるとのことでした。
「なんでそんなことしたの~!」
と思わず心の中で叫びました。
多分、他の場所が凄い渋滞だった為に
それを解消しようとして、今度はこちらが
渋滞することになったのでしょう。
どこか出っ張っているところがあったので、
押してみたら、今度は別の所が飛び出して
しまった、そんな感じです。
*
信号機が短くなった時間は、多分30秒とか
それくらいかもしれませんが、そのたった
30秒が、多くの通勤者に多大な影響を
与えていると考えると、凄いものを感じます。
その為に僕みたいに早起きを決意した人間も
いれば、朝食を子供と一緒にとることを
飽きらめた人も中にはいるかもしれません。
ほんのちょっとしたことが、多くの人の人生に
多大な影響を与えるということがあるのですね。
*
最後に、この件でふと思い出したことがあります。
僕が中学生のころ、学校へ行くまでの通学路を
横切る形で大きな道路があったのですが、
その道路が4車線に拡張されました。
けれども、交差点には信号機はつかなかったのです。
通学路なのにです。(予算の関係と聞きました)
そのかわりに、300mほど(学校から)離れた
隣の交差点に1台設置されました。
別にそちらのほうが、交通量が多いというわけ
ではありません。どちらも同じよう交差点です。
けれども、その交差点の角には、当時
市会議員が住んでいる大きな家がありました。
通学路より、そちらに先に信号をつけるなんて
なにか見えない力を子供心に感じました。
学校やPTAの要望(圧力?)により、半年後には
通学路上にも信号機は設置されましたが、もしも
溝の口の交通渋滞に、見えない力が働いたのならば、
早く元に戻して欲しいです。
僕は溝の口の街がとても気に入っているのですが、
高層マンションも建設されてきて、少しずつ
違う街へと変貌していく気がちょっとします。

