あぶない年越し 4 父娘の晩酌 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日3話めの更新です!



2 微妙な問題


3 誰にも内緒



の続きです。








桃の話では、友達の同棲相手が急遽帰省を取りやめたので、桃の居場所がなくなったということだった。


他に行くあてもないし、ホテルも一杯だしと言われれば、仕方ない。



ただ、桃や千帆と暮らしてた頃と違って男の一人暮らしだ。手狭だし、部屋数も無い。



俺の寝室やベッドを貸すのはどうかと思うし(桜とも寝るベッドだぜ?)…



「もちろん、私、ソファでいいよ」



「あ、そう。じゃ、悪いけどそうして」



「お風呂入れる?お湯張ってくるね」



「あ、いいよ。やるよ」



「いいって」



「あ、じゃ、先入っていいよ」



「ありがとう。もう身体冷えきっちゃって」




桃が先に入り、交代で俺も風呂に入った。



風呂から上がると、桃が晩酌の用意をしてくれていた。



「飲むでしょ?色々買って来たの。乾杯しよ?」



テーブルに並んだつまみに見覚えがあった。千帆と晩酌するときに好んで食ってたものだ。



「バカ。お前未成年だろまだ」



「言うと思った」



桃が酎ハイの缶を持って、



「ノンアルでぇす」



って肩をすくめて微笑む。



風呂上りの艶っぽい千帆とよく似ていた。



千帆の思い出話をしたり、お互いの近況を報告し合ったりした。といっても、ほとんど桃が喋って俺は聞き役だった。



「ところで条くん、彼女は?」



……



無視して、ビールをあおり、つまみに箸を伸ばしたけど、絡みつくような視線は無視できなくて




「いるの?」



ああ」



パクッとつまみを口に放り込む。



「ふぅん」



桃が頬杖をついて唇を尖らせる。



「裏切り者」




まるで千帆に言われたみたいで…ドキッとした。



「私、まだ彼氏いないんだぞ」



「あ、そ」



「なのに、条くん早いよ」



空になったグラスを見つめる。



「もう一本あったっけな」



立ち上がって冷蔵庫から缶ビールを取り出した。



早いってか、千帆より前に桜とは付き合ってたわけでとか言っても仕方ないし、言う必要もない。



テーブルに戻り、プルトップを引いて、缶を開ける。



「あの人なの?」



ドボドボ……ビールの白い泡。



「ん?」



溢れそうになった泡を慌てて吸って、唇を拭う。



「ママを病院に連れてってくれて、私の答辞をママのために撮って見せてくれた



「ああ。うん。そう」



「やっぱり



桃は、はぁと肩を落としたかと思うと、いきなり俺のグラスを引っ掴んだ。



「あ!こらっ!」



桃は俺が止めるのも聞かずにビールを一気に飲み干して、ダン!と空のグラスをテーブルに置いた。



?」



こえーっ。目がすわってんだけど