あぶない年越し 3 誰にも内緒 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話めの更新です。


まだの人は、



2 微妙な問題



からどうぞニコニコ








そうなんだよ。微妙なんだよ。


桃は娘みたいなもんだけど、娘じゃない。


血は繋がってないし、法律上も他人だ。


だから、俺の部屋に桃を泊めるのには抵抗がある。



しかも、だ。


誰にも内緒だけど、桃は俺のベッドに勝手に潜り込んだことがある。


そして、誰にも言えないけど、その時俺は寝ぼけて千帆と間違えて桃にキス(しかもエッチな方)してしまった。



俺はたしかにスケベだけど、寝ぼけてなければ、桃にキスなんて絶対しなかったと言い切れる。


千帆を失ったあの頃、桜とは、まだよりを戻していなかった。だから、桜への愛や誠意とは関係なく、俺には桃を抱く意志が無かった。


それは、あの時も今も変わらない。



俺と桃の間に恋愛感情は、ない。



少なくとも、俺の方には。





健と宝と別れて、マンションに戻ると、エントランスにキャリーバッグを持った女が立っているのが見えた。



まさか



眉をひそめて、足を止める。



振り向いた女の顔がパッと輝いた。



「条くん!」



なんで、いんだよ。桃が。



「遅いよ条くん!」



「は?」



「今ちょうど電話しようかと思ってたとこ」



「何やってんのお前」



「お願い!条くん!」



桃はいきなり手を合わせた。


。嫌な予感



「今晩止めて?」



そら来た。



「は?友達は?友達んとこ泊まるって言ってたじゃん」



「それが色々あって



「色々って何?」



「あの話せば長くなるんだけどハッハックション!」



しばしの沈黙。



「とりあえず、上がれば?」



風邪でも引かれたら困る。