あぶない年越し 2 微妙な問題 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


お風呂に行くときは眠そうで気怠そうだったのに、上がってきたら、条くんは元気になってた。


さっそく私をベッドに引き込んで抱きしめてキスをしてなんかちょっと若い子みたいな性急さに戸惑う。



「条くん」



私は条くんの顔を両手で挟んでキスを止める。



なに?」



赤みをさした顔と、尖った喉仏が色っぽい。



元気だね」



だめ?」



って首を傾げる。



「だめじゃないけどさっき居眠りしてたじゃない」



「ああ」



「今日仕事納めなのに、帰り際に色々仕事頼まれて大変だったって言ってたでしょ?だから疲れて



「さっき寝たら元気になった」



って私の体に腰を押し付けてくる。



そうみたいだけど…//



条くんが私の手を取って、導いた。



お前のせいだから」



握らされて、赤くなって条くんを見返したら、




「なんとかしてよ」



って、いきなり激しいキスをされた。





***



「なるほど。ということは、昨日は仕事納め且つやり納めの日だったわけだな」



健に言われて、ブッとウィスキーを噴き出した。



マスターがお絞りを手渡してくれる。



「は?何聞いてたの?桜を今日空港まで送って行ったって話がなんでそうなるんだよ?」



お絞りで口を拭きながら隣の健を睨む。



「え?だって上野さん今日からしばらく沖縄なんでしょ?だったら昨夜やったんでしょ?で、今年はもうやれないんだからさ、やっぱ昨夜がやり納めじゃん」



健の右隣で宝がグラスを持ってニヤニヤしている。



「なぁ?宝、そうだよなぁ?」



健に肩を叩かれて、宝が頷く。



「まあ、そういうことだよね」



「宝っ!」



「いや、でも条くんの話の主旨はさ、やり納めじゃないと思うよ?」



「え?そうなの⁇」



「そうだよ!なんでやり納めを声高に主張しないといけないわけ?」



すると健が口の横に手を立てて、いきなり叫び出した。



「僕はーっゆうべーっ大好きな彼女とーっ今年最後のーっエッチをしまし



「未成年の主張じゃねーよっ!」



ペシッと頭を叩く。


「イテッ!」



「内容的にまずいでしょ」



って宝が笑う。



「あ、そっか。学校の屋上でそれはないよね」



「言ってろよお前ら」



俺はそっぽ向いて、ウィスキーをあおった。


すると宝が、


「大変だったね。条くん。上野さんを送ってったその足で桃ちゃん迎えに行ったんでしょ?」


って言った。



俺はすぐに振り向いて宝を見た。



「そうだよ!それ!俺が言いたかったのは、それ!」



さすが宝!



すると、



「ああ、なんだ。そっちか」



って健がとぼけた顔して笑った。



「愚痴ね」



「は?愚痴⁇」



「え?愚痴でしょ?女のためにあっちこっち駆けずり回らされて疲れたっていう愚痴」



そうか。愚痴か。俺はこいつらに愚痴りたくて飲みに誘ったのか



「で、桃ちゃんは?桃ちゃんの相手しなくていいの?」



「ああ。あいつ友達と飯食いに行ってそのまま友達んとこ泊まるって」



「あ、そうなんだ。え?こっちいる間ずっと?」



「そうなんじゃない?」



「お前、泊めてやらないの?」



……だってなんかそれ微妙じゃね?」



俺が言うと、健と宝が黙り込んだ。



しばらくして、



たしかに、微妙だ」



とふたりが同時にうなずいた。