あぶない年越し 5 彼女からの電話 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?



と、その時俺の携帯が鳴った。


ポケットから取り出して、見ると、桜からだった。


俺は再びポケットにしまった。



「出なくていいの?」



「あ?ああ」



「彼女じゃないの?」



……




だってなんかややこしそうじゃん?今、出たら。



向こうは俺ひとりだと思ってかけてきてるんだろうけど実際目の前には桃がいて今夜泊まることになっちゃったし



桃は千帆みたいな顔して、ジッと俺を見つめてる。ってか、睨みつけてる。





「お前、顔怖いよ」






「ママが乗り移った」





「は⁇」





「条くん、ひどい!」





「はあ⁇」




ポケットの中で携帯が鳴り続けている。





「彼女なんでしょ?出てあげなよ!」





「ああ!そっち?」




じゃ、出るか。



って携帯を取り出して通話ボタンを押した。




「もしもし」




携帯を耳にあてて、部屋を出ようと席を立った瞬間、桃が、




「浮気者‼︎



って叫んだ。






***



「う…わ、き、もの?」



女の人の声で、そう聞こえた。条くんの「もしもし」にキュンとした、そのすぐ後で。




「ばっか!おま何言って




慌てた条くんの声。お前って誰のこと?




「条くん?」



「ハイッ!」



ハイッ!ですって?


条くんが?私に?




「ごめんね?誰かと一緒?かけなおす?」




「ああああ、うんあ、いや




『条くん、早すぎるよーっ!』




「うるせーっ!黙ってろ!」




は、早すぎるって何の話?




『もっとちゃんとママのこと思ってやってよ〜』





桃ちゃんだ!





早すぎるって



もっとちゃんとママのこと思ってヤってって



いやいやいや!何考えてるんだ私!


あり得ないでしょ!私のバカ!エッチ!





「ごめん。桜。やっぱ、あとでかけ直す」




「ううん」






条くん、今、家?



あの桃ちゃんと一緒なの?



こんな時間に…



泊めてあげるの?






言いたくて、言えなくてでも、電話を切れなくて




黙っていると、




「ごめんな?じゃ、また後で」



って電話が切れた。



はぁ



あり得ない。



絶対あり得ないけど



じゃあ早すぎるって何のこと⁇



何が早すぎる?他に何が




ダメだ




もう!



私は自分の頭をポカポカ叩いた。



そんなわけないのに、それしか思いつかない自分がイヤ!