Shall We Dance ?
家庭をテーマに盛り込んで送るアメリカ番「シャル・ウィ・ダンス?」は妻の感じる浮気の疑惑や探偵などを全てをアメリカらしいまろやかで円満な心温まるストーリーにまとめ、観た後に幸せになれます。主人公ジョンは普通の家庭と仕事を持ち順調な人生のはずなのにどこか満たされないものを感じている。そんな彼が帰宅中にふと電車の窓から見上げたダンス教室の窓辺にたたずむ女性の寂しげな姿に惹かれ、思わす電車を降りてしまう。そして自分の足りなかった物を埋めるように社交ダンスの世界に魅せられていく。
ダンスのステップを刻み、その先にある恋のようで恋ではない中年らしい控えめな甘さをリチャード・ギアとジェニファー・ロペスが好演。強すぎない個性が薄く延ばしたチョコレートのように映画をスィートに包みます。そして個人的に竹中直人の役を演じたスタントリー・トゥッチに満足。竹中直人ばりにいやらしく個性的なラテンがクセになりそう。人生ってその年代年代に楽しみがあるもんだね。
品目:デザート
評価:★★★☆☆
【関連映画】
コックリさん
「ボイス」「友引忌」と続いてアン・ビョンギ監督は映画の中に気持ちの逃げ場を掘っている。サスペンスタッチの内容は事件をさぐるうちに幽霊がどのような思いから人を恨むようになったのか、という過去をめぐるドラマを後半に設ける事で洋画ホラーのように映画を観終わると怖さはプツリと切れてしまう。ハリウッドが単純さと明確さを求めるようにこれも文化の違いなのかもしれない。とはいえ話が進むにつれて真相が浮かび上がってくる構成は好きだし劇場にいる間は十分怖がらせてくれます。「ボイス」は最後のシーンが衝撃的だったし、「友引忌」は全体的にしっとりを誰かに見つめられているかのような空気がぞくぞく来る。「コックリさん」もまるで「呪怨」のように幽霊の手がどこからともなく生えてくるシーンが怖い。お化け屋敷のように内容よりも場面場面の怖さを楽しみたい人なら満足。内容に乗って気分が左右されてしまう人は注意。
P.S
最近子役について触れているのでここでも一言。最後に「ボイス」で霊に取り付かれた子供を演じた子がちょっと出てます。こうしてみると色んな子役がいるんだねぇ。
品目:メインディッシュ(夜中にトイレに行けるホラー)
評価:★★☆☆☆
【関連作品】
ブレイド3 トリニティ
初めて「ブレイド」を観た時には黒人らしい動きとリズム、カメラワークが一体となったアクションに感動した。俳優も「ブレイド」ではS・ドーフ、「ブレイド2」ではノーマン・リーダス、ロン・パールマン、ドニー・イェンという好きな人には好きそうな配役に。だが「ブレイド2」では映像アップの変わりに「ブレイド」のようなアクションを失い、「ブレイド3」ではもう純粋にアクションを楽しむ以外はマンネリ化してしまった。ヴァンパイアを完全にモンスターとして扱う事でヴァンパイア映画ならではの面白さがなくなっているしゴシックな色合いも「アンダーワールド」に負けてしまう。せめて脅かそうとするシーンも「バイオハザード」みたいにホラー要素を取り込めばいいのに中途半端で終わってしまう。
その代わり新メンバーのジェシカ・ビールとライアン・レイノルズの存在は大きい。様々な場面をかっさらい華麗なアクションとジョークを披露してくれるし、毎回登場する新しい武器もヴァンパイア・ハンター映画らしくそそられる。ウェズリー・スナイプス自信惚れ込んで3まできたブレイドシリーズがどう進化してきたのかはファンならばぜひとも映画館で自分の目で確かめてほしい。
P.S
最近ダコダ・ファニングやラクエル・カストロといった大人びた子役が目立つけどこの映画で久々に子供らしいかわいい女の子を観た気がした。でももしもそれが計算された子供らしい演技だったら怖いなぁ。う~ん。
品目:メインディッシュ
評価:★★☆☆☆
【関連作品】
マスク2
何かの映画で聞いた事のあるような特徴のある声のジェイミー・ケネディ主演。
前作と違うのは悪ノリとパワーアップしたコミカルさ。ジム・キャリーが引っ張っていた前作とは違いマスクという存在に引っ張りまわされかき回される今作はかなりのハイテンション。子供や犬が第二、第三の主役なところに「スパイ・キッズ」でおなじみのアラン・カミングが入る事でアニメっぽい、漫画的なノリが楽しめます。「スパイ・キッズ」や「スクービー・ドゥー」が好きな人は絶対楽しめるオヤツ感覚ムービー。ただし前作のようなマスクをかぶる事で違う自分を発見して・・・というドラマを観たい人の期待には答えられないかも。
それにしてもマスクをかぶった後のジェイミーがやたらとセクシー。世代の違いでプレスリーのよさは分からないんだけお、きっとかっこいいっていうのが納得できてしまいそうなほど。
P.S
余談だけどチャッキーも5で子供誕生。あっちはどうなんだろ。ハリウッドは今ベビーブーム!?
品目:オヤツ
評価:★★★☆☆
【関連映画】
友引忌
【関連作品】
ノーマンズ・ランド
当初ボスニア軍とセルビア軍との中間距離にあるどちらにも属さない塹壕で何かの理由により立ち往生してしまったボスニア・セルビア人の奇妙な友情関係を描いたドラマかと思っていた。けれど現実は違った。
「プライベート・ライアン」よりも明るいが「ボスニア」のように
塹壕から見える空は澄んでいる。
何の争いもないかのように晴れ渡っている。
気絶している間に地雷の上に寝かされた男は否応なしにその空を見つめるしかない。
そして出るに出られない負傷したボスニア兵とセルビア兵がいがみ合いながらも仕方なく彼のそばに座っている。
誰が起こしたとも誰が悪いのかも明確にならない現状をその二人が現しているようだ。
軍隊の出てこない戦争映画も珍しい。政治的背景の除いたら結局は戦争は人間のエゴの衝突でしかないのかもしれない。
この戦争の縮図でもあるかのような3人の息がユーモアにも含め青い空の下に広がっている。
ハイド・アンド・シーク
ホラーというよりはスリラー、「ホーティング」よりも「アザーズ」が好きな人向けの映画。ダコダ・ファニングとデ・ニーロ以外ほとんど配役がいないというシンプルな映画だけに2人の演技が映える。近年固定されてしまった気のするデ・ニーロの'らしい’演技もいいけどダコダ・ファニングが怖い。艶っぽい表情からしんみりとした雰囲気までホラーにピッタリなのだ。2人に挟まれ、擬人化した絶妙の`間'にじわじわと狂気がスクリーンに張り付いていく。
ただ残念なのは密室・少人数の良さを生かし切れなかった事。「ビロウ」「穴」など限られた空間・限られた人数で心理に迫ってくる映画はあるが、この作品は心理に届く前にビジュアルで固まってしまう。ぞくぞくとくる雰囲気が胸に伝わる前に役者が主導権を握り、怖さは役者の演技から伝わってくる。2人の演技があまりにも強くその網に純粋な恐怖が絡め取られてしまうのだ。
ある程度映画を観ていて「シークレット・ウィンドウ」をつまらないと思った人ならマンネリと感じてしまうだろう。
品目:前菜・デザート
評価:★★☆☆☆
クライム&ダイヤモンド
「トゥルー・ロマンス」で熱烈に印象を残し、いつの間にか影と共に髪も薄くなったクリスシャン・スレーターが何気に味も薄が後味いいさわやかな詐欺師を好演。
クライムの名から「ユージュアル・サスペクツ」みたいなひねったのを期待したがそこはさらりとかわされてドラマチックにテンポ良く粋にまとまっている。
クライムなのに主人公が銀行を襲うわけじゃないし、人を殺すわけじゃないし悪い奴に見えないのにでも取り囲む状況はクライムかなぁと思いつつ話の始まりはホテルのドアを出た瞬間殺し屋に銃を突きつけられたトコ。いきなりこんな場面に出くわして「パルプフィクション」「ロック・ストック~」的な、ランクを下げれば「ルージーダラーズ」的な時間の入れ替わり激しくそれでも見るうちにはまる映画かと思いきやそうでもない。
映画好きな殺し屋が何か話せと言うからそれまでの回想を語る。こっちが本題でそれがとてもいい話。殺し屋さん感動して涙々。ほかほかなオムレツにケチャップ付けて食べたようなほんわかした話である。
製作者や監督の映画好きって心が伝わってくる一本だ。ただ映画を好きになれば好きになるほど自分なりに「あーなればなー」と思うもので、ひとつだけ思うのは最後の手前のシーン。ここまで喜劇にするなら死ぬのは悪党だけにしとけば良かったのに。
品目:前菜
評価:★★★☆☆
NARC ナーク
レイ・リオッタでまず浮かぶ映画は「グッド・フェローズ」だった。あのギャング映画黄金時代(だとかってに思ってる)のデ・ニーロらに挟まれながらも一員を演じきった。そして個人的に一番好きなのが「フェニックス」。何とも言えない荒さがあるがそこを内容でカバーしいい意味での賭け好きなレオの役が光っていた。
ジェイソン・パトリックについては「スリーパーズ」と「スピード2」が記憶にある。前者は豪華な俳優陣の中で特に観た頃は名を知らなかったので埋もれて見え、後者ではしょぼさがけが残ってる。
この手の映画で事件の真相をあぶりだすまでをひねってウマイと思わせる映画もあるが、ナークはどんと構えて一直線に突き進む骨太な映画であり「フェイス」と対象的に荒く粗悪な男達が魅せる映画だ。ジェイソン・パトリックも文句ないし、普通は音楽が流れてなくて暗くなりがちなシーンもまるで気にならない。
見る前はデンゼル・ワシントンの「トレーニング・デイ」以来の傑作かと期待し確かにそれほどの重みはあった。ただ、しょっぱなから妙にまとわりつく違和感…。そう、レイが優しすぎるのだ。ひげをたくわえ体格にも人間的にも貫禄を増し、久々に観るレイはどんな男を演じるのだろうと期待で一杯だった。
事実その期待に応えるほどの演技を魅せつけてはくれたのだが優しいのだ。あの好青年の頃とかわりない瞳と声、同じ部屋内でジェイソンは椅子に座ってるのにレイは立っているシーンでそれがドッときた。映画の中ではほぼ対等の関係でもちろん内容的にもそうなのだが、期待したのは怪物じみた警官。どんな荒手を使っても強引に捜査を進めて獲物を捕まえる男を想像していたのでいささか残念だった。
…が、これはその優しい男ゆえのドラマであり暴力沙汰から怪物と呼ばれる男の裏にはその優しさが潜んでいる。そう思って観ると彼のこの事件への執着と犯人を挙げなければならない悲しいまでの優しさが伝わってくる。これは紛れもなく魂のこもった映画だ。
ちなみに監督ジョー・カーナハンの「ブラッド・ガッツ」のファーストシーンは絶品。今最も期待できる監督の一人。
品目:メインディッシュ
評価:★★★★☆
フェイス
女性監督が男の世界を描いた映画では近年「K-19」が思い浮かぶ。前半無駄に長く感じたが後半、特に最後にかけては重く確かにそれが描かれていた。この「フェイス」の監督アントニア・バードも女性監督だ。
「俺は今35歳だ。24までは堅気だった。もし、まともな職についていれば倍の金は稼げただろう」強盗犯フェイスのリーダーレイは最後のヤマとして仕事を成功させるが思ったより金が少ない。当然仲間から不満も出る。そしてその後金が奪われた。裏切りか?罠か?いったい誰が?苦悩する先に待っていた道は・・・。
そんな定番物をセンスの良さとうまく耳をつく音楽で上質な、一人一人が魅力的にうつる人間味あるドラマに仕立て上げた。誰もが金が必要で誰もが疑惑を持ち、そして誰もが友人なのだ。
「レザボア・ドッグス」と違う点はメンバーがみな友人であるという事。それ故に苦悩が生まれドラマが織りあがる。ストーレートであっさりと犯罪人の儚さや切なさを丹念につづっているが一つ残念なのはそれを描ききれなかった所。最後の手前まで褒め称える言葉で一杯になったのだがその最後を女がさらってしまった。
比較するジャンルが違うが「ゴッドファーザー」や「スカーフェイス」が名作と詠われるのはあの儚さゆえにだろう。「レザボア・ドッグス」に女が出てきたらあの映画はあそこまで良くなっただろうか?女が出るのが悪いと言ってるんじゃない。フェイスは映画の、主人公の男の儚さが、その人生が、生き様が女性のロマンティストに負けたのだ。その辺は女性の好む展開かもしれないがそこに男の美学は存在しない。もちろん監督の味なのだろうが終始いい映画だけに男の映画として観ると少し残念。
上質上品さよりも時としては粗悪で荒く泥臭い儚さを求めるものだ。だがそれでも心に残る1本になりえる映画だ。
品目:メインディッシュ 高めのデザート
評価:★★★★☆







