日本文化の盗用と歴史改ざんは許せません | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

フランスに本社があるUbiソフトが販売するアサシンクリードシリーズは、

 

私が好きなゲームの一つです。

プレイステーション3時代から遊んでいるゲームで、

 

プレイヤーはアサシン教団に属するアサシンとなり、

 

世界中の人々を支配しようとしているテンプル騎士団の野望を阻止するために、

 

重要人物の暗殺を行っていくゲームです。

 

これまでは主にヨーロッパが舞台で、史実に基づいた出来事が取り入れられ、

 

歴史上の人物も登場していました。

 

そのアサシンクリードの新作である

 

アサシンクリード シャドウズは日本が舞台と発表があり、

 

詳細が分かるまで、とても楽しみにしていました。

 

ところがこの新作が今、世界中で問題になっているのです。

 

いや大炎上中です。

 

 

事の起こりは、Ubiソフトが公開した発売前のプレイトレーラー(動画)。

これがツッコミどころ満載。

 

 

例えば、神社ではなく、村の入口に鳥居があったり。

 

 

桜が満開の中、田植えしていたり。

 

 

戦の最中でもないのに、村のあちこちや領主の城内に鎧姿の武士がいたり。

 

 

戦国時代の福知山なのに秋田犬が放し飼いになっていたり。

 

 

鎧姿の黒人を見た老婦人が「この地のものではないね」と穏やかに話していたり。

この時代の日本人は、白人や黒人は勿論、自分たちに容姿が近い

 

今の中国の明や朝鮮の人々を見る事すらなく、

 

いくら織田家の家紋が付いた鎧を身に着けていたとしても、

 

見たことのない人種を見たら鬼だ天狗だ物の怪だと驚き慌てるはずです。

 

当時の閉鎖された島国の日本の歴史を正確に理解できない

 

陸続きの国に住んでいる人が作ったからこそ起こった間違いでしょう。

 

 

ほかにも畳の形が四角形でおかしいとか総ツッコミが入っていますが…。

そもそも戦国の世に、こんな畳敷きの大広間があるはずがない。

 

戦になった時に備え、鎧姿の家臣が一堂に会せるような場所は板の間だったはず。

 

 

また日本と中国の違いも分かっていないのか、

 

中華風の建物があったり、日本で使われていない漢字が使われているなど、

 

沢山のおかしな部分があり、

 

日本人なら誰もが感じる違和感のある戦国時代について、

 

色々な方が突っ込んでいるのですが、問題はそこではないのです。

 

いや、それも問題かもしれませんが、

 

いわゆる日本をよく知らない外国人が作った作品ということで片づけてもいい話です。

 

 

上の写真の鎧をまとっている黒人の名前は弥助。

 

胴に織田木瓜の家紋が入っていて黒人、弥助とくれば、日本人なら誰しも

 

織田信長が気に入って私宅と鞘巻を与えたというあの弥助が浮かぶでしょう。

 

まさにその弥助がモデルとなっているのですが、

 

問題は弥助を黒人の侍として描いていること。

 

フィクションならそれでも良いですが、Ubiソフトは史実だと主張しているのです。

 

というのも、これまでのアサシンクリードは史実に忠実に作られていたからなのです。

 

彼らがこのおかしなゲームを史実だと主張する根拠は、

 

現在日本大学で准教授を務めるトーマス・ロックリー氏が書いた

 

「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」を挙げているようですが、

 

実際に読んだ人によると、ノンフィクションのはずなのに推測が多く、

 

一次資料で判明している部分もあるのに異なっている部分も多いそうです。

 

(注:英語版はGeoffrey Girard氏との共著の

 『African Samurai: The True Story of Yasuke, a Legendary Black Warrior in Feudal Japan』)

 

私も実際に読んでみようと思ったのですが、まだ入手できていません。

 

そして内容を聞いてしまうと、あまりにもトンデモ本のようで読む気が失せます。

 

推測や作者個人の感想がふんだんに入ったノンフィクションほど

 

タチの悪いものはないと思うからです。

 

 

私も推測で言ってしまうと、信長から鞘巻を与えられて帯刀を許され、

 

更に扶持を与えられて信長の側近くで使えていたとしても、

 

鞘巻は短刀ですし、気に入って留め置いた外国人が

 

生活の糧を得ることができないから扶持という形で金子を与え、

 

また黒人を見慣れない人々が驚き、

 

迫害などしないようにと私邸を与えて側に置いたのではないでしょうか。

 

鞘巻も記念品くらいの意味だったのではないでしょうか。

 

何故なら刀を与えて武士に取り立てたというのであれば、

 

信長から苗字を賜っていないことがおかしいのです。

 

この当時、普段は百姓として生活しつつ、地域を守った地侍もいましたが、

 

彼らも苗字帯刀を許されていました。

 

弥助については宣教師からの献上品という言葉もよく目にします。

 

信長は外国からやってきた献上品の弥助が珍しく、

 

言葉は悪いですがペットのような感覚で、

 

お気に入りの人物として側近くに置いただけとしか思えないのです。


珍しい人物を抱えているということは、信長の力の誇示にも一役買いますからね。

 

結局、彼について書かれているものは少なく、はっきり武士と明言されていません。

 

そこもまたおかしいな点ではあるのです。

 

自分たちと肌の色も容姿も違う異国人が、突然侍として取り立てられたら、

 

従来からの家臣と同じ武士という身分で信長に仕える事になるわけで、

 

古参の家臣団からは、羨望もやっかみもあったはす。

 

彼らがそんな大きな出来事を日記などに残さないわけがない。

 

そして新参者だとしても階級制である武士になったのであれば、

 

家臣団の一人として、はっきりと記録に残っているはずなのです。

 

周囲の家臣も信長が気まぐれで可愛がっているだけだろうと思っていたからこそ、

 

大した記録も残っていないのではないでしょうか。

 

鞘巻を賜ったイコール武士ではないからです。

 

だから、武士だったかもしれないという部分にロマンを感じ、

 

そこを広げてフィクションとしてゲームにするのなら良いのですが、

 

自分たちの方が正しく歴史を認識しており、このゲームは史実を元にしていると主張し、

 

日本人こそが歴史を知らないとばかりに攻撃的な物言いをするのが怖いのです。

 

若しくは日本人は黒人を差別しているから、史実である偉大な黒人の侍を

 

意図的に隠しているという論調に繋がって行くのが怖いのです。

 

事実、既にそういう意見が出ています。

 

 

そしてこの問題が話題になり始めると、

 

海外版の弥助のウィキペディアの弥助の彼の身分が「samurai」に書き換えられました。

 

これはUbiソフトがやっていることではないとは思いますが、

 

多くの人が目にするウィキペディアまで書き換えるのは、

 

歴史を改ざんしているようなものです。

 

他国の歴史を改ざんすることは、決して許されることでありません。

 

また日本人が人種差別をしているという話まで出てきますが、

 

Ubiソフトやウィキペディアを書き換えている人こそ

 

アジア人を蔑視していて、他国の歴史もよく調べずにゲームを作り、

 

間近いを指摘されたら自分たちが正しいと主張し、

 

歴史を改ざんするようなことをしてくるのでしょう。

 

 

更にUbiソフトが責められている要因の一つが、写真の無断盗用です。

 

問題となったコンセプトアートの一部。

この中に問題の箇所があります。

 

 

それは右端のこの部分。

拡大して見ると、「関ヶ原鉄砲隊」と書かれた旗を持っています。

 

関ヶ原鉄砲隊とは平成24年(2012年)に発足した

 

イベントなどで火縄銃演武をする団体のことです。

 

織田信長の…というか、弥助のいた時代にある訳がない。

 

つまり、誰かが撮った関ヶ原鉄砲隊の写真を盗用しているのです。

 

このことでも分かる通り、

 

他にも様々な写真を勝手に使っていることが既に判明しています。

 

そしてそれをネット上で追及されると、慌てて削除やサイレント修正をし、

 

謝罪は一切なし。

 

歴史的検証も考証もせず、外国人の目から見てそれらしく見える

 

ネット上の写真などを盗用して作っているからこそ、

 

おかしな世界感のゲームが出来上がってしまったのだと思います。

 

それを史実だと主張するのはおかしなことです。いや、無理です!

 

 

それらを認めて謝罪もせず、UbiソフトのCEOはこんな発言をしました。

 

One thing I am concerned about right now is the malicious and personal online attacks that have been directed at some of our team members and partners. I want to make it clear that we, at Ubisoft, condemn these hateful acts in the strongest possible terms, and I encourage the rest of the industry and players to denounce them, too. 

 

つまり、彼らがネット上で悪意のある個人攻撃を受けていることを懸念しており、

 

Ubiソフトとしては憎悪に満ちた行為に対し、

 

可能な限り強い言葉で非難すると書かれています。

 

更には業界の人間も賛同して一緒に非難しようと呼びかけているのです。

 

引用サイト:

 

自分たちの行いを振り返って反省も謝罪もせず、

 

都合の悪いことはなかったことにして、よくも被害者面で言えたものです。

 

また自分たちが適当に作ったゲームの内容を史実として押し通すなんて、

 

日本をバカにしているにもほどがあります。

 

そして間違いを指摘した人々を差別主義者だと断罪しているのです。

 

 

これに対し、ゲームの発売中止を求める署名が始まりました。

 

引用サイト:

 

当初はゆるやかに署名者数が増えていく感じでしたが、CEOの発言が出るや否や、

 

海外でも報道されたようで、海外からの署名も増え始めました。

 

「日本は好きではないけれど」と前置きして署名しているロシア人や、

 

いつもは日本を攻撃するような中国、韓国の人たちも署名をしてくれており、

 

あっと言う間に5万人に到達しそうな勢いです。

 

こんな署名をしたからと言って、ゲームの発売が中止されるとは思いません。

 

私も当初は嫌なら買わなきゃいいやと思っていたのですが、

 

Ubiソフト側のあまりにも日本をバカにした態度に我慢できなくなりました。

 

そしてこの案件は、日本にいたらあまり感じることがない、

 

一部の白人と黒人からのアジア人蔑視を痛烈に感じることができました。

 

ここで声を上げないと、彼らの言う歴史こそが日本の正しい歴史となり、

 

日本人は黒人の侍の活躍を意図的に隠した人種差別主義の民族だとなりかねません。

 

その危険も感じるから、

 

日本の皆さんや良識ある海外の皆さんが賛同して署名してくれているのです。

 

 

一企業の利益のために日本文化の盗用と日本の歴史改ざんは許せません。

 

その怒りが署名の人数を急速に増やしていることにUbiソフトは目を向けて頂き、

 

真摯に謝罪し、きちんとフィクションと明言してもらいたいものです。

 

 

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