2024年6月の読書記録 その3 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

室外機室 ちょめ短編集 ちょめ

電気トラブルで停車した新幹線に乗る女性が、

 

スマホに表示された「しつがいきしつ」というネットワークに気づき、

 

そこで公開されているタイトルをタップする。

 

この女性が読んだ漫画という設定で4編のお話が収録されています。

 

どれも日常と隣り合わせの少し不思議なお話でした。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

海が見える家 旅立ち はらだみずき

海が見える家 シリーズ第3弾。

 

南房総が大型台風の被害に遭ってから1年が経ち、

 

新たに新型コロナウイルスが蔓延。

 

文哉たちの生活だけでなく、別荘の人々にも様々な影響が出ていた。

 

畑や大切な人を失ったことで覇気を失くしてしまった文哉。

 

和海の勧めもあり、文哉は思い切って旅に出るのだった。

 

シリーズは完結しましたが、とっても良い終わり方だったと思います。

 

お勧め度:★★★ 5.0

 

 

ボロい東京 三浦展

東京の下町で撮った写真を、階段、扉、洗濯、車庫など、

 

テーマごとに古びた景色の写真が紹介されています。

 

見ていて面白いのですが、写真ばかりで説明はほぼなし。

 

せめてどのエリアで撮影したのかくらいは知りたかったと思いました。

 

またモノクロ写真ばかりなので、風情を感じる写真がある一方、

 

写真の風景がモノクロの中に沈んでしまい、

 

何を撮ったのかよく分からない写真もあって、少し残念でした。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

ミナトホテルの裏庭には 寺地はるな

祖父の友人の陽子が亡くなってから1年が経ち、

 

陽子が経営するミナトホテルの裏庭の鍵を探すため、

 

ミナトホテルを訪れた芯。

 

陽子の息子で骨折してしまった篤彦から鍵探しのほかに、

 

猫探しや受付のバイトをして欲しいと頼まれ、副業を探していた芯は承諾する。

 

祖父の友人たちのほか、

 

芯が勤めるミヤムラ総合経済研究所の同僚たちとの交流が描かれています。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

世界の危険思想 悪いやつらの頭の中 丸山ゴンザレス

裏社会の人、殺し屋、売春街の人々、麻薬の売人、マフィアなど、

 

悪いやつらの考え方などを探る本。

 

ゴンザレスさんが武器商人と交渉したり、

 

麻薬カルテルに取材がバレて深夜の訪問を受けたりと、

 

文章だけでも戦慄する出来事が書かれていました。

 

自分では実際に体験することが出来ない危険な取材を、

 

こうして本にして下さることは本当に有難いと思います。

 

見えていない世界が見え、色々なことを考えるきっかけになる一冊でした。

 

お勧め度:★★★ 5.0

 

 

未解決殺人クラブ 市民探偵たちの執念と正義の実録集 ニコラ・ストウ

世界初のサイバー探偵であるトッド・マシューズや、

 

Web探偵のトリシア・グリフィス、

 

黄金州の殺人鬼を捕まえることに尽力したミシェル・マクナマラ、

 

死者の複顔イメージを描くカール・コップルマンなど、

 

未解決事件や身元不明者、行方不明者を特定する

 

市民探偵の活躍を追ったノンフィクション。

 

警察が解決できない事件等、

 

僅かな手がかりや遺伝子系図を使って答えを導き出す様子に驚きました。

 

ただし、関係のない人物を犯人と考えて追い詰めてしまい、

 

その人物が自殺してしまったケースや、

 

ボストンマラソンの爆発事件の犯人捜しの際にも

 

憶測などから無実の人の家族を追い詰めてしまったりと、

 

怖い一面があることも知りました。

 

ページ数も多く、外国の文章だけに少し読みにくい部分がありましたが、

 

日本では考えられない市民探偵のことを知れて良かったです。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ 松岡圭祐

再読。

 

週刊角川の記者である小笠原悠斗は、

 

爆発的に増えた力士シールの謎を解明して記事にすべく、

 

万能鑑定士Qという看板を掲げた店へ、シールが貼られたガードレールを持ち込む。

 

そこにいた鑑定士は若く美しい凛田莉子。

 

彼女の鑑定眼に不安を覚えた時、別の客が持ち込んだものの鑑定の見事さに感嘆し、

 

力士シールの鑑定を依頼するのだった。

 

万能鑑定士シリーズの第1作。

 

莉子が万能鑑定士になるまでの経緯も盛り込まれ、

 

次の巻へと期待が上がる1冊です。

 

鑑定士でミステリーものとして「京都寺町三条のホームズ」も読みましたが、

 

全く面白くなく、このシリーズを引っ張り出してきて再読し始めました。

 

人物描写やミステリーとしても、こちらの方が上。

 

上というよりも、あちらはミステリーの体をなしていないので、

 

本格ミステリーを楽しみたいのであれば、こちらがお勧めです。

 

お勧め度:★★★ 5.0

 

 

はじめてのやせ筋トレ とがわ愛

おうちで出来るやせ筋トレをイラスト付きで紹介されています。

 

誰でもできる簡単な筋トレメニューなのが良かったです。

 

また筋トレをする際のコツ、間違った方法や筋トレまで載っていたので、

 

とても参考になりました。

 

手軽にできるストレッチも載っていたので、色々取り入れてみようと思いました。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

さくら動物病院 相戸結衣

さくら動物病院を開業した獣医師の桜小路美姫は、

 

遠距離恋愛していた相手に振られ、35歳で独身。

 

幼馴染であり、親友でもある春香の弟で、

 

病院を手伝ってくれているアルバイトの友弥とは割り切った関係を続けているが、

 

獣医学部の教授と外科の助教の結構式に参列したのを機に、

 

お見合いで結婚相手を探すことを考える。

 

日本ラブストーリー大賞の作品だそうですが、

 

一般的なラブストーリーというよりも少し捻った

 

打算的な女性の思惑と心の動きという感じでした。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

あの人が同窓会に来ない理由 はらだみずき

同窓会に出席した藤本宏樹は、

 

次の同窓会の幹事として指名された谷村吾朗からサポートをするよう指名を受け、

 

連続で幹事を引き受けている斉藤直美と3人で、

 

次の同窓会の出席率を上げるべく、不参加者へ参加を呼び掛けるほか、

 

連絡が取れなくなっている人気のあった同級生たちを探して出して、

 

出席してもらおうと奮闘する。

 

ミステリーではありませんが、人探しをしていく過程で、

 

過去のクラスメートたちの人間関係や知らなかった出来事を知ることに…。

 

彼らの奮闘を面白く思う一方、

 

当時のことを思い出したくなくて出席しない人もいると思うので、

 

執拗に現在の居所を突き止めて接触しようとする様子には共感できませんでした。

 

同窓会に喜んで出席する人は共感できそうだと思いました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

鎌倉うずまき案内所 青山美智子

現状の仕事に満足せず、転職を考えている早坂舜。

 

息子の進路に悩んでいる弘中綾子。

 

様々な時代の様々な悩みを持つ「はぐれた」人々が、

 

鎌倉の裏通りにある鎌倉うずまき案内所に迷い込み、

 

もらったヒントで、その後の人生に変化が起こる6編の連作。

 

1編ごとに段々と時代が遡っていきますが、

 

登場人物が繋がっていることも分かってきて面白いです。

 

物語の主人公でない人物も、別の人のお話の中に登場し、

 

過去を知ることができるので、謎解きや発見のような楽しさがありました。

 

また当時の世相や流行も出てきたので懐かしくなりました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

つけびの村 噂が5人を殺したのか? 高橋ユキ

ネタバレありです。

 

収監中の保見光成との面会についても書かれており、

 

報道されている妄想性障害が進行しているように思いました。

 

しかし、被害者の一人が保見を刃物で刺した刑事事件があったこと、

 

事件より前にあった別の被害者の家の風呂場の放火や

 

犬猫の薬殺の犯人は保見ではなくAの可能性があることなど、

 

色々な事実やうわさ話が出てきて、

 

ますます事件の背景が見えなくなりました。

 

著者の取材では村八分はなく、

 

保見が勝手に妄想を募らせて犯行に及んだという結論でした。

 

しかし、草刈り機を燃やされたという話は金峰周辺の地域から上がったものなので、

 

事件現場の金峰では当事者すぎるので言えないこともあるのではないかと思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5