2024年5月の読書記録 その2 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

2024年5月の読書記録の続きです。

 

 

あるかしら書店 ヨシタケシンスケ

色々な人が「〇〇についての本はあるかしら?」と訪ねてくると、

 

店主のおじさんがリクエストにぴったりの本を出してくれる

 

あるかしら書店のお話。

 

可愛いイラストにクスッと笑えるエッセンスが効いた絵本でした。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

希望の糸 東野圭吾

新潟の妻の実家に子供たちだけで里帰りさせ、

 

地震で子供たちを亡くした汐見行伸夫妻は、

 

新たな子供を作ることで希望を見出そうとする。

 

金沢で高級旅館「たつ芳」の女将を務める芳原亜矢子は、

 

死期が近い父の遺言書に、松宮脩平という見知らぬ名前を見付ける。

 

遺言書に名前が出てきた松宮は、

 

自由が丘で喫茶店を営む花塚弥生が殺害された事件の捜査に当たるが、

 

被害者の良い評判しか聞こえて来ず、捜査は難航する。

 

3つの話、そして過去と現在が交錯し、

 

最初はどう絡まっているのか分からない糸が、

 

ある時、するっと解けるような作品です。

 

脇役ですが東野さんの人気キャラクターの加賀恭一郎も登場。

 

加賀恭一郎シリーズとしては11作目のようです。

 

この作品が面白かったので、

 

シリーズを最初から読んでみたくなりました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂16 廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第16弾。

 

今作は、六条教授に対抗すべく、紅子が動き出す。

 

前作で六条教授の研究所が作った

 

似せ銭天堂の商品で不幸なってしまった客を救う紅子。

 

クリーングリーンティをもらい、そのことを紅子に教えた信太は、

 

のん君に負けたくないと言うのでいいものナゲット。

 

すっぴんビューティーをもらったひかりは、メイク・アップル。

 

うそつきチョコをもらった香枝は、ごまかしボーロ。

 

締め切りが守れず編集者から逃げ、

 

ゴーストトーストをもらいそうになっていた漫画家の博人は忍者ジンジャー。

 

六条教授の元愛弟子で、引きこもりになってしまった関ノ瀬はまねまねマネー。

 

ある職場に勤める矢作はデジタルト。

 

エピローグでは蔵木元弥が登場。

 

また新たな展開を予感させる終わり方でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂17 廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第17弾。

 

従弟にあげてしまった木馬を取り戻したい聖はとりあげもち。

 

いやしん坊のパパが悩みの香里奈はルールキャラメル。

 

夫にも断捨離の良さを分かってもらいたいすずえは断捨離だんご。

 

人のことを気にしてばかりいるのが嫌なはるはおおらか落花生。

 

注射が怖い勇信はいた板チョコ。

 

才能のある子を見つけたい芸能事務所のスカウトマンの元弥はスカウトまんじゅう。

 

今作では、過去に銭天堂で購入した不思議な駄菓子で力を得たことによって、

 

逆恨みをする人物が六条教授に協力しています。

 

紅子は大丈夫なのか…。

 

ハラハラするお話でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

シャッター切ってアジアを食す 三留理男

アジア、中でもタイやベトナムなどの東南アジアの食材を中心に、

 

その地域で食されている食材や料理を紹介している一冊。

 

トムヤム・クンや北京ダックなど、

 

日本人にも馴染みの料理も載っていましたが、

 

サゴヤシの幹のデンプンやネジレフサマメノキなど、

 

見たことも聞いたこともない食材も沢山載っていて興味深かったです。

 

個人的には水曜どうでしょうでも登場したジャックフルーツを熟読。

 

乾燥させたタネを粉末にして濾し袋に入れ、

 

熱湯を注いで抽出した液体はアイスコーヒーによく似ていて、

 

タイなどではオリャンという名前でよく飲まれていると知り、

 

とても気になりました。

 

また先月読んだ「朝鮮半島の食 韓国・北朝鮮の食卓が映し出すもの」

 

に寄稿されていた石毛直道氏の名前が出てきたのでびっくりしました。

 

楽しい本でしたが、惜しいのは説明文のページがモノクロだったこと。

 

写真だけはカラーにして欲しかったです。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

ひとり旅日和 秋川滝美

大学の指導教員・山敷の紹介で小宮山商店株式会社に入社し、

 

総務課2年目の梶倉日和。

 

家族から「人見知り女王」と言われる日和は電話の取次ぎも上手に出来ず、

 

係長の仙川から怒られる日々。

 

また縁故採用をした小宮山社長の悪口まで聞かされ落ち込む。

 

そんな日和を心配した小宮山から、一人旅に出てはどうかと勧められ、

 

同じ総務課の先輩で旅慣れている加賀麗佳に相談し、

 

初めての一人旅の行先を決めるのだった。

 

自分に自信がなく、不安を感じながらの一人旅に出掛ける心情や、

 

初めて見る景色の感想、自問自答しながら旅のプランを決めたり、

 

思わぬアクシデントに遭遇した時の迷いなども描かれており、

 

日和と一緒に旅をしている気持ちになりました。

 

また麗佳と日和の、女性同士で食事に行くと、

 

迷ってメニューをじっと見続けたり、のんびりデザートまで食事して、

 

食後も一緒に行動するのが嫌という会話に共感。

 

更に日和と蓮斗の、写経も納めないのに御朱印だけ集めるのは罰当たり

 

という会話にも大きくうなずきました。

 

女性同士ののんびりランチも、

 

スタンプラリー的に御朱印を集めることが目的で寺社仏閣を巡る人を

 

非難するつもりはありませんが、私はあまり好みではないので、

 

この作者さんとは価値観が近いのかも…と思い、

 

読んでいてますます面白くなりました。

 

今作は熱海、佐原、仙台、金沢、福岡が登場しました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

異世界おじさん 1~11

事故に遭い、17年間昏睡状態だったおじさんが意識を取り戻し、

 

ずっと異世界にいたと言い、謎の言語を話し出す。

 

驚きつつも、頭おかしくなったおじさんを切り捨てようとする

 

たかふみの目の前で、おじさんは呪文を唱えて物を浮かせてみせるのだった。

 

おじさんがの能力を使ってお金を稼いだり、

 

おじさんが映像で見せる異世界の話を楽しむたかふみ。

 

17年間の空白がある人がいきなり現代にやって来た

 

タイムトラベラー的なネタや、おじさんが大好きなセガネタ満載。

 

今、続きを楽しみにしている漫画の一つです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

流浪の月 凪良ゆう

我慢をしない母と、そんな母を許容する父の元で育った更紗。

 

周囲とは違う家庭環境と認識しつつも幸せに暮らしていたが、

 

父が亡くなり、母は家を出て行ってしまった。

 

更紗は母の姉の家で暮らし始めるが、中学生の従兄の行動や、

 

周囲に合わるために我慢をし続けることに苦痛を感じる。

 

公園にはいつも少女たちをじっと見つめる若い男がおり、

 

友人たちは警戒しているが、更紗は友人たちが帰った後に公園へ引き返し、

 

伯母の家に帰る時間を遅らせるために男の向かいのベンチで読書する。

 

そんなある日、男から声を掛けられ、

 

更紗は男の家へとついて行ってしまうのだった。

 

昨今でも時々ある未成年者略取事件を題材にしていますが、

 

更紗と文の間は性的なものを含まない不思議な関係性に描かれています。

 

ただ、やはり少し気持ち悪い。

 

更紗が従兄や亮の行動をきちんと訴えていれば、

 

状況は違ったのではないか…など、お話ながら色々と考えてしまいました。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

歴史を拓いた明治のドレス 吉原康和

明治天皇の后・美子皇后(昭憲皇太后)の大礼服の修復の様子や、

 

現存するほかの2着の大礼服について、

 

模様や仕立てなどが詳しく分析されています。

 

最初の大礼服はドイツ製だったそうですが、装飾品を含めた調達の苦労さ、

 

国産の大礼服へ移り変わてからの刺繍のデザインの変遷なども面白く、

 

また皇族や家族の女性が着用したドレスも載っていて、

 

見ているだけでため息が出ました。

 

ドレスの仕立てのことだけでなく、

 

皇后に洋装させるために奔走した伊藤博文の梅子夫人の話も初めて知りました。

 

現在の皇后・雅子さまに引き継がれている

 

ティアラについてなども解説されていて、とても興味深い本でした。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

ひとり旅日和 縁結び! 秋川滝美

ひとり旅日和の第2弾。

 

ひとり旅にも慣れて来た日和は、蓮斗との縁を確かめるために房総へ行ったり、

 

縁結びの神様の出雲などへも旅に出る。

 

蓮斗との縁も気になりますが、

 

今作では初めてレンタカーを利用する旅もありました。

 

日和の嫌な上司の仙川は車を全否定していましたし、

 

実際に車旅を否定する方もいるようですが、

 

公共交通機関が利用できない旅先も多いので、

 

日和の旅の手段に車が加わったことで、

 

今後は旅先の選択肢が広がったことが読者として嬉しいです。

 

前作も思いましたが、旅先のスポットの描写や

 

道中の日和の思いがよく掛かれており、

 

また食事の描写も丁寧で臨場感があるので面白いです。

 

次巻への期待も膨らみました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

荒野にヒバリをさがして アンソニー・マゴーワン

復活祭の休暇で退屈していたニッキーと兄のケニーは、

 

父の勧めでヒバリを見にノース・ヨーク・ムーア国立公園にやってきた。

 

しかし季節外れの雪のため、思いもかけぬことになってしまう。

 

日本ではこちらが先に出版されていますが、

 

「アナグマの森へ」の数年後のお話のようです。

 

「アナグマの森へ」で登場した愛犬のティナも

 

ハイキングの同行者になります。

 

2020年のカーネギー賞を受賞した作品だそうで、

 

読了後にほかの方の感想も少し見たのですが、

 

みなさん「感動」と書かれていましたが、

 

私はそこまでではありませんでした。

 

父親のダメさや知的障害のあるケニーの世話を

 

ニッキーが一手に引き受けている様子が切なすぎて、

 

またアクシデントの描写を読むのが辛かったです。

 

ケニーが知的障害があるという設定なので仕方ないのかもしれませんが…。

 

イギリスで全4冊のシリーズで、今作が4作目になるそうですが、

 

日本ではまだ2冊しか出版されていません。

 

続きが刊行されるのか気になりました。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

卒業 東野圭吾

国立T大に通う相原沙都子、加賀恭一郎、藤堂正彦、牧村祥子、

 

金井波香、若生勇、井沢華江は県立R高校からの友人。

 

前日、体の調子が悪いと二講目で帰宅した祥子の部屋を訪れた沙都子と波香は、

 

左腕を洗面器に入れて死亡している祥子を発見。

 

沙都子と波香は祥子が自殺するとは思えず、彼女について調べ始める。

 

のちに続く加賀恭一郎シリーズの一作目の本作は、

 

探偵役が沙都子と加賀の二本立てになっている感じです。

 

お茶会の雪月花之式が難しく、図を見ながら読み直して理解しました。

 

トリックは納得できましたが、真相を突き止めた後の結末が残念でした。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂18 廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第18弾。

 

今作は新商品猫会議で良いアイデアが出ず、

 

紅子が過去を振り返って幸運の招き猫たちに昔の商品の話をします。

 

刀を打ちたい戦国時代の甚六は妖刀糖。

 

わがままで食事をきちんととらない若君に困っている江戸時代初期の左衛門は舌鼓。

 

好きな役者の顔を写し取るように絵にしたい江戸時代中期のおみつは写し柿。

 

奉公先で家族を恋しく思っている大正時代の妙子は夢あめ。

 

捕まえたクモを強くして勝負に勝ちたい昭和の中頃の俊郎は育て手。

 

友達の家のように贅沢をしたいバブル期の小夜子は景気ケーキ。

 

紅子と墨丸の出会いや銭天堂を構えるお話もあり、

 

紅子の歴史が見えて面白かったです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

ひとり旅日和 運開き! 秋川滝美

ひとり旅日和の第3弾。

 

新型コロナウイルスの流行で不要不急の外出が制限されている時期のお話のため、

 

旅に出ることへの葛藤なども描かれています。

 

そんな中、旅についての相談が先輩の麗佳ではなく、

 

蓮斗にすることが多くなった日和。

 

二人の仲が進展するのかも気になりました。

 

また今作は宇都宮、奥入瀬、小坂町など、

 

私がよく知っている場所が登場するので、

 

そうそうと頷きつつ読みました。

 

今更ですが、鳶田ハジメさんのカバーイラストが可愛らしく、

 

またお料理はとっても美味しそうに描かれているので、

 

それもまたこの作品の魅力をアップしてくれていると思いました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0