4月の読書記録の続きです。
デッドデッドデーモンズデデテデストラクション 5巻~12巻 浅野いにお
再読。
東京上空に現れた侵略者の乗る母艦により、
人類滅亡へと時計の針が進むことを知らない市民たち。
非日常が日常になった世界で、
何も知らずに生きる小山門出と中川凰蘭を中心とする友人たちや、
時計の針が進んだ世界で生きる人々を描いたデストピア青春譜。
先月の続きで5巻から読み返しました。
いよいよ来月、映画の後章が公開予定なので、そちらも楽しみです。
お勧め度:★★★★★ 5.0
やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち なかやみわ
「いろよし!」「つやよし!」「かたちよし!」の3つの「よし!」が揃い、
合格シールを貼ってもらって出荷されるために、
なす先生の学校に通う野菜の子供たち。
頭のところの緑が赤くなったら出荷されると聞いたとまとちゃんが、
赤くなるために頑張るお話。
中々赤くならず、友達と喧嘩してしまうとまとちゃんの気持ちや、
とまとちゃんのために奮闘する仲間の気持ちが心を温かくしてくれました。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる なかやみわ
授業中に居眠りしているピーマンくんを起こしてくれていた
はくさいくんが合格シールを貼られて運ばれ行き、
自分も頑張ろうと奮起するピーマンくん。
夢で見た黄色や赤のピーマンになりたいと思いつつも、
いねむりはやめられず…。
ピーマンくんの可愛い勘違いが面白かったです。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
やさいのがっこう キャベツくん おはなになる? なかやみわ
色々なことを知りたいキャベツくんは、いつも本を読んでいますが、
ある日、青虫はキャベツが大好物だと知ってしまい、
青虫対策を始めるキャベツくん。
そして更に、ある事実を知ってしまう…。
キャベツのことも自然に学べる絵本でした。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
もう別れてもいいですか 垣谷美雨
高校時代の同級姓の雅代から喪中ハガキが届いた。
亡くなったのは親ではなく、雅代の夫と知り、
羨ましいと思ってしまった澄子。
数年前に父が亡くなってから、明るくなった母のことも思い、夫
から解放されるためには夫の死を待つのではなく、離婚しかないと思う。
しかし、自分のパートの稼ぎだけでは暮らしていけそうもなく、
一人で世間を渡っていく度胸もない澄子は、
思い悩むものの行動に移すことができず…。
世の中高年の既婚女性の多くが考えたり共感できるテーマだと思いました。
澄子はどうなっていくのか。
展開を期待しつつも、澄子の心の変化や揺り戻しも
リアリティがあって面白かったです。
この作品は章立てになっておらず、お話や場面が変わる時は数行空けただけで、
すぐに次のお話になっていくので、構えることなく澄子の行動や気持ちに
すっと寄り添う感じで読むことが出来ました。
澄子と夫とのことを気にしつつ読み進めましたが、
澄子の娘の洋輔の今後も見届けたかったです。
お勧め度:★★★★★ 5.0
世界一美しい透明スイーツレシピ tomei 透明愛好家
フルーツやタルトなど、色々なものと組み合わせたゼリーケーキや、
ゼリーやグミを使ったソーダ、
カラフルなゼリーポンチのレシピが沢山載っていました。
基本のゼリーレシピのほか、
使う材料や調理器具なども写真付きで乗っていたので分かりやすかったです。
これから暑い季節になるので、
簡単なカラフルなゼリーを作って楽しもうと思いました。
お勧め度:★★★★★ 4.5
サンタのおばさん 東野圭吾
フィンランドのある村で開催されるサンタ協会の会議に向かう
イタリア支部のサンタは、
地図を見ながら歩いていた女性も会議に向かうと知り、一緒に向かう。
会議では引退する会長の後任を決めるべく話し合いが始まる。
人種や性別などに囚われてはいけないというテーマの絵本だと思いますが、
では何故タイトルに性別、
しかもある年齢層を想起させる「おばさん」と付けたのかと思いました。
また最後の3行は必要だったのかと疑問に思いました。
杉田比呂美さんのイラストは可愛らしく、
巻末の各国のサンタの休日の様子が描かれていたのも良かったです。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
朝鮮半島の食 韓国・北朝鮮の食卓が映し出すもの 食の文化フォーラム
守屋亜記子
朝鮮半島の食の歴史や変遷について書かれている本。
「宮廷女官チャングムの誓い」を見たばかりだったので、
韓国宮廷料理の章がとても面白かったです。
また宮廷料理とは別に、市民の食について、海外からの影響などもよく分かり、
日本と同じように欧米化や米食が減っている事が興味深かったです。
ただ、この本は守屋さんという方がお一人で書いている訳ではなく、
沢山の方が寄稿している形なので、とても読みにくい文章があったり、
同じ事を繰り返しているだけのものもあったりして、
中々読み進められない部分もありました。
また1981年に味の素株式会社の主催で開催された
「食のシンポジウム’81 東アジアの食の文化」を土台としているようなので、
内輪の話や味の素についての賞賛が度々出てきたので、少し辟易してしまいました。
お勧め度:★★★☆☆ 3.0
江戸の図譜 魚 狩野博幸
狩野探幽や伊藤若冲をはじめ、
江戸期の本草者や画家が描いた魚に関する図譜を集めた一冊。
現代の図鑑に載せても遜色がないほど見事に描かれた図譜やがある一方、
想像で描いてしまった人がいたり、
実在しない人魚まで描かれているものもあって面白かったです。
シーボルトに認められてヨーロッパで紹介されたという
栗本丹洲の『栗氏魚譜』がとても見事で、本物を見てみたくなりました。
お勧め度:★★★★★ 5.0
人面瘡探偵 中山七里
古畑相続鑑定で相続鑑定士をしている三津木六兵は、
信州随一の山林王と言われる本城家の遺産分割協議のために
佐久間町へとやって来た。
本城グループの業績は思わしくなく、山林の資産価値も低いと思われたが、
三津木のある発見により、資産価値が跳ね上がる可能性が出てきた。
そんな矢先、事件が起こる。
お話は横溝正史の金田一耕助シリーズ的な感じで、予想した展開と結末でした。
ただ、主人公の三津木の肩に人面瘡があり、
探偵の相棒が人面瘡の「ジンさん」というのが変わっていて面白かったです。
さすがにこのお話で
中山七里さんの代名詞のどんでん返しはないだろうと思いましたが、
意外なところで驚かされました。
流石は中山七里です。
お勧め度:★★★★★ 4.5
祈りのカルテ 知念実希人
純正医大付属病院で2年間の初期研修中の研修医・諏訪野良太。
精神科では定期的に睡眠薬を多量服用して救急車で搬送されてくる山野瑠香、
外科では内視鏡手術を突如拒否し始めた近藤玄三など、
一筋縄ではいかない患者に向き合い、
患者が抱える問題を見つけ出し、適切な治療へと導く。
医療ものですが、謎解き要素もあり、
また短編の連作なので読みやすかったです。
ただ、喘息で入院している姫子に関しては、
その程度のヒントで該当の人物に行きつくだろうかという疑問も残りました。
お勧め度:★★★★☆ 4.0
雨宮さん あらゐけいいち
「好き」なものが色々ある雨宮さん。
それを共有できる人を探したいけれど、拒絶されてしまうことが怖くて、
正直な気持ちを表に出せない日々。
転校した学校には、ちょっと変わった人が多く、
素の自分を晒すのかと思いきや…。
「好き」を大切にして生きるのっていいなぁと思う作品でした。
2巻も既に購入済みなので、続きが楽しみです。
お勧め度:★★★★★ 4.5
日本ガチャガチャクロニクル 杉村典行
ガチャガチャがアメリカから入って来た経緯や、
日本での変遷などがよく分かりました。
日本からアメリカへガチャガチャの中身のおもちゃを輸出していたものの、
日本に上陸した際は香港製のおもちゃだったこと、
国産化は機械からだったことなど、知らないことばかりで面白かったです。
1960年代のおもちゃから収録されているので、
段々と精巧なものへと進化していく様子も面白かったです。
またキャラクターやアイドルがプリントされたライターも
ガチャガチャの定番だった時期があるとは知らずに驚きました。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
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