2023年11月の読書記録の続きです。
Let's ゆるポタライフ こいしゆうか
自転車初心者の著者が、自転車を選ぶことから始まり、
ポタリングを楽しむ様子を綴ったエッセイ。
今住んでいる地域は車の交通量も多く、
自転車の走行レーンがあっても路上駐車や道路幅の関係で走れないことも多く、
怖くて自転車に乗らなくなってしまいましたが、
この本を読んだら久しぶりにポタリングに出掛けたくなりました。
お勧め度:★★★☆☆ 3
お弔いの現場人 ルポ葬儀とその周辺を見にいく 朝山実
死んでからお世話になることに携わっている方たちのお仕事や、
その方たちがどうしてそのお仕事に就いたのかなどを綴ったルポルタージュ。
その業界の一般的な方たちではなく、
亡くなったお母さんが使っていたベッドでお仏壇を作った方や、
遺品整理を請け負う会社の社長さん、霊柩車を製造販売している方など、
少し変わった方を取り上げられていたので、
その方々のお話も興味深かったのですが、
火葬後のお骨を関東では全部骨壺に入れるのに対し、
関西では一部だけということや、
火葬の際、関西では火を点けるポタンを遺族の誰かが代表して行うなど、
東西の文化や習慣の違いも記されており、初めて知る事も多く面白かったです。
お勧め度:★★★★★ 4.5
探偵さえいなければ 東川篤哉
関東某所にあるという烏賊川市で起こる事件を、
色々な探偵役が解決するライトミステリー。
烏賊川市シリーズの7作目だそうですが、
私はこの作品から読んでしまい、関係性の分からない人もいましたが、
1話解決なので、あまり気になりませんでした。
それよりも、トリックのお粗末さが気になりました。
お勧め度:★★★★☆ 3.5
足場職人田中くんのウクライナひとり旅 小栗工門
宇都宮で暮らす足場職人の田中守(38)。
地元のパブで出会って結婚を約束したものの、
母国に帰郷してしまったダーナに1年振りで会うために
ウクライナへと一人旅に出掛ける。
旅の途中で出会う人々との交流や、
ダーナや彼女が連れて来た人々とのウクライナ観光など、
旅行記風に書かれており、途中で守とダーナの関係性がよく見えてきます。
いわゆる「ジャパゆきさん」で来日し、
一族の生活を支えるためにと父親よりも年上の日本人男性と結婚し、
若干、夫のことを憎みつつ生活しているママ友さんがいたので、
ダーナが彼女の境遇と重なり、読んでいて色々考えてしまい、少し辛くなりました。
お勧め度:★★★☆☆ 3
越後毒消し売りの女たち 角海浜消えた美人村を追う旅 桑野淳一
越後の毒消しを日本各地に売り歩いた角海浜の美しい女たち。
その女たちの容貌は評判となり、
角海浜は日本一の美人村と言われていたが、既に廃村となり久しい。
著者は毒消し売りの美人村について知るために現地へと趣き、
近くの村落の人々と交流しつつ、
角海浜や周辺地域のルーツも探っていく紀行もの。
私は毒消し売りという商いを知らなかったので、
重い荷物を背負った女性が徒歩で群馬県との県境の三国峠を越えて、
関東をはじめとする各地へ行商に出掛けていたという事実を
興味深く読みました。
またこの地域の歴史も深く掘り下げており、勉強になりました。
ただ、実際に毒消し売りをされていた女性の体験談に
もう少しページを割いて欲しかったと思いました。
お勧め度:★★★☆☆ 3
クララ白書 氷室冴子
再読。
父の急な転勤により、中等科3年の進級と共に
クララ舎と名付けられた寄宿舎に入舎したしーのこと桂木しのぶ。
中等科生徒会で書記も務める学内で有名人の彼女も、
寄宿では新入りのため、同時期に入舎した佐倉菊花、紺野蒔子と共に、
3年生部会が出した、真夜中に食道の食糧庫に侵入し、
舎生と舎監シスターを含む人数分のドーナツを揚げる課題に取り組むことになる。
クララ舎の舎生たちのほか、
高等科のアグネス舎の先輩たちとの日々が綴られ、
甘く楽しいしーのの中学時代が楽しめるお話です。
先月読んだ嵯峨景子さんの「氷室冴子とその時代」に触発されての再読でしたが、
久しぶりの氷室作品は、時を経ても面白く、
私もこんな中学、高校時代を過ごしてみたかった…
と思いつつ読んだ昔を思い出し、懐かしくなりました。
お勧め度:★★★★★ 5
スペアタウン~つくろう自分だけの予備の街~ 清野とおる
漫画家・清野とおるさんが、愛するホームタウンの赤羽に、
何らかの事情で住めなくなった時に備え、
すぐに次に住める街=スペアタウンを求めて
色々な街を探訪する紀行漫画です。
もしもこの街に住んだら…という目線で探訪する様子が面白かったです。
お勧め度:★★★★☆ 4
レモンと殺人鬼 くわがきあゆ
派遣会社から事務職員として私立大学に派遣されている小林美桜。
彼女の妹・妃奈が殺され、妃奈の部屋の整理をした後、職場に復帰する。
小林家の父親は、十年前に通り魔に遭って殺害されており、
当時少年だった犯人が出所したと、妃奈から聞いたばかりだった。
犯人が分かったかと思うと、そこからまた展開し、
最後まで息を尽かせぬ感じでした。
お話の本筋とは関係ありませんが、
173ページで金田が「俺は金田に忠告したんだが」と言っていましたが、
正しくは「一星に忠告した」でしょう。
私が読んだのは第1刷だったので、
第2刷以降は直っているのでしょうか?
このミステリーがすごい!大賞を受賞するような作品にも、
こういうミスがあるものかと、面白く思いました。
お勧め度:★★★★★ 4.5
出かけ親 4 吉田戦車
漫画家・吉田戦車さんのお散歩エッセイ漫画第4弾。
コロナ禍の行動制限緩和でお出かけも増え、
色々なところで美味しいものを食べたり、
お嬢さんのお弁当作りに奮闘する日常が綴られています。
お嬢さんが大きくなったことにも驚きましたが、
私も先生のように色々考えてお弁当作りをしていたら、
もっとお弁当作りが楽しかったかも…と思いました。
そして私もお蕎麦や昭和の懐かしい味のラーメンが食べたくなりました。
お勧め度:★★★★☆ 4
オーストラリアで大の字 小栗左多里&トニー・ラズロ
漫画家・小栗左多里さんとパートナーのトニーさんがオーストラリアを旅して、
色々なアクティビティをしたり、現地の生活を体験したりする紀行漫画です。
先月書いた通り、間違って復刊本を買ってしまったのですが、
良い機会だからと再読しました。
情報は少し古いものかもしれませんが、
普通のツアーでは見聞きできないようなことも載っているので、
改めて面白いと思いつつ読みました。
お勧め度:★★★★☆ 4
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