2023年11月の読書記録 その1 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

11月はエッセイ漫画込みで20冊読みました。

 

今月は出版して日がまだ浅い新しい本をよく読んだように思います。

 

 

RE-START 犬と森の中で生活して得た幸せ 鈴井貴之

水曜どうでしょうのミスターとしてもお馴染みの鈴井さんのエッセイ。

 

鈴井さんの愛犬・ネイマールくんの目線で鈴井さんの生活が語られており、

 

途中に鈴井さん自身の言葉が挿入される形で、

 

森での生活や愛犬たちについて書かれています。

 

水曜どうでしょうに関することも語られていて、

 

ファンとしてはそこも当然良かったのですが、

 

日々の生活でのご苦労や、

 

考え方の変遷なども知ることができて興味深かったです。

 

叶うなら、鈴井さんとゆっくりお話ししてみたいです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

竜巻ガール 垣谷美雨

垣谷さんのデビュー作。

 

父の再婚により、突然同級生の義妹・涼子が出来た哲夫。

 

軽トラックから降りて来た義妹はガングロの女子高生だった。

 

慣れない家族4人の生活がスタートし、哲夫の生活に変化が訪れる。

 

物語は突然、意外な方向へ展開し、驚きました。

 

表題の作品のほか、浮気性で詐欺師の父親と離婚したい母親を持つ

 

広幸に起こる出来事を描いた「旋風マザー」、

 

会社の上司・菅原昭夫と不倫旅行に出かけ、

 

思わぬ出来事に遭遇する由布子を描いた「渦潮ウーマン」、

 

中国人の夫・朱黄河へ届いた謎の手紙を発見し、

 

そこから疑問を感じ始めた今日子を描いた「霧中ワイフ」

 

の3編も収録されています。

 

個人的には「旋風マザー」が一番面白く、

 

「霧中ワイフ」、「渦潮ウーマン」、「竜巻ガール」の順でした。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

日本懐かし観光大全 古き良きあの頃の風景昭和の日本一周の旅へ 山田孝之

昭和期の観光でもらった観光地やホテルのパンフレット、

 

ロープウェイのチケットなどのほか、

 

お土産の定番だった絵葉書、武骨な金属製のキーホルダーやペナントなどなど、

 

懐かしいものがジャンルごとに沢山載っています。

 

手書きのレタリングと思われるフォントや、

 

時代を感じるイラストは、懐かしく感じると共に目新しさもあり、

 

不思議な気分になりつつ楽しみました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

お探し物は図書室まで 青山美智子

総合スーパーのエデンの婦人服売り場で働く21歳の朋花。

 

いつか雑貨屋を開きたいと思いつつ、

 

家具メーカーの経理部で働く35歳の諒。

 

産休明けで出社すると資料室に移動になってしまった

 

元雑誌編集者で40歳の夏美。

 

イラストレーターを目指していたものの、

 

自分に合う仕事がなくニート生活をしている30歳の浩弥。

 

定年退職したものの趣味もなく、

 

社会から認識されていないと感じている65歳の正雄。

 

人生に悩みむ5人が様々なきっかけで

 

小学校に併設されている羽鳥コミュニティハウスの図書室へ行き、

 

司書の小町さんからお薦めの本のリストと

 

本の付録として小町さん手作りの羊毛フェルトをもらう。

 

リストの最後にはリクエストとは全く関係ないように思われる本が入っているが、

 

その本を読むことがきっかけとなり…。

 

小町さんが実際にいたら、私もお薦めの本を選んで欲しいと思いました。

 

そして桐山くんにも会ってみたいと思いました。

 

また5編のお話ですが、少しずつ繋がっているところも良かったです。

 

今年読んだ本の中では、一番好きな作品になりました。

 

いや、今年はまだあと1か月あります。

 

この本を超えるお気に入りの作品に出えるのかも楽しみです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

スマホアプリはなぜ無料? 10代からのマーケティング入門

  14歳の世渡り術  松本健太郎

何故スマホアプリは無料で使えるのかというビジネスモデルだけでなく、

 

マーケティング、経済行動学、ミクロ経済などについても触れられています。

 

14歳に向けている本なので文章も柔らかく、

 

身近なことに置き換えた例えなども多いため、とても分かりやすく、

 

経済の入門編として良い一冊だと思いました。

 

私自身、人様に口頭で説明するのは難しく思う程度の理解度だった

 

フリーミアムやナッジ、スラッジもきちんと理解できて良かったです。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

去年の冬、きみと別れ 中村文則

ライターの「僕」が、死刑囚の木原坂雄大についての本を書くために、

 

木原へ面会するために拘置所へ行く。

 

更に木原坂の友人や姉などの関係者とも接触するが、

 

いずれも奇妙な言動をする人々だった。

 

作者の後書きによると献辞以外にも色々仕掛けがあるそうですが、

 

「僕」を描いた文章に木原坂からの一方的な手紙や資料が入り込み、

 

なんとも読みにくい作品だったため、読み返そうとは思えませんでした。

 

数年前に映画化もされており、

 

読む前は原作を読んだら映画も見てみようと思っていましたが、

 

映画は見なくてもいいかなと思う程度の作品でした。

 

お勧め度:★☆☆☆☆ 0.5

 

 

源氏物語を楽しむための王朝貴族入門 繁田信一

源氏物語で描かれている宮廷と、

 

実際の宮廷との違いを分かりやすく解説した一冊。

 

源氏物語だけに拘っておらず、

 

天皇の一日や食事、当時の皇子や皇女の生活や結婚など、

 

天皇や皇族の暮らしについても詳しく書かれているほか、

 

貴族の官位などについてもページが割かれています。

 

解説物は堅苦しくなりがちですが、この本はとても読みやすく、

 

源氏物語のどの部分がフィクションになっているのかもよく分かり、

 

とても面白かったです。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

怪談双子宿 拝み屋備忘録 郷内心瞳

東北地方で拝み屋をしている著者が自分で経験した体験談や、

 

人から聞いた不可思議体験が詰まった一冊。

 

実話会談なので、怪異だけ記されてあっさり終わっているものもありますが、

 

だからこそ、実体験という感じがしました。

 

著者が体験されたテレビ局や、その近くの橋の話、

 

また青森や盛岡の怪異の場所は、私も知っている場所だったので、

 

とても身近に感じて、よりゾッとしました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

チーム紫式部! 楠木誠一郎

紫式部になる前の藤原香子と藤原道長との出会いや初恋、

 

親の決めた結婚と宮廷への出仕、そして源氏物語の執筆までを、

 

香子がイマドキの言葉で語っています。

 

フィクションなので、想像で描かれた部分も多いと思いますが、

 

当時の方角や時刻、

 

貴族の官位などについても分かりやすい説明がまとめられており、

 

また源氏物語のあらすじも載っており、

 

古典に親しむための入門編としては良いと思いました。

 

オリジナルの部分も面白かったです。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

プリズン・ドクター おおたわ史絵

刑務所で受刑者を診療する法務省矯正局医師のおおたわさんのエッセイ。

 

私の知らない塀の中の医療現場を、数多くの経験も交えて書かれており、

 

とても興味深い内容でした。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

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