東京散歩・東京都立蘆花恒春園 その1 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

江口寿史展 ノット・コンプリーテッドを見た後、

 

少し南に足を延ばして、蘆花恒春園へ行きました。

一般的に芦花公園と言われているのはこちらです。

 

 

公園の北側に位置している正門から見ると、緑豊かな園内が見えます。

庭園を思わせるような入口です。

 

 

園内にはいってすぐの場所に徳富蘆花旧宅という石碑がありました。

この公園は「不如帰」などを書いた明治・大正期の文豪・徳富蘆花が、

 

明治40年(1907年)から亡くなる昭和2年(1927年)まで住んだ

 

旧宅が、そのまま都立公園になっています。

 

 

入口近くのサービスセンターの窓口の前にはどんぐりが置いてありました。

煮沸済みという有難い配慮。

 

これからの季節、クリスマスリースの飾りなどにも使えますね。

 

 

サービスセンターのお向かいは立派な竹林。

この日は秋なのにまだ夏日だったため、

 

竹やぶから吹いて来る風がとても涼しくて気持ち良かったです。

 

 

まずは蘆花記念館を見学しました。

内部は写真撮影していいのかどうか分からなかったので、

 

ゆっくり見て回るだけにしました。

 

蘆花が愛用した外套や眼鏡など、身に付けたものなどのほか、

 

愛用していた農機具などもあり、

 

晩年の蘆花が晴耕雨読を旨としていたということがよく分かりました。

 

また愛子夫人が集めたと思われる日本各地のお土産ものが展示してありました。

 

ご夫婦で、あちこちへご旅行に行かれたのかな。

 

 

雑木林の中の小径を通って、旧宅の正面へと向かいます。

木漏れ日が心地よい小径。

 

 

まずは愛子夫人の居宅の横を通りました。

こちらは有料の予約制施設だそうで、内部の見学はできませんでした。

 

 

窓越しに覗き見ちゃった。

テーブルとパイプ椅子が並べられていました。

 

 

愛子夫人居宅の玄関。

母方の伯母の家の玄関がこんな感じだったので、

 

初めて来たのになんとも懐かしく感じました。

 

 

愛子夫人居宅の南側に母屋があります。

母屋の裏手には井戸がありました。

 

 

ぐるっと回って正面へ。

茅葺がいい風情です。

 

 

入口の脇に茅屋(ぼうおく)と書かれた案内板がありました。

「二十八人集」の

 

「国木田哲夫兄に与えて僕の近況を報ずる書」の抜粋で、

 

この建物は捨て子だった子がはたち過ぎてから養家に建ててもらった家で、

 

その後、近所の大工の妾が5年ほど住んだ妾宅だったとありました。

 

投げやりな普請の家だった上、大工も手を入れなかったので、

 

蘆花がこの家を手に入れた時はひどい有様だったようです。

 

中を見学したところ、雨漏りの跡もなく、壁もはげ落ちていなかったので、

 

蘆花自身が修繕したのでしょう。

 

内部は撮影禁止なので写真はありませんが、

 

竈や五右衛門風呂がちゃんと残っていました。

 

 

渡り廊下を渡って、梅花書院も見学。

明治42年(1909年)3月、

 

松沢下北(現:世田谷区)で売り出された家を蘆花が購入し、

 

4月20日に建前を行ない、5月30日にはこの場所に完成させたそうです。

 

 

梅花書院の裏には身代わり地蔵が祀られていました。

「みみずのたはこと」の「地蔵尊」によると、

 

蘆花が地蔵様が欲しいと言っていたら、

 

植木屋さんが八王子の浅川付近の由緒ある農家の墓地の六地蔵のうちの一体を

 

買ってきて据えてくれたそうです。

 

関東大震災では倒れたつつも無事でしたが、

 

大正13年(1924年)2月15日の余震で倒れた際に

 

頭が落ちてしまったそうです。

 

蘆花はそれを見てお地蔵様が自分たちの身代わりになってくれたと言い、

 

身代わり地蔵と名付けたそうです。

 

私もお参りさせて頂きました。

 

 

身代わり地蔵の前から梅花書院を見ると、形の違う窓が2枚見えます。

左側の大きな窓は、蘆花自身が押し入れを取っ払い、

 

壁をぶち抜いて作った窓だそうです。

 

外から見ると、押し入れだったかどうか分かりませんが、

 

部屋の中から見ると、なるほど、ここが…と分りましたよ。

 

 

一番奥の建物は秋水書院。

明治44年(1911年)に烏山にあった家を

 

蘆花が買い取って移築したものだそうです。

 

奇しくも建前をした1月24日は蘆花が冤罪であると関心を寄せていた

 

大逆事件の犯人とされた幸徳秋水ら12名が処刑された日で、

 

その縁もあって建物に秋水の名前を付けたそうです。

 

中は蘆花の書斎と寝室になっていました。

 

こちらも渡り廊下で母屋と繋がっていました。

 

そうそう、渡り廊下には大小さまざまな火鉢が沢山並んでいました。

 

昔のことですから暖を取るためにと、

 

広いおうちのあちこちに火鉢を置いていたのでしょうね。

 

 

中と外観を見て回ったので、旧宅の門から出ることに。

正門から入ると、裏側からの見学になるので、

 

最後に門に出るのがちょっと変な感じがしました。

 

 

 

今回のおでかけ

★東京都立蘆花恒春園

 住所:東京都世田谷区粕谷1-20-1

 電話:03-3302-5016(蘆花恒春園サービスセンター)

 開園日:常日開園

 開園時間:恒春園区域 9:00~16:30

      徳冨蘆花旧宅および蘆花記念館 9:00~16:00

      公園 24時間

 入園料:無料

 駐車場:40台(有料)

 公式ウェブサイト:蘆花恒春園

 

 

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