ピアノの時間 | すきなこと ちりばめて

すきなこと ちりばめて

長く患ったパニック障害を克服、好きなことを散りばめて暮らしたい。



幼い頃からエレクトーンを習い、大人になって指導者資格を取得した。その間、決して裕福ではない暮らしの中、何度かの楽器の買い替えやお月謝、発表会などに多額の出資をしてくれた親に、今頃になって感謝する。

子供の習い事、当時からお金がかかったと思う。指導者に見合うキャラでないことを自覚していた私、それでも音楽と繋がって仕事をしたいと願い、楽器製造の会社へ入社した。弾いたり教えたりとは違う部門でも、楽器や楽譜、音楽を身近に感じられる環境で働けたことは、とても誇らしく幸せだった。

社販でエレクトーンとピアノを新調し、その趣味は大人になっても続いた。仕事や子育てで中断し、思い出したように、数年ぶりに弾くこともある。今回はKANさんの訃報を受けて、久しぶりにピアノの蓋を開けた。KANさんの弾き語りの大ファンなのだ。

KANさんの作品の中、好きな曲の耳コピをして、不協和音満載で自己流に弾いた。素晴らしい楽曲、やっぱり音楽は楽しい。忘れていた感動を思い出したかのような、衝撃。ふと、流行りの曲もサラッと弾けると楽しいのに、と欲が出た。

かつてピアノを習っていた人はサラッと、初心者の方にも馴染みやすいレベルだと思われる楽譜を見つけた。Amazonでサンプル楽譜を見て即買いした。おとなの簡単ピアノ 頑張らずに弾けるシリーズ。まずはJ ポップを購入。

若い頃は資格を取ること、技術を上げることに必死になり、音楽と格闘した苦しい時期もあった。ひとつの曲の完成度を上げるための練習なんて、もうやらない。

50歳を過ぎた今は、ただ音を楽しみたい。気分よく、サビを歌いながら、弾いてみる。なんて楽しい時間。

KANさんから思いがけず、こんな音楽との素敵な時間をプレゼントされた。今も昔も、KANさんはやっぱり素敵だ。