吉崎硝子ワンマンライブレポート | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所
思い出すのは昨年11月のワンマンライブ。直前にアップされた「なみだ」と題したブログを読み、胸が熱くなったこと。

思い出すのは昨年12月。急にどうしても会いたくなり、3日前に航空チケットを入手して出かけたこと。

残りの全てを注ぎたいと思った1月。
伊秩弘将氏の企画ライブに初出演し、夢を聞かせてくれた2月。
開演前に八王子の高尾山へ登り、縁結びの御守りを手渡した4月。
巻き起こったアンコールに、遂に「最高の場所」を見つけたと思った5月。
事故で怪我したとの知らせに、とても心配した6月。
さくらかおりさんとの、見事なツーマンライブを見届けた7月。
月に2度も観に出かけた8月。
ゆる~い、キョロさんとのツーマンライブを見届けた10月。

そのどれもが、大切なたからもの。




吉崎硝子ワンマンライブ「よしざきしょうこワンマン(仮)」

セットリスト

(オープニングアクト吉村かおりさん)
野うさぎ駆ける
海月(くらげ)
あざやか世界

(前半)
きょうあした
ナイト*トレイン
ライフ

かぶとむし(aikoのカバー)
君と僕の物語
揺るがなく

(後半)
足跡
春風
クモに嫉妬
糸(中島みゆきのカバー)
探している
さくらん

(アンコール)
そらみろ


12月16日。
いつものように飛行機に乗り込み、東京へ。
渋谷驛で下車。彼女のブログにあった自由ヶ丘驛近くの雑貨屋さんで何か贈り物を買おうと思ったのですが、あまりにもベタ、驛前でポインセチアを買って新宿へ。
新宿の花園神社にてライブがうまくいくよう祈願し、会場の西新宿ナビカフェへ歩いて向かいました。

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チケットが売れなくて、と3日にライブ観に出かけた時、硝子さん嘆いておられましたけど、いざ開演してみると満員御礼でした!
硝子さんのお母さまとお婆さまもいらしてました。


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まずはシークレットオープニングアクトとして吉村かおりさんが登場。お忙しいなか駆けつけてくださいました。
5月に福岡へも来てくださった彼女。パーカッションのまぁびぃさんとともに、3曲演奏。
「海月」は、硝子さんのリクエスト曲。自分もこの曲好きだな。
独特の、流れるように繋がる歌詞。彼女は歌詞回しがうまく、作詞家という印象が強い。
MCで、このライブのタイトルは「よしざきしょうこワンマン(仮)」というタイトルだから、私がライブをジャックしても構わないワケで、などと笑わせると、客席の硝子さん、じゃぁ私最後まで客としてゆっくり観てますと応酬。

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いよいよ硝子さんの出番です。
鍵盤が踏みにくいのか、右足の靴だけ脱いで着席。
左の耳にだけつけている、大きめのイヤリングが素敵です。

パーカッションにまぁびぃさんを迎え、「きょうあした」など、まずは3曲演奏。
まぁびぃさんと組むのは初とのことでしたけど、息ぴったりで、曲の魅力を更に引き出せた感じがします。
「ナイト*トレイン」で、会場から自然に手拍子が巻き起こりました。

「魚」。これはボーカリストとしての彼女の魅力をとくに強く感じられる曲ですね。
パーカスが入り、新たな魅力もプラスされてました。

生きもの繋がりでと、次は確かまぁびぃさんがお休みしてaikoさんのカバー曲「かぶとむし」。
確か何度か原曲を聴きかじったことがあるのですが、あらためて聴くと奥深い詞の世界が魅力的な楽曲です。高音でかすれる、硝子さん特有のボーカルも味があります。

そして次は「君と僕の物語」か、。
硝子さんの自宅近所で飼われていた猫さんのことをうたった、切ない曲。
自分も先日猫さんの遺品を整理したばかりで、いろいろと想うところがあり、涙が止めどなく溢れてきました。

前半ラストは再びまぁびぃさんを交え、昨年のワンマンライブ以来久々の演奏となる曲ですと話しますが、なにか様子がおかしい。
冒頭のメロディを忘れちゃったと硝子さん(笑)。歌詞カードも忘れ、マジなようです。
次のライブのお知らせなどを話して粘ります。
遂に演奏開始。自分もあの日以来久しぶりに聴く「揺るがなく」。
これは、やはり前回も感じたのですがロックそのもの。パーカスを交えた激しい曲調におどろきます。

  揺るがないのは強い心

噛み締めたくなるような歌詞。とくにこの一文が印象深く、残ります。


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前半を終え、小休憩。
当日限定のオリジナルカクテル「硝子の瞳」と、そのカクテルと唐揚げがセットになった「肉食女子セット」も販売されました。

自分も含め、多くの人がセットを註文。
フライヤーはフル回転で、この為後半の開演が遅れてしまうというハプニングに。
結局、唐揚げの揚げ音を聞き乍ら後半スタートとなりました。

まずは「足跡」、そして「春風」から。
長年演奏され続けているこの2曲も、まぁびぃさんのパーカスで一段と輝きを増したように感じます。
観客も手拍子で応えます。

次は「クモに嫉妬」。
MCで、今年はこの曲を演奏すると私や観客に何かよからぬことが起きてしまうと話します。
「魚」もそうですが、この彼女の初期作品に漂う7、80年代ニューミュージックの雰囲気はなんなのでしょう。
4年前に初めてこの曲を聴いた時も、相曽晴日や明日香といった、ポプコン出身者の面影を感じたものです。

次の曲はリクエストを頂きましたと、中島みゆきさんの「糸」。
昨年のワンマンライブの時に一度だけ聴かせてもらったことがあり、それが忘れられなくて今回自分がリクエストしました。
タイトルを硝子さんが告げると、ざわめく会場。強い手応えを感じ、リクエストして良かったと思いました。
演奏は、これはやはり見事なもので、ボーカリストとしての魅力が溢れていました。これはまた聴きたいですね。

新曲の「探している」。
まだ今回も含め、たった2度しか聴いていませんが、メロディが印象深く、冒頭部分と、

  子供の頃描いた夢は何だっただろう

の、サビ部分が頭に沁みついて取れない。
切ない、詞ですね。

ラストは、これもロック調の「さくらん」。
まぁびぃさんが再び加わっての演奏となりました。
今回の硝子さん。歌詞カードも見ずに、歌詞を1曲も間違うこと無く演奏を終え、その演奏もどれもが素晴らしく、実力以上を発揮した完全燃焼のステージでしたね。

アンコールは「そらみろ」。
前回のツーマンの時も行った、サビ部分でコール&レスポンスが入るアレンジ。
しかもメロディを変えて観客にうたわせるという独特のもの。
そらみろよ!の歌詞をまぁびぃ見ろよ!に変えるちゃめっ気もあり、最後まで盛り上がってライブは終わりました。


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終わっちゃったな。これが正直な感想。
楽しい時間はすぐに終わってしまうもの。

硝子さんは、先に帰っていく観客ひとりひとりを見送っています。
自分はそんな、柔らかい光に包まれて楽しそうに笑っている硝子さんを横で見ているのが好き。
こんな時間がずっと続いてほしい。
でも心なしか、この日の硝子さんは疲れているように見えました。

大半の観客が帰った後、実は会場へ来てくださったお客さま向けに、当日演奏された楽曲の歌詞カードを配るんだったということを思い出した硝子さん。
忙しくてすっかり忘れていたそうです。
このカード、プリンタの不調で朝まで掛かっても終わらず、この会場にきてカメラマンのprayer♪さんに手伝ってもらいようやくできた労作。
それを忘れてしまうほど頑張ったんですね。
何度も何度も練習し、リハをくり返し、徹夜でライブの準備をし、まぁびぃさんが買ってきてくれたパンを半分しか食べられないほど開演直前まで頑張った硝子さん。
自分たちはライブを観るだけだけど、その裏には葛藤や苦労、努力の跡がある。本当によくやり遂げましたね。

まぁびぃさんと、硝子さんに、当日のチケットにサインしてもらいました。

ありがとう。

そしてまた、来月にでも会いましょうね。きっと。

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