谷山浩子ライブレポート | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所
11月20日16時半。

いよいよ谷山浩子さんのライブ開場時間ですが、モンダイ発生!
なんとチケットを家に忘れて来るというアリエナイことをしてしまいました。引っ越しのことで頭がいっぱいだったのでしょうか。

事情を話すと、当日券を仮に購入し後日代金を払い戻せるよう手続きしてくれました。当日券があったのが幸いです。ありがたい。

整理番号は111から142へ。

会場は、天神からほど近い中央区大名にあるライブハウスROOMS。
最後から2番目くらいに入ると、3列目中央あたりの席がポツポツと空いていたので、無事そこへ着席。
グランドピアノが中央に置かれていました。
BGMは、浩子さんの曲のインスト。「恋するニワトリ」「カントリーガール」等など。気持ちが高まります。


谷山浩子ソロライブツアー2011福岡ROOMS 2日目前半セットリスト

遺跡散歩
おやすみ
愛をもう一度
人生は一本の長い煙草のようなもの
君が壊れた
河のほとりに
風物語
風になれ~緑のために~
カントリーガール


浩子さんはどんな人なんだろう。
80年代によく聴いていたラジオや、雑誌の記事で読んだ古い記憶しか無い。
そんなことをモンモンと考え乍ら、手にした甘酸っぱいグレープフルーツジュースを飲んでいると、パッと明るくなって浩子さんは現れました。

盛大な拍手が止むと、深々とお辞儀をしてあいさつ。
手にした花模様のiPADをグランドピアノに置きます。
買ったばかりだというiPAD。なぜ持ってきたかというと、(画面を見せて)時計代わりですと話して笑わせます。

もうこの冒頭のやり取りで分かってしまいました。
浩子さんは、自分が彼女のことをよく聴いていた80年代となにも変わらない。
お声も、コンピュータ好きも、気さくで何処か不思議な雰囲気も。
まるであの頃と同じ浩子さんがいました。

はじめまして。ただいま。今日から谷山浩子をもう一度やり直します。

今日はオールリクエストですと話す、浩子さん。
チケットの半券が入っている籠をまさぐって券を取り出し、その番号の人がリクエストした曲を演奏するというものすごい企画のようです。
浩子さんの音楽歴は40年もあり、楽曲も多い。どんな曲でも演奏できるのでしょうか?まさかね。

ブランクが長かったので知らない曲も多いですが、「おやすみ」や「風になれ」など、好きだった曲も思いがけず聴けて嬉しかったですね。

リクエストが入ると、マネージャーさんが控え室で歌詞カードから曲を抜き出して小走りに持ってきます。
最近持って来るの早くなったと浩子さん。

「遺跡散歩」は1987年の作品。ちょうど、彼女はおろか一時音楽を全く聴かなくなってた頃ですね。
東京の丸ノ内ビルの屋上へ早朝に登ってみたら、人も車も全く無くて、その経験からできたそうです。人類滅亡?みたいに思ってしまったとか(笑)。

「愛をもう一度」は、研ナオコさんへ提供した曲なのだそうです。
こんなマニアックな曲を平然とリクエストする観客もすごいですが、それに応えて平然とピアノで弾き語る浩子さんもすごい。

「君が壊れた」は1996年の作品。このライブを観に行く前、「谷山浩子について」と題した日記を書き乍らYouTubeで彼女の曲をいくつか聴いていて、とても印象に残った曲です。
演奏はさすが大御所。大したもので、「おやすみ」など一部の曲で多少戸惑ったくらいで、大きなミスも無く。

前半のラストは「カントリーガール」。
難しいリクエストが多いなか、任せてください!と得意気。
この曲は、シングルとして発売されたときに収録時間が長すぎて4番がカットされて発売されましたけど、4番までのフルバージョンで演奏されました。




後半セットリスト

しっぽのきもち
愛の妖精
MOON SONG
うさぎ
魚の言葉
風を追いかけて
小さな魚

イマージュ

見えない小鳥(※アンコール1回目)
片恋の唄(※アンコール2回目)


前半を終え、休憩。といっても、ひとりで来たので話す人もおらず、ぼんやりと浩子さんが坐ってたグランドピアノを見つめていました。

少々早めに戻って来た浩子さん。
BGMとして流れているご自分の曲をハミング。フンフン……あっ○○って曲だったと笑わせます。
そして、荒井由実さんの「ベルベットイースター」が好きだという話など。
前半で演奏された「風物語」。NHKだったかな?の番組のテーマソングとして流れ、正式に音源化はされていない幻の曲なのだそうですが、今にして思うと中島みゆきさんの「あぶな坂」に雰囲気が似てると話しておられました。

後半が始まりました。
最初のリクエストは「しっぽのきもち」。
しっぽしっぽ、あなたのしっぽになりたいと連呼する、NHKみんなのうたで流れた曲です。これは自分もCDを持っていて、大好きですね。
この日はこんな明るい曲のリクエストが中心で、滅亡とか破滅をうたう暗黒面はナリを潜めました。

「うさぎ」は1985年の作品「空飛ぶ日曜日に収録」。懐かしいですね、これは。
驛で待ちぼうけしている女性(泣き腫らして目が赤いのでうさぎ)を、見つめる男性視点の曲ですが、これはこの福岡で実際にあったエピソードが元になっているそうです。
80年代の頃、福岡公演を終えた後で浩子さんのラジオ番組宛てに女性ファンから、ライブの会場で見かけた猫耳をつけた男性に一目惚れしたので呼びかけてほしいと、投書があったそうです。
浩子さんがラジオで呼び掛けると、なんと返事が。しかし住所は書いていない。
浩子さんが葉書の消印を読みあげると、彼女は彼の現れそうな驛(久留米驛だったそうです)にアタリをつけて実に6時間も待ち、そして彼が現れて告白。
すごいエピソードに会場の皆で感激していると、その後彼の方から葉書が来て、フラれたらしいという落ちがつきました(笑)。

最後のリクエストは「イマージュ」を終えると、盛大な拍手はすぐに手拍子に。
アンコールです。

アンコールは、これも初めて聴く「見えない小鳥」。
淋しげな曲で最後っぽくないですが、これもオールリクエストならではですね。

夢中で書いていたらこんな時間になってしまいました。

演奏を終え、ステージを後にした浩子さん。もう終演ですがアンコールを誘う手拍子は鳴り止みません。
再び現れた浩子さん。
短い曲ならOKをもらいましたと、再びリクエスト者を選びます。「よその子」など、演奏時間が長い曲を列挙して、これは禁止ねとまた笑わせます。

最後は「片恋の唄」。
難しい曲のようで、浩子さんえ~って顔。
しかしいきなりにしてはお見事な演奏でした。さすが浩子さんですね。


終始笑みのこぼれる、楽しいライブでした。
またこの次があったら、来たいなと思いました。

ちなみに若宮のリクエストは「鳥は鳥に」の予定でした。

ではまた。