洲原神社


美濃国牟義郡
岐阜県美濃市須原468-1-1
(P有)

■祭神
[中央本殿] 伊邪那岐命
[東本殿] 伊邪那美命
[西本殿] 大穴牟遅命
[東本殿 合祀神] 天照皇大神 豊受姫神 須佐之男命 少彦名命
[西本殿 合祀神] 大山祇命 木花咲耶姫命 猿田彦命 迦具土命 道返之命


「お洲原さん」として親しまれる、全国洲原神社の総本社。
◎「長良川」上流に鎮座し、社名はその地理からのものと思われます。白山へ通じる「郡上(ぐじょう)街道」の途次、美濃国側の「前宮(さきみや)」として鎮座しています。
◎創建は社伝によると養老五年(721年)、白山を開山した泰澄(タイチョウ)という修験者によるものとされます。
泰澄は養老元年(717年)、白山の主峰「御前峰」にいる時に九頭龍王が出現、伊弉冊尊の化身で白山明神(妙理大菩薩)と名乗り顕現。これが「白山信仰」の源とされます。翌養老二年に「御前峰」にて白山妙理大権現を奉祀しています。
◎社殿後方には「鶴形山」(標高348m)が聳え、当社の「御山」(奥の院)として多くの神祠があったようです。現在は西・東本殿の合祀神として祀られているようです。白山明神はこの山に降って来たと捉えられたものと思われます。
◎社前を流れる「長良川」は中洲状となっており、そこに「神の岩」と称される島状の巨大露出岩盤があります。ご本殿から楼門に至るまで「長良川」を向いており、明らかに降臨石であろうと思われます。察するに「鶴形山」に降った白山比咩神がさらに水神と化し、さらに「神の岩」に降ったということかと。
◎江戸時代の僧侶であり12万体もの仏像を彫ったとも言われる円空。美濃国に生まれたこともあり、その最古のものは白山の麓である郡上郡の神明神社(未参拝)にあるなど、この地には多く伝わるようです。
━━白山や 洲原立花 引き結ふ 三世の仏の 玉かとそおもふ━━という歌を詠んでいます。
「洲原立花」とは洲原神社(当社)と立花神社のこと。立花神社は当社の「御前立て」(秘仏本尊の前にもう一躰安置して諸人に礼拝させる)だったという捉え方もあるようです。
◎ご祭神には菊理媛神が見られません。現在、白山比咩神社(未参拝)は白山比咩神を菊理媛神のこととしていますが、伊弉冊尊のこととする説も。そもそも白山比咩神が菊理媛神であると文献上遡られるのは平安末期のこと。それ以前は伊弉冊尊であったのかもしれません。

立花神社 



鳥居は西方に設けられ、太鼓橋もあります。


楼門前には「長良川」、その中に「神の岩」が浮かびます。




境内から楼門を。

拝殿


舞殿