物部神社 (本巣市上真桑)


美濃国本巣郡
岐阜県本巣市上真桑字本郷331
(境内の「真桑の人形舞台」側に駐車可)

■旧社格
郷社

■祭神
物部十千根命
天照大御神
応神天皇
仁徳天皇
菅原道真
速玉男神


岐阜県平野部の北端、本巣市「上真桑」の集落内に鎮座する社。社前には「郷社 物部神社」と「村社 八幡神社」の二社の社標が立ちます。
◎創建年代は不詳。「美濃国神明帳」(天慶から天徳の頃、10世紀)には従五位上の神階を授かったとあることから、創建はそれ以前のこと。当社より現社名であったようです。
◎「新撰美濃誌」という書には、「上真桑の条に物部大明神は当村の産土神にて祭神は弓削の守屋大連なりと埴生の涼風に記せり」とあるようです。現在当社の祭神として上がっているのは物部十千根命。饒速日命七世孫とされ(「先代旧事本紀」・「新撰姓氏録」による)、垂仁天皇二十六年に出雲に遣わされ神宝を検校、同八十七年には、石上神宮の武器庫の管掌の任に当たっています。つまり古墳時代初期の人。

◎一方で「新撰美濃誌」において祭神とされる物部守屋は、崇仏派の蘇我氏と争い敗れたことで知られる人物。古墳時代末期から飛鳥時代にかけての人。2人には大きく隔たりがあります。
どちらが正しいのかによって創建年代は大まかに推定できるのですが。
◎当社は通称「藤の宮」と呼ばれていたようです。これは往古、白藤の大木があったからと。昭和二十年に現社地へ遷座。旧社地は南南西500m余りの地、現在は民家が建っています。
◎社標が立てられているもう一社の八幡神社は、明治から大正にかけて7社を合祀、昭和十八年に物部神社に合併されたようです。
◎境内の「真桑の人形舞台」が国指定重要有形文化財に、そこで奉納される「真桑操人形浄瑠璃」が国指定無形重要文化財となっています。
◎当地は古くからの「真桑瓜」の産地。弥生時代、2世紀頃から当地で栽培されていたとのこと。産地名が品種名となっています(Wikiより)。信長にも献上されたとのこと。





こちらは無形の「真桑人形浄瑠璃」。
こちらは有形の重要文化財「真桑の人形舞台」。