御霊神社 (御所市増)


大和国葛上郡
奈良県御所市増449
(北側からのアクセス道に停め置きできそうです)

■祭神
早良親王
[配祀] 百川親王 他戸親王


「大和葛城山」と「高天山(金剛山)」との間を縫うように走る「水越峠」を下ってきた、南方に広がる集落「増(まし)」に鎮座する社。
◎当社についての情報は見当たらず、創建由緒等はまったくもって不明。隣の宇智郡では御霊神社が数多鎮座し、祀られるのは井上内親王(参考記事 → 御霊神社 本宮など)。これは幽閉され最期を迎えた地であったことによるもの。葛上郡にも広がりを見せ、高天彦神社などの境内社にも鎮まっています。
◎葛上郡(現在の御所市)にはもう1社同名社が鎮座(稲宿の御霊神社)しますが、そちらは国常立尊・天常立尊を主祭神としています。「御霊信仰」に基く社だったものの、祭神替えが行われたと思われます。ご本殿内に安置されるという神像は男神のもの。早良親王(崇道天皇)ということになるのでしょうか。また同じく葛上郡の「櫛羅(くじら)」には崇道神社が鎮座しています。
◎上記2社が原初より早良親王の鎮魂のために建てられた社であるのかどうかは、資料が枯渇しているため怪しいところ。本来は井上内親王の鎮魂のために建てられた社であった可能性を考えています。古くは葛上郡と宇智郡とは排他的な関係であると言われ、それが原因の一つではないかとも考えています。
当社についても同様に本来のご祭神は井上内親王ではなかったかと。配祀神として他戸親王が祀られていることがその証左となり得るように思います。


当日は桜が美しく咲いていました。

背後に見えるのは「高天山(金剛山)」。