伊太祁曾神社 境内社
(氣生神社/祇園神社・磐座/御井神社/櫛磐間戸神社/蛭子神社)


紀伊国名草郡
和歌山市伊太祁曽558 (伊太祁曾神社境内)
(20台ほどのP有)


多くはないものの紀伊国一ノ宮 伊太祁曾神社は境内社を抱えています(写真は過去数年にわたる参拝時のものが混在しています)。

◎氣生神社 (きしょうじんじゃ)(祭神/五十猛命荒魂)
ご本殿脇、瑞籬外に祀られる社。創建年代等不詳。社名から鑑みて「氣生根」、つまり「氣」が「生」じる「根」源かと思われます。山城国の貴船神社(記事未作成)の社名由来にもなっており、奈良時代には「氣生根神社」という表記も。五十猛命の荒々しい躍動的な御魂が祀られているのだろうと思われます。



◎祇園神社・磐座 (祭神/素戔男尊)
ご本殿からは南へ少し離れた先、小高い丘上に鎮座する社。下ったところに磐座が座します。
五十猛命の父神、素戔男尊を祀る社。ところが「祇園社」という社名から、かつては牛頭天王を祀っていたものと推されます。祭神替えがなされ、さらには父神を祀る社という位置付けに変化したのではないかと。伊太祁曾神社の南西方面には「口須佐」「奥須佐」という地名が残っており、父神はそちらで祀られていたとされます。
磐座は遥々出雲国「鳥上峰」から運んできたもの。「鳥上峰」とは素戔男尊・五十猛命の降臨地として知られます。



◎御井神社 (祭神/彌都波能売神 御井神)
ご本殿と祇園神社との間に切り通した小路があり、その奥に鎮座する社。水神二柱が祀られています。境内山中から湧く水が井戸から汲み上げることができ、古来より「いのちの水」と呼ばれ親しまれているようです。平成三十年の大型台風により崩壊した社殿は復興しています。

御井社への参道。近年、こちらにも神明造りの鳥居が設けられました。



◎櫛磐間戸神社 (祭神/櫛磐間戸神・豊磐間戸神)
一の鳥居を潜ったすぐに鎮座する社。櫛磐間戸神は記に、ニニギ降臨の際に思兼命・天手力男神とともに添えられたと記される神(記では天石門別神と記される)。天太玉命の御子と考えられ、忌部氏の拠点で多く祀られます(諸説ありますがここでは詳述を避けます)。また宮中の神祇官西院では御門巫祭神として祀られ式内社。当社は紀伊忌部氏との関わりは考えにくく、御門の守護神として祀られたものと思われます。



◎蛭子神社(祭神/蛭子神他)
ご本殿脇の氣生社(上述)のさらに隣に鎮座する社。明治の合祀令により近隣22社を合祀したもの。

社前の霊石


【境外社】
*奥宮 … 丹生神社 

*旧社地 … 三生神社(亥の森)


伊太祁曾神社 一の鳥居