☆ 「與喜山」山中 「二の磐座(重岩)」



大和国城上郡
奈良県桜井市初瀬
(登拝は → こちらの記事にて)



「與喜山」山中の山腹に座す磐座の一。

標高は300m辺り。
與喜天満神社近くの登拝道から。


写真通りに瑞垣に囲われた中に数体の巨岩を重ねた「磐座」、そして瑞垣外向かって右から右下方にかけて数体配した巨岩で構成されています。

「二の磐座(重岩)」という呼称は
故 藤本浩一氏著書『磐座紀行』の「長谷寺と天神山」の項に記されるもの。

以下引用。
「拝殿の横から山路に入り、等高線を百メートルくらい歩いたところに登山口がある。(中略) 落葉の多い山道を二十分くらい登って行くと、一方を谷に接して祀られている岩群がある。石灯籠の奥に三平方メートル余りの石の玉垣をめぐらし、その中に三角形の笠石、その下に方形の石、その下に台石とみられるもの、合わせて三個の石が重なっている。五輪塔の下三輪とも見えるが、ここは現在、神とも仏ともいわれず、谷の方に三体の岩があるので、磐座のあとに誰かが人為的に組み合わせて祀りはじめたものと思われる」

なお記述中の「石灯籠」は、残骸が瑞垣下方に転がっていました。

また鎌倉時代の「長谷寺密奏記」という書には、「陽神(ヒナタノシン) 伊弉諾ノ尊也 東ノ山ノ腰石坐御南 陰神(カケルノシン) 伊弉冉ノ尊尊也 東ノ山ノ腰ノ石ニ坐御ス北」と。これが当磐座ではないかとも。


*今回の登拝に辺り、また一連の記事作成に辺り、以下のサイトのお世話になりました。深謝致します。


また今後の敬神活動を行う上で、磐座等に関してはこちらのサイトが私のバイブルの一つとなると思われます。ご活動に深く敬意を払います。

さらに磐座の存在そのものの情報を提供下さった、偏愛的奈良さんに御礼申し上げます。 




與喜天満神社一の鳥居と「與喜山」。

山中の磐座には多い、かなりの急斜面に座しています。


仮に太古からこの状態で組んだとするならば、陽石ともとれます。また平たい面は太陽を反射させている可能性もあるかと。南面していますが、正確な方角は確認できていません。


瑞垣右手の磐座。

以下、向かって瑞垣右下方の磐座。



磐座群の上方から。