白山神社 (桜井市豊前)
(はくさんじんじゃ)


大和国城上郡
奈良県桜井市豊前203
(社前にギリギリ寄せて停め置きました)

■延喜式神名帳
宇多依田神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
白山姫命


「大和川」の東岸に広がる田園地帯、「豊前(ぶんぜ)」環濠集落の東端に鎮座する社。「豊前」は南隣の「豊田」が「ぶでん」「ぶぜん」と転訛したものとされているようです。鎮座地は箸墓古墳の真西500~600mほど。
◎創建由緒等は伝わっていないようです。当社を式内社 宇多依田神社に宛てているのは、「式内社の研究」の志賀剛氏。これに対して「式内調査報告」は、「志賀剛氏は本社を桜井市大字豊前(旧磯城郡纏向村)字八王寺鎮座の白山神社(祭神白山姫命 西面)を宛てているが、この辺りは中世に於いて箸墓郷と呼ばれた所である。附近にウダといふ地名も、ヨリタといふ地名も残つていないから問題にならない」としています。
◎他に論社は挙げられておらず、廃絶したのではないかと。「式内調査報告」がいう「ウダ」「ヨリタ」も他の城上郡には知り得る限り見られず、当社がその後継社である可能性は棄てきれないのではないかとも考えています。それが箸墓古墳の真西に位置すること、「三輪山」・檜原神社國津神社箸墓古墳などが一直線に並ぶ「太陽の道(レイライン)」のほぼ線上に位置していることから。式内社 宇多依田神社であったのかどうかは別としても、何らかの重要な祭祀跡だった可能性はあると考えています。
白山信仰を持ち込んだ社なのでしょうが、四方近隣に山らしきものはまったく見当たらず、移住または移動して白山姫命を祀ったのであろうと思います。


車はこのように停め置きました。写真右端に微かに稜線が見えているのが「三輪山」。