☆ 化粧坂・おはぐろ石 (桜井市初瀬)
(けはいさか)


大和国城上郡
奈良県桜井市初瀬4349
(アクセスは下部写真にて)
(長谷寺近辺の有料P利用、概ね500円)



「泊瀬(初瀬)」から「宇陀(宇太、菟田)」への往来は、この「化粧坂(けはいさか)」が利用されていたと伝わります。旧伊勢街道沿い。

「上化粧坂」と「下化粧坂」とに分かれており、途中で合流します。そして「愛宕山」山頂に鎮座する愛宕神社へ。

「伊勢辻」から、「下化粧坂」は與喜天満神社の大鳥居前から。合流点近くには「おはぐろ石」という磐座が座しています。

この坂は倭姫命がここで化粧をしたということからの命名。後の時代となっても伊勢へ向かう女性はここで化粧をしていたとか。

後の時代はともかく、倭姫命の時代となると池など水が溜まる場所でないと化粧はできないように思いますが…残念ながら見当たりません。またそのような地形でもありません。後世の附会かと思われます。

元伊勢「伊豆加志本宮」の有力候補地である、長谷山口坐神社與喜天満神社の目と鼻の先で、両社に挟まれた場所。案外この地辺りが元伊勢だった可能性も。

本居宣長もこの坂を通ったようで、「菅笠日記」に「けはひ坂とて さがしき(険しい)坂をすこしくだる 此坂路より はつせの寺(長谷寺)も里も 目のまへに近く あざあざと(鮮やかに)見わたされるけしき えもいわず」と記しています。

紅葉がまだまだ残る日に訪れました。とても美しく幻想的な中を歩きました。

「おはぐろ石」に関しては、周辺に同質と思われる露出岩盤が多く見られることから、他所から運んで来たものではなさそうに思います。



ここが「伊勢辻」。長谷寺への参道の途中、ここから「愛宕山」へ。「井谷屋」さんのお向かいになります。

「伊勢橋」を渡ります。奥に見えているのは稲荷社。橋を渡ると左折。右折すると長谷山口坐神社の裏参道へ出ます。



こちらが「おはぐろ石」。



この写真以下は周辺の露出岩盤。