瀧蔵神社 (桜井市芹井)

大和国城上郡
奈良県桜井市芹井299
(狭小道路が多くアクセスはやや困難、台風シーズン等は落ちた枝などで車を傷める可能性有り)
(P有)

■祭神
[右殿] 伊弉冊尊
[中殿] 伊弉諾尊
[左殿] 速玉尊


「上之郷」と称される桜井市北東部の山間部。険しい山中に所々小さな集落が残りますが、その中の「中谷」集落の外れに鎮座。鬱然とした深い山々の中にひっそりと佇みます。標高は460mほどでしょうか。
◎社頭案内によると創建年代は不詳とされています。神階授与が延喜二十年(921年)に従四位下、天慶三年(940年)に正二位にそれぞれなされているとのこと。この時に既に創建がなされていたものとみられます。
◎西方600~700mほどの「瀧蔵」にも同じく瀧蔵神社が鎮座。こちらも深い山中の社。ご祭神も当社と同神の三座。何らかの関連を持つと考えるべきかと思います。
そちらの方は長谷寺の奥の院ともみなされ、また與喜天満神社の奥宮といった風の扱いもなされる大社。素直に考えるなら、そちらから当社へ分祀されたということになりそうです。
◎そちらの創建時期も不明。創建由緒から察するに少なくとも菅公が逝去してからのこと。つまり延喜三年(903年)以降のこと。また式内社でないことを鑑みると延長五年(927年)以降ではないかと想像されます。そうすると当社の方が先に創建されている可能性があると思われます。
◎「上之郷」の地名は、かつて「神之郷」と称されていたようで、また石灯籠に刻まれる「割石神社」とは磐座そのものを指すと思われます。「割石」という小字名もあったようです。
当社から北東600~700m辺り、「小夫嵩方(おおぶだけほう)」の天照皇大神社(後ほど記事UPします)の奥地辺りではないかと考えています。






こちらが「割石神社」と刻まれた灯籠。

その灯籠の隣には岩が立てられ、明らかに奉斎されているもの。