瀧蔵神社


大和国城上郡
奈良県桜井市瀧蔵600
(P有)

■旧社格
村社

■祭神
[右殿] 伊弉册尊
[中殿] 伊弉諾尊
[左殿] 速玉命


與喜山から連なる瀧蔵山に鎮座する社。標高は430m。一帯が長谷寺に乗っ取られてからはその影響が強く、式内社となっていないのはそのせいでしょうか。
◎長谷寺の奥の院などとされてしまっていますが、もちろん本来はそのようなことがあり得るはずもなく、乗っ取られて以降のことかと思います。
與喜天満神社が「今地主神」、当社が「本地主神」と、與喜天満神社の奥宮的な捉えられ方がなされています。当社の瀧蔵権現が與喜天満神社に道真公を迎えたと。長谷寺の影響が強く、本来の姿をたどるのはなかなか困難な神社となってしまっています。一方で長谷寺縁起には「以後のここを任せる、私は瀧蔵に籠る」と道真公に委ねたと記されています。つまり與喜天満神社に鎮まっていた瀧蔵大神が、当地に追いやれたと解釈するべきなのかもしれません。
道真公は天神と呼ばれますが、この「天神」を天津神のことであるととらえるのならば、国津神(瀧蔵の神)を天津神が追い出した、つまり国譲りがあったのではないかという解釈も可能ではないかと思われます。
ただし神域の磐座群から鑑みて、以上のような説話より遥か上古からの祭祀場であったことは明らか、当地にしろ與喜山にしろ神が宿る霊地として捉えられていたと思います。
◎ご祭神は後の時代に宛てられたものでしょうか。神名が創作される以前よりの神であり、瀧蔵大神とでもしておくのが妥当なところかと。その本来の姿は社名から察すると龍神でしょうか。その「瀧」は当地には見当たらず、「瀧」まで長谷寺に乗っ取られたことかと思います。
◎なお一の鳥居から社殿と反対の方に山道を少し下ると磐座群があります。

*神の庭* その1その2
*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。










こちらが黄金塚。

権現桜。この聖地を独りで満喫するため、いつも桜の時期を外しています。